症例

テニス肘の治らない原因はお酒

紹介で来たテニス肘の方は右肘のみならず、足底腱膜炎、膝痛、肩の痛み、腰までまるでドミノを倒したかのように全て右側が痛いという。問診で話を聞いただけで、「父ちゃん母ちゃん」が思い浮かんだ。おそらく反対側の左側がかなりダメで右側が騒いでいるだけ。試しに左の小指を診たら相当痛がる。これはもう、痛くない左側の器がいっぱいという事がすぐにわかった。試しに右側の指を触ったら、左ほどではないと言う。こうなると父…

身体の幸福

「身体の幸福」とは何を持って言うのだろうか? 私は、「朝起きてから夜寝るまでに身体の事が頭に浮かばない」と思っている。 頭痛や腰痛持ちの方なら朝起きた途端、「あ、頭が痛い、腰も痛い・・・」と言うだろう。 歩けば足が痛い、座り続ければ足がシビレる、食べすぎればお腹が苦しい、書類を見続ければ目が痛い・・・。 朝から晩まで身体が辛いと言い続けている方は多い。 ではどうやって身体を幸福にしてあげられるのだ…

挫折について

何人か学生が通っている。若い方達を診ていていつも感じるのは、「年を取っての挫折はきついが、若い時なら何とでもなる。何度も挫折を味わい、最終的に挫折しない人物になって欲しい」という事だ。これは以前聞いた話だが、中学・高校と優秀で東大も首席が卒業した子が、ある銀行に入って、「自分はこれだけ優秀だから3年程度で頭取になれる」と思ったらしい。いざ入行してみると簡単に夢は崩れ、これでは何年かかるかわからない…

怒りと過食

常連さんが少し背中と左腰が重いという。調べてみると「ヤダモン君」と「腸の反応」がある。少し嫌な事があって食べ過ぎたとすぐにわかったので聞いたら、「少し前に怒っていた」と言う。怒ると人の身体は交感神経優位になるので、胃腸が働かなくなる。しかし人はストレスを解消するために少し普段とは違う味の物を食べたがる。酒飲みで言えば「珍味」である。ストレス解消によく旅行をするが、あれも目から普段と違う刺激を入れる…

パテラ(膝のお皿)について

日舞の方のパテラ(膝蓋骨-膝のお皿の骨)を動かしたら、とても気分が悪いという。このパテラは何の問題もなければ上下左右に滑らかに動く。解剖すると太腿の筋肉の膜に包まれていて、太腿が硬くなると動きも悪くなってしまう。日舞の方は殆どが右膝か右股関節痛を訴えてくるので職業病だろうが、このパテラを動かないままにしておくとあとで問題が起こる。患者が例え嫌がっても滑らかに動くようにしておきたいと親心で思ってしま…

ダンベルと腿上げで腰痛悪化

常連さんが最近腰の調子が良くなり、鍼を打つととてもスムーズに入る。しかし突然又腰に痛みが出たという。何をやったのか聞いたら、何も思い当たらないという。こういう場合は胃腸関係を一番疑うのでお腹を触ったら、さほど悪くない。まさかと思って、「筋トレでダンベルなんかやっていませんよね」と聞いたら、「やっている」と言う。「腿上げなんかやっていませんよね」と聞いたら、「それもやっている」と言う。「まさか前回腰…

膝痛と膀胱炎

膝の治療をしている人が少し悪化した。何かあるのか聞いたら、膀胱炎があるという。内科で出してもらった薬で良くなったのか聞いたら駄目だという。そういう場合はやはり泌尿器に行ってちゃんと調べてもらった方がいい。膀胱炎の菌もある種の抗生剤だけ使うと漏れがあり、症状が中々よくならない事がよくある。膀胱炎は適切な抗生剤を使えば数回飲むだけでちゃんと効くはずである。我々が問題にするのはそういう感染があると膝痛が…

脛が硬いとストレスに弱くなる

常連さんの脛のこりが中々良くならない。原因は冷えだが、この状態が続くとストレスに弱くなる。理由は簡単で、以前からストレスがかかると末端が堅くなる話はしている。歩きすぎでも冷えでも原因の如何を問わず、脛が硬くなれば、ストレスに対応する器が小さくなってしまう。脛が硬くないときにストレスの器が10とすれば、硬くなれば半分の5程度に下がってしまう。7のストレスを受けた場合、脛が硬くなければ受け入れられるの…

右足首を捻挫すると腸が動かなくなる

常連さんが転んで右足首を捻挫した。階段を降りると痛いということで、反対側の左脚に負担がかかっている。すぐに治療すれば簡単なのだが、少し時間が経過した場合は左脚がどんどん硬くなる。そんな時に我々が一番気にするのが、「腸の動き」である。以前、便秘の治療法として、「左足ジャンプ」の話を書いた。左足だけでジャンプをすると左の股関節や鼠径(足の付け根)、下行結腸・S状結腸に刺激が伝わり、腸が活性化する。結果…

患者さんとよくある会話

スポーツや踊りなどで足を痛めている方は多い。治療で段々良くなると、患者さんとこんな会話をしている。 「あれ、この間ここが調子良くなったのに、また少し筋肉が硬くなっている。無理した?」 「いえいえ、無理なんかしていません。ほんの少しだけ負担をかけただけです。」 「ほんの少し?どれくらい?5分10分?」 「え、15分・・・、20分、30分弱かも・・・」 「前回、少し良くなっても舞い上がってはいけないと…

