常連の社長が、「若い社員で気働きのないやつがいる。教えても身につかない。困ったものだ。」と言う。この気働きだが仕事などの場合、次に何が起こるかが想像できないと動けない。会社がある方向に向いていて、上司が何を考え、一つのことをなすために何が今必要なのか、予想する力が必要だ。若い方で何故この気働きが昔より出来なくなったのか理由を考えたが、おそらくそれは普段の生活にあると思う。昔は親が大抵煙草を吸っていた。吸おうとすると子供に、「パパにマッチと灰皿を持っていって。」と母親が言った。マッチだけ持っていったら怒られた。ビールも昔は瓶で栓抜きとコップがなければ飲めない。掃除も箒とちりとりが必要である。これはすべてセットなので、煙草を吸おうとすると子供は自然にマッチと灰皿を準備することが身についた。だから鼻をかみたいと言われるとちり紙とゴミ箱を用意した。子供なりに考えたわけである。しかし今は煙草を吸う人は少ないし、ビールは缶で栓抜きもコップもいらない。掃除は掃除機でちりとりもいらない。子供が何も考えなくてもよくなってしまった。この生活の環境の変化は大きいと思う。この気働きだが、色々な社長が、「わかりそうなものだけどね・・・。でも本当に気がつかないんだよね。」と嘆いているが、ビールを缶から瓶に戻せとは言わないが、人の行動を見て先を描く力は何時の時代でも必要と感じている。
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