症例

残り5%の痛み

常連さんが五十肩で通っている。一時期よりはいいがまだ夜間痛があり、神経ブロックを受けようと麻酔医を訪ねたら、「先生、肩をこういう角度にするとここが痛むんです。」と言ったら、「そういう角度にしなければいいじゃない。命に別状はないし・・・。」と言われて驚いてしまったという。その後うちに来て、「僕も昔は100%治そうと思っていたが、段々やっていくうちに80点でいいやと思うようになった。理由は100の痛み…

体重増加と母の手作り

40代の女性が最近若い頃に比べて10kg太ったので、マクロビの講習を受けて、「砂糖は麻薬」「牛乳と乳がん」「トランス脂肪酸(アメリカでは全面禁止)」の話など色々と聞いてきて、そんなものかと思っていたという。しかしうちに来て又同じ話をされたので、やはりそういうものなんだなぁと思ったという。この方は二十歳ぐらいまでコーラやマック、市販のポテトチップを食べたことがなく、何かあるとお母さんが作ってくれたと…

最近の患者さんの特徴

4-5年前なら治療院を探すのに「品川 鍼」と入れて検索していた方が多かったが最近は違う。 ブログを実に読み込んでこられる。 以前来た方は、「先生のブログに『坐骨神経痛は8回で治る』と書いてありました。よろしくお願いします。」と言う。 1回目治療してみると効果がわからないという。 少し治療法を変え2回目の後も効いた感じがしないという。 また治療法を変え3回目の後、変化がないという。 4回目におみえに…

手術後の痛み止めで左坐骨神経痛を発症

以前、「水虫とぎっくり腰」の話を書いた。水虫の飲み薬は長期服用しなければならず、それが原因で胃を壊す。そうすると腹筋が働かず、腰に負担がかかりぎっくり腰になるという話だ。これと似た話で、身体にメスが入るとその後、鎮痛剤を飲み過ぎると胃を壊す。胃粘膜保護剤でちゃんと治療すれば良いが、痛み止めだけ飲む方も多い。それが続くと腰に負担がかかり、太腿の裏(下っ腹の反応点)にも反応が出て、左坐骨神経痛を訴えて…

局所環境論

肩でも腰でも何処が痛くなるかで明確に原因が違う。 腕の使いすぎで肩甲骨の内側、心臓の反応で左の肩甲骨の下、喘息は首の後ろ、寝違いは喘息と同じ場所だが範囲が広い。 腰も甘い物取りすぎで左の腰の上、刺激物の摂取で右の腰の上、ぎっくり腰は腰の下で真ん中、坐骨神経痛はどちらか一側、腸は腰骨の上で左側。 一般的に肩首腰痛と言っても、身体はその原因の違いを明確に表している。 それを正確に読み解くのが仕事だが、…

閉経と解放

常連さんが閉経して、もう女ではなくなったのかしらと言う。この閉経に関しては以前師匠から、「閉経は女性にとって解放である。」と教えていただいた。一般的に女性の生理は12才から48才までの36年間である。多少の前後はあるにせよ、50才に近づくと女性の症状は増える。その中で圧倒的に多いのが不眠である。その次にホットフラッシュ、関節の痛み、だるさ等々、不定愁訴のオンパレードである。極端な女性ホルモン低下な…

転倒事故の後遺症で実は胃炎が原因だった背中の痛み

数ヶ月前に転んで尻もちをついた方が背中が痛いという。誰が考えてもその事故が原因だと思うだろうが、色々と身体を調べても転倒による痛みの反応がない。おかしいと思い話を聞いたら、「転倒のあと医者から出た痛み止めを少量飲んでからその後ずーっと胃が痛い。だから痛み止めは飲みたくはない。その胃が治っていないので市販のガスターを時々飲んでいるが胃が治らない。」と言う。背中の痛みの場所はまさに胃の反応点、左足に出…

意外な検索キーワード(後藤ブログ)

当院ではインターネットで検索をかけて来院された患者様にどういったキーワードで検索されたのかお伺いしています。 本日来院された患者様は「坐骨神経痛」「お腹」と言うキーワードで検索をかけ当院に来院されました。 私たち治療家は坐骨神経痛とお腹(腹筋)の関係はよく知っているのですが、一般の方でこの関係を知っている方はあまりいません。 なぜこのキーワードで検索したのか聞いてみたところ、元々日頃から身体のスト…

患者さんの言葉を信じてあとで訂正

常連さんが数ヶ月前にハムストリング(太腿の裏側)に肉離れを起こした。久しぶりに来て、「今はどうですか?」と聞いたら、「10%残りです。しかし完治しないのはやはり若い頃とは違う。少し悩みです。」と言う。試しにハムストリングの反対側の大腿四頭筋(太腿前面)を触ったら相当悪い。「大腿四頭筋がこんなに硬くて10%残りなら、いかに回復力がいいかと言うことです。周りの環境が悪くても殆ど治っているのですから凄い…

禁酒ってすごい(後藤ブログ)

先日毎月1度定期的にいらっしゃる患者様が珍しく数カ月間をあけていらっしゃいました。 話を聞いてみたところ、毎日1本ワインを飲んでいたのをすっぱりやめたらとても体調がよく、しばらく調子が良かったとのことでした。 この患者さんは左の背中(当院ではすい臓の反応点と言っている場所)に違和感があり、病院で見てもまったく異常がなく、鍼で治療をすると良くなりますがすぐにまた違和感が出てしまうという症状があったの…