「不眠症」「寝違い」「喉の痛み(喘息)」の反応点は同じ場所

首を前に曲げると首と肩の間の真ん中に少し骨が飛び出ているのがわかると思う。それは頸椎の7番の骨で「隆椎 りゅうつい」と呼ばれている。 その場所は「不眠症」でも「寝違い」でも「喉の痛み(喘息)」でも同じ場所に反応が出る。 ツボで言うと「定喘 ていぜん」だ。 そこが少し硬くなってしまった場合、何が原因かわからない。 「眠れる?首痛い?喉は?」と聞かなくてはならない。 場合によっては「寝違い」と「喉の痛…

一辺に2ヶ所治療しない理由

常連さんが左腰痛を訴え、食べすぎが原因とわかったので前回左腰だけ治療をした。今日、「今度は右腰が痛い」と言う。本当は両腰痛いのだけれども、前回左腰だけ集中して治療したので右腰が「俺も治療してもらいたかったなぁ」とすねたと理由を解説した。左右差で言えば左:右は7:3。では、「左を7、右を3」治療すればいいのじゃないと患者が言うので、「理屈はそうなんだけど、実際そうやってみると患者は、『楽になった』と…

身体のスイッチの調整法

常連さんが週に1度程度、夜勤があるという。その後はよくうちに来るのだが、どうも腸が動かないと言う。これは夜勤によって自律神経の調整がうまくいかないことを意味する。私も実は月に2回程、午前4時に起きて行くところがある。起きてすぐに風呂に入り、支度をして午前5時には出る。午前8時ぐらいには帰ってくるのだが、そこから仕事開始の朝10時までは少し間がある。以前はそのまま仕事に入っていたが、最近はどうも仕事…

痛みの原因は「関節内」「関節外」

前回、腰椎椎間板ヘルニアの手術した後で痛みが出た方の話を書いたが、患者さんから、「ヘルニア内?ヘルニア外?」と少しわかりにくかったみたいなので、膝を題材に少し話をしたい。膝痛の方はよく来るが、まず痛みの原因が「膝関節内」「膝関節外」かで分ける。「関節内」なら、半月板か軟骨、靱帯が問題で、「関節外」なら周辺の筋肉、神経、血管、扁平足なとが原因になる。よく患者さんが、「MRIを撮ったけど関節自体は何も…

ばらばらな症状の原因は一つ

今日来た常連さんは「顎関節の痛み」「左肩の痛み」「親指の違和感」「少しストマックライン」が気になると言う。 全身を調べてみたら胃炎があり、ばらばらに見える症状を全て胃炎で説明できるとわかった。まず顎関節だが、今調整中でよく噛めないと言う。よく噛めないので胃に負担がかかり、脚にスタマックラインの反応が出る。左肩の症状は胃炎の反応で説明がつくし、このように体に違和感があると末梢神経が興奮して指の違和感…

腰椎椎間板ヘルニアの手術をしたのにまだ痛い

常連さんが、「知り合いの女性が腰椎椎間板ヘルニアの手術のあと、少しはいいみたいだけどまだ痛がっている。どうしてなんですか?」と聞くので、「痛みの原因がヘルニアだけなら手術で治るはずですが、ヘルニア以外に痛みの原因があれば手術をしても痛みは残ります。」と説明したら、「そんな事あるのですか?」と言うので、「本来であれば担当医が、『痛みの原因がヘルニアだけなら私の手術で大丈夫です。しかしそれ以外にもあれ…

年を取ったら医者がいなければ生きてはいけない

私も還暦を越え、親を送ることを考える年齢になった。 親には財産など残さなくてもいいから、少し贅沢をしろといつも言っている。 「中トロでもステーキでも何でもいいから少し高い物を食べたら」 「こってりしたものは胃が持たれる。美味しい物を食べすぎると医者に色々と言われるし、さっぱりしたものが食べたい」 「買い物をしたら帰りはタクシーを使えば」 「健康にために少し歩きたい」 「旅行でも少し行ったら?」 「…

大腸大改造計画

今日来た新米ママはライオンタイプなのに足が冷えるという。お腹を診たらかなり長患いの便秘症である。おそらく高校生ぐらいからずーっと続いているのであろう。話を聞いたら、「薬を飲まないと3日も出ない。コーラックなどを飲めば出るが、お腹が痛い。弱い薬は錠数が増えてしまう。」と言う。今は若いからいいが、こういう便秘症の方がどうなるかというと、まず足の血行不良で冷えは当然、浮腫も出る。次に腹圧が高いので心臓に…

勝負心

運動部の学生が通っている。筋トレに励み一時期より大分たくましくなり、陰ながら成長を楽しみにしている。大きな大会や試合があると少し緊張するみたいで、そんな時の心構えを話した。昔から、「大男総身に知恵が回りかね、小男の総身の知恵も知れたもの、中途半端のろくでなし」とどんな人もけなす言葉があるが、昔幼なじみがとある試験会場で周りを見たとき、「こういう場所だと皆頭がよさそうに見えるが、自分より小さい奴には…

ゴルフで膝痛を楽にする方法

常連さんがゴルフにはまっていて膝を痛めている。若い頃から始めた方はそんなに集中してゴルフの練習はしないが、ある程度の年齢になってはまった方は週に2-3回、多いと4-5回レッスンを受ける。頭の中はスコアと飛距離で一杯で、新しいクラブなどを揃えたら間違いなくはまっている。そしてプロに打ち方を教わると、身につけたくて何度も何度も練習する。気がつくと膝を痛めている。初めのうちは足が腫れるのでサポートタイプ…