切れた方の身体
ある社長が役人との交渉で切れた。 酷いいじめを受けたという。 普段から温厚な方で、仕事柄感情を表に出せない立場でもあるので切れたというのは余程のことだと想像した。 治療を受けながら、「今日は今までで一番酷いと思う。」と言っているが、身体を調べたがこりがどこにもない。 逆に今までで一番いいぐらいである。 「そんなはずはない。」と本人は納得していないが、まったくと言っていいぐらいこりがない。 以前にも…
ある社長が役人との交渉で切れた。 酷いいじめを受けたという。 普段から温厚な方で、仕事柄感情を表に出せない立場でもあるので切れたというのは余程のことだと想像した。 治療を受けながら、「今日は今までで一番酷いと思う。」と言っているが、身体を調べたがこりがどこにもない。 逆に今までで一番いいぐらいである。 「そんなはずはない。」と本人は納得していないが、まったくと言っていいぐらいこりがない。 以前にも…
40代以降でマラソンにはまる方は多い。 先日、マラソンの宗茂先生と話す機会があって、60代でもフルマラソンを2時間40分代という信じられないスピードで走る人がいるという。 そういう人達は昔陸上部だったとか、学生駅伝をやっていたとかという人ではなく、経験のない方達の中に伸びる人がいるという。 昔やっていた人達は伸びないそうである。 全く予想外のことだったので、「宗先生、そういうものですかぁ?」と言っ…
この言葉は「課長島耕作」でおなじみの漫画家・弘兼憲史さんの言葉だということを患者さんから教えて頂きました。 弘兼さんは、人を動かすのに2通りの方法があると言います。 (1)あえて厳しく叱り反発させて「なにくそ!」と沸き上がってくる気持ちを利用して前進させる方法。 (2)8割ダメなところがあっても2割の良いところを褒め、やる気を引き出し、8割部分のボトムアップ。 現代では(2)の、褒めて伸ばす方が有…
納税額日本一で有名な斎藤一人さんの話を聞いていたら、身体は空だと言っていた。 空なのだから何も感じないのが正しい。 何か感じるのはおかしいという。 この話はその通りだと思う。 一番健康な方は朝起きてから寝るまでに身体のことを何も感じない。 しかし前回のメルマガでも書いたとおり、不健康な方は朝起きて、まず腰が痛い、歯を磨いて気持ち悪い、ご飯を食べてお腹が苦しい、昼寝をして首が痛い、歩いて膝が痛い、坐…
定期的にメンテをしている方は多い。 殆どの方は過去にひどい腰痛などを味わって懲りた方達である。 しかしメンテをしているからといって、スーパーマンになる訳ではない。 どういうことが起こるかというと、段々年を重ねる毎に回りの方がどんどん具合が悪くなっていく。 自分は何も変わっていないのに、周りが変化するので相対的に自分の元気はメンテが影響しているとわかる。 その時に時間とお金と手間をかけて良かったと、…
仕事柄、年配の方を治療することは多い。 いくつになっても元気な方に一つの特徴がある。 それは時事ネタに興味を持っているということだ。 仕事が大体1時間だから、初めの15分ぐらいは時事ネタから入る。 総理大臣がどうしたこうした、政治がいいの悪いの、芸能人がどうした、誰が離婚したとか、何処の国が悪いとか・・・。 話を聞いていると新聞をくまなく読んでいるのではないかと思ってしまう。 テレビもちゃんとチェ…
女性の会社員が上司にあることで報告をしたら、「結論だけにして。」と言われ納得がいかないという。 物事には経緯があり、それをきちんと伝えなければいけないのに説明を聞かないという。 こういう話はよく聞く。 これは男性脳と女性脳の違いで、男性は結論が大事で、女性は経緯が大事である。 男性は結論を出すことが仕事と思っているので、そこまで最短で行きたい。 女性は経緯の中にドラマがあると思っているので、その経…
以前、男の38才説の話を書きました。 男は33才ぐらいから体調が変わり、何となく20才の頃と違うと感じ始めます。 しかし頭の中は若い頃と同じなので、何でも出来ると思っていて5年間ぐらい我慢します。 しかし38才ぐらいになると坐骨神経痛などが少し本格的になって、我々みたいな鍼灸・マッサージの文字が気になりだします。 殆どの方が20才より体重が10kgぐらい増え、中年太りになっています。 本人は特別食…
年末年始、忘年会や新年会で食べ過ぎや飲み過ぎの方は多いと思います。 度を超すと尿酸値が上がり、痛風になる方がいます。 足の親指の付け根が痛くなることが有名ですが、痛みは突然起こります。 昨日まで大丈夫だった方が突然歩けなくなるぐらい強い痛みを伴います。 患部は赤く腫れ、熱を持ち、これでは痛みが簡単には取れないだろうと治療しながら感じてしまいます。 しかしこの痛風の痛み、きちんと治療すると確実に鎮痛…
