キーワード 的確

超音波を使ってより治療を的確に

ここ数年、超音波診断装置を使って身体の中の様子を直接見ながら、鍼を打つというやり方がある。 私自身とても興味を持ち数年前から取り組んでいるが、ようやく少しずつではあるが使いこなせるようになってきた。 一番よく使うのが肩関節周辺の痛みである。 超音波診断装置を使って患部を診ると、明確にファシア(筋肉を包む膜など)が重積して白く映り、そこが発痛源になっていることがよくある。 治療は超音波で診ながら鍼を…

身体は的確な治療しか求めていない

普段は仕事柄、腰痛を扱う事は多いですが身体の本音を垣間見ることがあります。 原因がわかっている腰痛でしたら治療は楽ですが、長患いだったり、違うところに原因があって、その反射で腰に痛みが出ているときは原因探しをしないとなかなか効果は出ません。 先日も左股関節の痛みでみえた方が私が右の太腿しか治療しないで、「もう終わりました。」と言ったら、「痛いのは左です。」と言われ、「では確かめてみてください。」、…

治療の的確性

以前にある先生から「治療とは相手の心の力を引き出すこと。」という貴い言葉を頂いた。当時は若くて意味もわからず、「ではどうすればいいのですか?」と伺ったら、「的確性、それ以外に無い。」とご指導を頂いた。 最近、この言葉が胸に刺さる。 最近治療した方でもこれだけ的確性に欠けている。 1.膝痛で患部に注射をしていた-太腿の治療で改善 2.指のケガが原因の背中の痛みを暖めていた-炎症なので冷やす 3.捻挫…

肩関節の治療の難しさ

肩の脱臼癖のある患者が、また痛めたという。当然、レントゲンを撮ったが、そんなに悪くないという。しかし経過が良くない。こうなるとMRIで内部をちゃんと診て戴かないとどうなっているのかわからない。MRIの結果は「関節唇損傷-関節唇とは関節のまわりに唇のように付着している軟骨で、関節の安定に不可欠な組織の事」とのことで、レントゲンではわからない情報が掴めた。しかし基本的に関節唇は自然治癒することはなく、…

治療法はあっても痛みが取れない

ある常連さんが肩を痛がっている。肩の専門病院を紹介したが、超音波で診てそんなに大きな問題はないだろうと言われ、注射を打ってもらったが全く効かなかったと言う。 患者の話を詳しく聞くと、これはもしかしたら肩関節の中の情報がないとダメかもしれないと、MRIを撮りなさいと伝え調べたら、「関節唇損傷」だった。 場合によっては手術が必要な事もあるという話になった。 関節唇は聞き慣れないだろうが、関節のまわりに…

子供の発熱

常連さんの子供が38度越えの熱が出て医者に行ったら、「じゃ、カロナール(解熱剤)だけ出しておくから辛がれば飲ませて。」と軽くあしらわれたという。まず子供の体温だが基本的に高く、37.0℃ぐらいの子は沢山いる。基本的に発熱は平熱より1度上がれば発熱になるが、子供の場合は39℃程度でもちゃんと食べて出るものが出ていれば、基本的に問題はない。風邪なら4日ほどで落ちつくものである。昔うちの息子が4日以上発…

1人ボケツッコミ

よく常連さんの社長が、「この間のゴルフ、食べ過ぎた後にやったからいつもより腰が痛い。お前から何度も、『食べすぎると腹筋が働かず、腰の筋肉が頑張る。そんな時のゴルフは危険』と何度も言われて俺はそんな時にやってはいけないことはわかってはいるが、あの接待は断れなかった。ゴルフも連チャンだったからこんな腰になった。理由は知っているんだ。わかっているんだ。だからちゃんと来た。」と自分で、何処に問題があったか…

原因不明の病気に関して

仕事柄、患者さんが「あなたの病気の原因は不明です」と医者に言われたという声をよく聞く。 病気は出ている症状と原因が別のことがよくある。 時間が経てば経つほど新たな病気が出てきて、原因追求が段々大変な時代になってきている。 特に皮膚科、婦人科、心療内科などではよく起こる。 それだけ病態を把握するのが難しいという事だ。 我々が扱う整形領域でもそれはよく起こる。 理想的には的確な診断と治療法が確定して、…

痛みの原因は「関節内」「関節外」

前回、腰椎椎間板ヘルニアの手術した後で痛みが出た方の話を書いたが、患者さんから、「ヘルニア内?ヘルニア外?」と少しわかりにくかったみたいなので、膝を題材に少し話をしたい。膝痛の方はよく来るが、まず痛みの原因が「膝関節内」「膝関節外」かで分ける。「関節内」なら、半月板か軟骨、靱帯が問題で、「関節外」なら周辺の筋肉、神経、血管、扁平足なとが原因になる。よく患者さんが、「MRIを撮ったけど関節自体は何も…

突発性○○と雨漏り

病名で「突発性○○」というのは聞いた事があると思います。 医学で突発性というのは、原因不明を意味します。 何故その病気になったかわからない。原因は不明なんです。これが突発性という意味です。 原因がわからないので治療も的確性を欠きます。 ウィルス性上気道炎ならウィルスが原因で喉が痛いので、ウィルスを減らせば確実に良くなれます。 原因と治療法は極めて明確です。 突発性○○と病名をつけられても治ればいい…

