症例

ゴルフボールとソフトボール

時々、ゴルフボールを使って自分のつらい肩や腰をゴリゴリやる人がいる。特にうちの予約が取れなかった後は、一層力強くやってしまうらしい。気持ちは分かるが少しこれは危険である。以前、マッサージチェアを買って納得いくまでゴリゴリやっていたら、ある瞬間から違う痛みを感じたので見てみたら血がついていて皮膚が破けてしまったという患者がいた。皮膚が破けてしまえば場合によっては皮膚移植である。そこまでいかないまでも…

左右背中の痛みで原因が別

数年ぶりに背中の痛みで来た人が、左右の背中の痛みの原因が別だった。初診はスタマックライン・胃炎が原因で左腰痛、胃の治療をして治癒。その後、数年間は良かったが最近また左側が辛いので、「胃だなぁ。」と思っていたという。本人は胃のことはちゃんとメンテしているつもりだが、身体を診ると十分ではない。その状態で数年経ち、左側をかばい続けて右側には筋肉の反応が出ていた。足も左足は胃の反応、右足は筋肉の反応である…

新型コロナウィルスで日本人に重症者が少ないわけ

もう数ヶ月間、新型コロナウィルスの情報が飛び交い、色々な先生から教わったり調べたりしていたが、世界的に何故これだけ日本人の重症者が少ないのが謎だった。ウィルスの型だとか、BCGだとか、アジア人の遺伝子とか色々言われてきたが、ようやく今までの疑問を払拭する情報を知り合いの先生から教わった。京都大学大学院医学研究科特定教授 上久保靖彦先生の話である。是非学んで欲しい。

心に残った旅行会社

数年前にテレビを見ていたらある旅行会社の取材をしていた。その会社は「お年寄りや身障者専用」の企画で、身体の不自由な方や車椅子、足が悪い方などばかりを対象にしている。まず凄いのはすべての旅行コースを下見して自分で車椅子に乗ってどんな問題が起こるかをシミュレーションしている。「ここの段差がきつい。」「ここにトイレがないからコース変更。」「ここは旅館に言って治してもらおう。」「次の移動までお腹が空くから…

年代別健康法のコツ-30代から70代までの50年間の心と体【30代】

【30代】体のこと別に気にしていない まず30代の方の特徴は10代・20代と何も体が変わっていないと感じていることです。確かにアフターファイブも元気だし、多少徹夜してもへこたれません。ゴルフだって絶好調、体のことを考える事はありません。しかし皆さんの体を診るとそんなことをいっていられるのは33才まで、そこから5年で一つの転機が来ます。私は「男の38才説」と言っているのですが、仕組みは次の通りです。…

治療日記をつける

常連さんのお父さんが脊柱管狭窄症で高齢ということもあり、何とか手術をしない方法はないかという。足の麻痺や痛みも相当強くなれば手術以外の方法は少ないが、何とか生活できているのなら、治療日記をつけることを勧めている。どんなものか少し書いてみたい。 7月  8日(水) 今日はお寺に行ってお参りの帰りに中華屋さんに入った後、夜に腰が少し痛くなった。 7月12日(日) 今日は高台の公園に登ったら、登りながら…

難病治療の鍵は鼻にあった

これはだいぶ古い話だか10年ほど前に難しい患者が溜まってしまって、にっちもさっちもいかない時期があった。毎日何百通とくる医療情報を見ながらある時、患者さんの特徴として、「何となく鼻が悪い。」ということに気がつき、鼻からアプローチできないかといろいろ探っていたら、EAT(Bスポット療法)と出会った。早速その学会(日本病巣疾患研究会)入会させていただくために、理事長に直談判し、「どうしても勉強したいの…

腸にお伺いを立てる話

今の時代、食べて健康になる方法など殆どない。 しかし患者さんは必ず、「何が足らないでしょうか?」と聞く。 これだけメタボといわれている時代なのに補おうとする。 以前確か東北大学の論文で、「今の日本人の食事を昭和40年代にすればメタボ関係の病気(高脂血症、糖尿病など)は殆どなくなる。」と書いてあったが、当時は朝は目玉焼きに漬け物ぐらい、鯵などあると豪華に感じた。昼はそば、夜は焼いたシャケにサラダ、そ…