腰痛アラカルト

仕事柄、腰痛の方は毎日診ている。一概に腰と言っても場所によってなぜ痛くなったのかの原因が違う。ぎっくり腰は仙腸関節の反応だし、坐骨神経痛なら殆ど一側にしか出ない、腸の反応は特定の場所以外でないし、甘い物取りすぎは左の腰の上、刺激物の摂取は右の腰の上、図には書けなかったが、座り疲れは場所的には甘い物取りすぎは刺激物の摂取と同じ場所。明確に辛くなる場所が違う。だから身体を診て、「これはぎっくり腰ではな…

胸がザワザワする話

胸骨のゆがみについて記事を書いたが、ひどい方だと「胸がザワザワする」と訴えてくる。少しこれは難しい患者で身体を診ると大抵下記のような状況になっている。 ヤダモン-心臓の反応が出ている 腕の反応点が硬い 喘息や寝違いの反応点も出ている 腕の反応点と同じ高さで背骨の際に肋間神経の反応点が出ている 上記のものがあると胸骨がゆがむ。少しマニアックな話で恐縮だが、左の肩甲骨の間は数cmの所に色々な反応点がつ…

胸骨のゆがみ(胸の真ん中の痛み)

肩や首の治療をしているとなかなか良くならない方の中に、胸骨のゆがみを見つけることがある。胸骨とは胸の前面(胸の真ん中)の骨で肋骨と少し不安定な関節を形成していて、ちょっとのことでゆがみやすい構造をしている。そこに肋間神経がかかわっているものだから、ゆがむと鋭い痛みを出す。少し触っただけでも飛び上がるほどである。治療法はすこし叩く程度で改善するのだが、こじらせると咳が長引いたり、手のシビレが良くなら…

安眠に関して

常連さんが酷い不眠ではないのだけれども、安眠のコツを知りたいという。下記の内容は良い睡眠を取るために私が普段から感じていることである。 体が冷えていると眠れない-手足が温かいと寝やすい-湯たんぽなど足が暖かいだけで寝られる-肩や首を冷やさない、夏はアイスノンで寝やすいときがある 真っ暗だと寝にくい-これは真っ暗でないと寝られない方もいる。 室温が低すぎると寝られない 音も適度がいい-無音だと寝にく…

健康法、追いかけているうちが華

患者さんの中に70代でジャニーズを追いかけている方がいる。 話しはいつも同じで、「今度は仙台でコンサートがある。」「チケットが取れなかった。」「オープニングがいつも格好いい。」「投げキッス最高。」とまるで乙女のように話す。 うちに来ると肩や腰がおかしいと言っているが、ジャニーズの話の時は痛みなど忘れているようである。 よくテレビで○○がいいと言うと翌日にはスーパーからなくなるそうだが、健康法は追い…

サービスについて

これは以前帝国ホテルが改装するときに、サービス向上のために部屋数を減らし、お客様のゴミなどは長期間保管するという話を聞いた。紙ゴミひとつも大切な場合があるので、そういうところにまで気を配ったという。この話を常連の会長にしたら、「私も実は以前に帝国とオオタニを使った時にボールペンを忘れてしまって、すぐホテルに電話をしたら、『取ってございます。』と即答したという。しかし先日沖縄のあるホテルに行った時は…

腕の使いすぎで喉が痛くなる話

常連さんが海外旅行で重い荷物と車の運転で、腕がパンパンになってしまった。運が悪いことにその後、腕を振って走ったらなぜか喉が痛くなったという。身体を診たら腕の疲れで出た反応点が喉の反応点とくっついていて、そこそこの範囲に炎症を起こしていた。腕の使いすぎと喉は結びつかないだろうが、ツボの反応点はとても近い。こんな所にも落とし穴がある。こういう場合は喉の痛みだけなので、風邪のように鼻水などは一切出ない。…

耳下腺の腫れに関して

常連さんが一側だけ耳下腺が腫れて気になるという。原因はいくつかある、感染、アレルギー、腫瘍、石、顎関節-噛み合わせ、耳管の問題、慢性中耳炎などである。しかし現実問題、発熱や腫れがあれば抗生剤で治療できるが、多少の腫れは手の打ちようがない。本人は気になるので、1度CTかMRIを撮ったらどうかという話をした。石や腫瘍はわかるし、構造的な問題もわかる。原因がわかるかどうかは別にしても絞りこむことはできる…

イタリアンと腸の動き

以前、辛いものを食べて痔が悪化する話は書いた。昨晩はたまたま定休日だったので、家内と町をぶらぶらしていたら混んでいるイタリアンを見つけた。何とか座れたので思わず色々と注文してしまった。あまり食べたことのないアヒージョやパスタ(少し辛かった)がとても美味しかった。そうしたら家内が「やはり料理にこれだけニンニクを入れ、オリーブオイルと唐辛子を使うと美味しくなる。」と言っていた。普段は仕事柄、定休日の前…

減量できない方の特徴

仕事柄、減量指導はよくしている。以前中年太りで困った方に断食指導をしていたら、「3日間の断食で9食食べ損なった。今はこれをどう取り返すかで頭が一杯。」と言われて、ビックリしてしまった。こちらからするともう過ぎたことなので、取り戻すという発想がない。又旅先では必ず美味しい物を食べる習慣の方は、たまたま食べ損なっただけで、「食べられなかった○○の敵を取る。」と言う話をする。食べられなくて損をしたという…