腰痛総まとめ

腰痛に関してはいくつか外せない項目がある。

1.脚の状態
2.お腹の具合い(腹筋や胃腸や生理など)
3.背中の状態
4. ストレスによるもの

これは何を意味しているかというと、「腰痛は腰が悪いのではなく、周りから悪影響を受けている」と言った方が正しい。
4番のストレスに関しては腰痛が全く良くならず、頭に100本ぐらい鍼を打つと治る方が時々いる。精神的なものが影響しているのか、頭の血流なのかはまだまだ研究が追いついていないのが現実である。
周りの環境に関しては、腰の下は脚、腰の前はお腹、腰の上は背中、腰の取り巻きの問題で、腰が被害者になってしまい痛みを出している。
腰に口があれば、「脚やお腹、背中君がちゃんと働いてくれないから、僕が頑張らざるを得ない。もう大変。」と言っている。
だから腰に悪影響を与えているところを治療すれば、腰は文句を言わなくなるのである。
長年の経験でこういう事がわかっているので、初診の腰痛患者は腰を触らず、脚だけ治療して腰痛がどうなるかを見る。
患者は腰が痛いのに、腰を触りも見もしないので、いつも不満そうな顔をしているが、「脚だけ治療したけど、腰はどう?」と聞くと、「あれ、痛くない!!どうして?」となる。
脚だけ揉んで腰が楽になっても、「ちょっとだけでもいいので腰を診てください。」と言われるが、「腰が痛くなければ、とぱっちり腰痛ですから大丈夫です。」と言って、「でもちょっと診て欲しい・・・」と粘られる。
それで腰が楽にならないと今度はお腹を診る。腹圧と言って胃や腸の硬さを診る。胃や腸も筋肉で出来ているので、胃炎や便秘はすぐにわかる。按腹と言ってお腹のマッサージをするだけでも腰痛は楽になる。そうなれば、「お腹の具合が悪くなり、腹筋が働かず腰に負担がかかったために起きた腰痛」と言える。
我々のような鍼灸院に来る腰痛患者は、大抵病院で診てもらっている。検査で手術の対象になればうちには来ない。基本的にはレントゲンやMRIで特に異常がない方ばかりだ。医者から、「腰に問題はありません。」と言われるが、それはレントゲンに写っている物の中に異常がないという話で、レントゲンを撮ってもいない脚の状態は無視している。お腹にしても胃腸機能はわからないので、腹筋が落ちて腰の筋肉がどれだけ頑張っているかはわからない。病院の検査は殆ど骨と椎間板を診ているぐらいである。そこに問題があれば画像で出るが、神経や筋肉・血管・膜などは写らない。医者で薬や注射で良くなれば当院には来ないが、良くならないと人に聞いたり調べたりして来る。日本人の殆どの人が感じている腰痛は難治性ではない。ちょっと動きすぎたとか、何故か食べ過ぎたら腰が痛くなったとか、重症ではないが生活に困っている患者の数がとても多い。そういう方達に是非、「殆どの腰痛は腰に原因はありません。周りの環境が悪いのです。」と声を大にして言いたい。

image_print印刷する