2度寝と腸

常連の社長が、「最近朝早い仕事が続いて、家に戻ってから2度寝する。そうしたらなんか腸の具合が悪い。」と言うので調べたら、確かに今までとは違う腸の反応が出ている。実は同じ経験を私もしているので、少し説明した。「私も時々教会の早朝清掃で朝早く出かけるが、そんな時は腸の具合が悪くなる。理由を調べたら、家に戻り寝る前に食べるからである。食べないと寝られないのは事実だが、特に油や米は胃もたれがして、起きてか…

少し手を抜きなさい

高校生で運動部の子が、前回、頚と肩が痛いと言って来た。調べてみると新型コロナウィルスの影響で、筋トレばかり毎日やっているという。すこしやり過ぎである。「筋肉痛が起こっているから、少し手を抜きなさい。」と指導して今日また診たら、悪化している。足まで痛くなっている。完全にやり過ぎである。高校の運動部ぐらいだとどうしても監督の言葉が絶対で、かなり辛くてもやってしまう気持ちは分かるが、体を壊しては意味がな…

結婚相手の決め方

この仕事を長くやっていると、結婚のご縁に関わることも出てくる。嫁を紹介したり、婿を紹介したり・・・。昔なら世話焼きおばさんが、自転車で各家庭を回り、「おたくの次女、28才?お姉ちゃんは出戻ったけどね・・・。」などと言いながら、何時も脇に抱えているアルバム5冊ぐらいを拡げて、「好きな人を選びなさい。」と言い、どれか選ぶと、「その人よりこっち。見た目は悪いけどお金はある。」とか、「私はこっちがいいと思…

生かさず殺さず

何となく江戸時代みたいで、余り感じの良い言葉ではないが、NHKでiPS細胞の山中先生とタモリの番組で、骨に関しての番組を見た。骨というとただカルシウムの貯蔵場所や骨髄細胞ぐらいで他の働きはないように思われがちだが、若さに関する物質を司っていることがわかってきた。病院勤務時代によくお年寄りが股関節の大腿部頚部骨折をして、そのまま寝たきりになり一気に認知症も始まり具合が悪くなるケースを見ていたので、患…

ほくろと悪性黒色腫(メラノーマ)について

時々子供でも足の裏のほくろの相談が来る。 一番懸念しているのは悪性黒色腫(メラノーマ)との鑑別である。 最近はダーモスコープとう特殊な拡大鏡を使い色素変化を診ている。 下記は悪性黒色腫(メラノーマ)の場合の特長である。 1.左右非対称 2.境界不明瞭、いびつな形 3.色が均一でない 4.サイズが直径5mm以上 5.大きくなったり、変化がある 普通のがんなら腫瘍マーカーがあるが、これにはない。 最終…

83才で頭に100本鍼を刺す

常連さんのお母さんが、身体がだるくて眠気が取れないと通っている。身体を拝見しながら胃炎はあるし、投薬は多いし、顎関節に問題はあるし、便秘はあるし、終いには無呼吸症候群まで見つかった。以下は治療法である。 1.薬が多すぎたので医者と交渉して減らしてもらったら、胃炎が治って食欲が出た。 2.頭の血流を上げるためにマウスピースを作ったら思いのほか調子が良い。 3.頭の血流を上げるために頭に毎回100本鍼…

ツボは三角形を意識して取れ

これは学生時代にお灸の先生から、「患者が2点辛い所がある場合、もう1点は三角形を意識して取るとうまくいく。三角形の頂点も2つあるから反応の強い方がいい。何故効くのかは良くわからない。」と教えて戴いた。未だに覚えていてよく使う。図のように赤い2点が辛いとする。その2点を底辺とする三角形の頂点は2つある。その反応の強い方をツボとして使うとうまくいくという。実際やってみるとうまくいく。先日、テレビを見て…

白内障と食欲

常連さんが白内障の手術を受けるという。昔の比べて手術時間の短縮や眼内レンズの発達で、今では日帰りで出来る。眼内レンズを入れるのにも今は折りたたんで出来るから、傷口も小さく感染も防げる。技術の進歩は目覚ましい。特に眼科領域は光学技術とのコラボで、昔の眼科医が見たら、驚くのではないだろうか。白内障の手術の後、特に糖尿病の方にはいつも注意していることがある。それは術後、赤や青がとても鮮やかに見えて食欲が…