昔は頭痛薬というとそんなに種類は多くなかったが、最近は血管が拡張しているのか収縮しているのか、神経伝達物質の状況などで「片頭痛」「緊張型頭痛」「群発頭痛」の3つに分け、薬を変えている。「頭痛外来」も定着してきた。頭が痛くなると人によっては赤ワインが駄目だったり、チョコやコーヒーで楽になったりと日常生活と症状が密着している。この血管のことを考える時いつも頭を悩ませていることがある。それは腰などの痛いところを冷やすか暖めるかを仕事柄よく聞かれる。冷やせば血管が収縮するして炎症物質が減るから楽になる。暖めれば血管が拡張して血液が入り込むから患部の修復がかかる。しかし話はそんなに簡単ではない。収縮しっぱなしでは患部が虚血になるからその後血管は開く。拡張しっぱなしでは充血してしまうのでその後血管は収縮する。行くところまでいけば反転するような話である。だからどちらでも良いという意見がある。問題は反転する時に命令を下しているのが自律神経なので、自律神経がうまく働いていない方の場合は困る。血管が収集しっぱなしでは患部が腐ってしまう。こういう状況を漢方では、「陰極まれば陽となる」と言う。何事も陰になったり陽になったり、パランスを取りながらウロウロしているぐらいがいい。
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