飼い猫の手術

数週間前に飼い猫の「蘭丸」がぐったりしていた。様子を見ていたら段々具合が悪くなり、吐くので医者に連れて行って色々と調べたが原因がはっきりしない。先生も困った顔をしている。これでは仕方がないので、ある方から教えてもらった医者に変えて調べて貰ったら、「お腹に何か異物があり、それが詰まっています。それが原因でこの血液の異常はすべて説明つきます。」という。説明を聞きながら、これは開腹だなぁとすぐにわかった…

お人好しで遅れる医療

最近はブログを見て来院される方は多い。今受けている医療に何となく不都合や不満があるのであろう。人によっては、「よくこれだけ我慢されましたね。」と言いたくなる方もいる。そういう方達の特徴はただ一つ、お人好しである。「この先生にお世話になったから・・・。」「もう少し信じてみよう。」「あそこの病院は混んでいるから・・・。」と治療効果が出ていないのに通い続ける。先日、我が家の猫が連日吐いて、グッタリしたの…

ひょんな事からツボに入る

仕事柄、首が辛いと訴えてくる方は多い。こちらは長年の経験があるのであの手この手とツボにいかに的確に刺激を入れるかを考える。しかし場合によっては患者が、「ほんのずれている。」と言われることがある。こちらもムキになって、「どうですか?今度はどうですか?」とやるが、患者は「・・・・?」となってしまう。そんな事を続けていると疲れるので、時々治療している手を左手から右手に変えるときがある。変えた途端、「それ…

風邪とコンタック

以前、病院勤務時代に職員始め皆でコンタックを飲み、なぜよく効くのかの話は書いた。結局、消炎剤の量が多かっただけなのだが、このコンタック、時々すぐれた効果を出す。以前、頭痛の患者さんが頭痛外来の専門的な薬よりはるかにコンタックがよく効くと言う。歯痛の場合も正露丸やコンタックはよく効き、応急的には使える。風邪の時によく医者に行って抗生剤をもらう患者がいるが、これはタイミングがある。感染で菌にやられたと…

何故日に3つもネタを書けるのですか?

これも常連さんからの質問である。最近どういうわけかブログで来る患者がいる。講読熱心な患者もいる。有り難いことではあるが、私から見たら日に3つのブログは少ないと思う。一人の患者を治療するごとに3つや4つの事は感じる。すべて書くのは大変だが、この患者の事を書くと他の患者にばれると思い控えめに書いている。かなり重なる部分はどうしても出来てしまうが、治療家はそれぐらい色々なものを感じている。またそれぐらい…

鞭打ちの治療のコツ

病院勤務時代は救急だったので、交通事故か脳卒中でかなりの数の鞭打ちの治療をした。外来と病棟回りで、ある時に面白い事に気がついた。医者の指示で1-2週間に1度程度の治療をしている方は時々具合が悪いという。外来でほぼ毎日治療している方はあまり言わない。酷くない方の方が症状が出ている。一度治療しても病気の勢いがあるとまた症状が悪化する。1-2週間に1度では症状を押さえ込めない。しかし酷い鞭打ちの方でもほ…

幸せな膝痛

日舞をやっていて膝痛の方に、「あなたの膝痛は幸福ですね。」という話をした。この方は日常生活では膝痛は出ない。稽古をすると無理した分だけ出る。治療をすると楽になる。また稽古で痛くなる。この繰り返しである。最近は筋トレを始めて、少し器が拡がればもっと膝は楽になるだろう。こういう方の膝痛は楽である。我々の感覚で膝痛という方はまず熱を持っている。その熱がかなり冷やしても取れない。運動や安静時、何時痛くなる…

先生を育てる患者

以前はよく、「ここに鍼を打ってくれ。」「前回の治療では○○が足らなかったから、○○を足してくれ。」「○○のツボを探してくれ。」「もう少しその周辺を診てくれ。」「先生は○○という考え方だろうがいつも刺激が足らない。少し周辺にツボを探してくれ。」「治療してもらうと○○だが、何かスッキリしない。別の方法はないのか。」「毎回同じ刺激では効かなくなっている。別の方法はないのか?」とよく言われた。最近はアドバ…

筋トレをしても治らない膝

ご紹介で膝が治らないという方が来ている。話を聞くとジムなどに行って膝が辛いというと必ず、「では太腿を鍛えましょう。」と言われるという。しかし通って真面目にやればやるだけ、膝が痛くなって終いには通わなくなってしまったという。そして治療院にもいくつか行ったが効果がないので、紹介されてきたという。太腿を診るとガチガチで何とも10年近く頑張ってきた歴史を感じる。以前、治療家とトレーナーの違いで書いたが、マ…

不安を煽る心臓の症状

中高年の女性で心臓の違和感を訴えてくる方は多い。心電図をとっても中々本人が不安がるほどの波形が出ないのが特徴だ。医者から心配ないと言われても納得しがたい。そんな時、携帯型の心電図が便利である。オムロンが携帯型の心電計を出している。これだけで十分とは思わないが、心電図を測定後、波形解析をしてくれる。おおよそ問題がないなどと表示されるようである。こういう機械があれば、心臓に症状がある時に手軽に測れる。…