最近は時々この言葉を聞きます。 「医者を選ぶのも寿命のうち」 いい先生にかかると長生きできるが、そうでないと寿命が短くなるということでしょうか。 「がん難民」という言葉が定着して、本当に先生とのご縁は大切です。 ではどうやっていい先生と巡り合えばいいのでしょうか? 名医100人で調べて、かかればいいのでしょうか。 いい先生にかかるコツを少しお話ししたいと思います。 まず第一に定番の病気はある程度決…
鬱病で通っている方は多く、治療するたびに頭の回転と体力の問題にぶつかる。 鬱病は本来やる気が出ないのだが、薬によって急にやる気が出たり、頭が回り出す方がいる。 もちろんいいことなのだが、少しすると必ず、「体がついていかない。」と言う。 では頭の回転を落とすと全くやる気がなくなってしまう。 薬によって振り回されてしまう。 薬の量も体調で変わり、常に適量飲むというのは至難の業だ。 少し頭が回るようにな…
仕事柄、体について何かいい話を聞かせて欲しいとはよく言われる。 しかしテーマを与えられると長年仕事をしている分、ある程度答えられるのだが、漠然と何かいい話と言われると中々出てこない。 一つの話をしている時も患者さんが上手に合いの手を入れると、しゃべりやすいのでつい余計なことまでしゃべってしまう。 この合いの手はいい治療を受けるために、患者さんにとって必要な術であると何時も感じている。 治療する側は…
次の病歴はある患者さんの実際の年表である。 14才 虫垂炎 25才 帝王切開 27才 帝王切開2回目 30才 急性腎炎 32才 腎盂炎 36才 卵巣嚢腫 38才 子宮筋腫 54才 虚血性静脈疾患 60才 神経鞘腫 それに肥満、高血圧に高脂血症、肝機能が高く、痔と大腸ポリープ、右坐骨神経痛がある。 まさに病気の問屋さんである。 しかしこれだけ病名があっても私からすると根本原因は、「腫瘍体質」と「血行…
先日、アトピー性皮膚炎でおみえになった方が、ステロイドを使っていたが、あんな物はすぐ止めろと言われて止めたらリバウンドしてしまった。 抗がん剤は毒だから使ったらおかしくなると言って、止めたらがんが増殖してしまった。 どうも世間では治療法に対して、白黒つけたがる。 グレーの話が殆どない。 これは困ったことである。 長年の経験から言えることは、「治療法は殆どグレー」である。 アトピー性皮膚炎もステロイ…
以前病院勤務していたときに、医者、看護師、薬剤師、付き添いさんまで、風邪をひくと売薬でコンタックを飲んでいた。 薬局からは定番の総合感冒薬PLがあるが、誰も飲まない。 コンタックの方が効くという。 長い間疑問に思っていたが、たまたまその製薬会社の方が来たので理由を聞いてみた。 答えは簡単で消炎作用の薬の量が多いという。 本来アメリカなどで使われていた物を日本に輸入した。 体重が100kgぐらいある…
あまり偉そうに言える話ではないが、私も中年になってきて毎晩晩酌をして 医者に行くとコレステロールや中性脂肪が高く、気をつけて下さいと言われる。 この程度の晩酌ならと思いつつも、お酒が入ると食欲が出て満腹まで食べたくなる。 それも夜中に・・・。 人には減量を勧めながら、昔履いていたズボンが全く入らなくなっている。 お酒が原因とは分かっていたが、このままというのは悔しいのでなぜお酒を飲むのか考えてみた…
気がついたらこの仕事を35年やっていて、すっかりベテランの域に入ってしまいました。 名人まではほど遠いですが多少経験を積んだ分、新人とは違うと思います。 では何が違うかと考えてみたら、待てるかどうかだと思いました。 例えば坐骨神経痛でも捻挫の後遺症でも、長年やっていると身体の本音が分かってきます。 そして身体が今はどういう時期で、これからどう変化するかも分かってきます。 ですからこちらは一番いいタ…
これは何人も見てきて言えることだが、今まで仕事をしながら通院していた方が、定年したらもう治療はいらないと言う。 しかし現実は逆である。 まず人が、「あなた暇でしょう。」という目で見る。 実際は暇でなくても人はそう見る。 今まで仕事していた時は言えなかったことを突然言われる。 「この会の会計なんだけど、今まであなたは仕事をしていて言えなかったんだけど、引き受けてくれない?」 こう言われると断りにくい…
以前に70代後半のリウマチを患っていた女性が、股関節を一側だけ手術して人工関節にしました。 退院された後その奥様に、「お加減はいかがですか?」と聞いたら、 「手術した方は20才、していない方は75才。何か変。」と言われて返す言葉がありませんでした。 何でも新しくなれば良いというものではありません。 やがては70才代の股関節なんていうのも出るかもしれません。 以前勤めていた病院の外科部長がお茶の時に…
夏休みを利用して以前から気になっていた、広島の世界遺産の厳島神社へ行ってきました。 見事なまでに潮の干満を計算しつくした大鳥居と鮮やかな朱色の回廊には思わず息をのみました。 周辺を観光していて宝物館の中に目を留めるものがありました。 宥座の器(ゆうざのき)です。 壺状の器が左右を紐でつるしてぶら下がっています。 器に水が入っていない時は傾き、ほどよく入れると真っ直ぐに立ち、入れすぎるとひっくり返っ…