症例

お客様が役者を育てる

仕事柄、日本舞踊の方を治療することがある。 ある方が、「昔はお客様が役者を育てるという文化があった。今は中々そうはいかない。落語の志ん生も講座で居眠りをしていても客が、『こんな志ん生は滅多に見られない。寝かせておけ。』と言ったという。」 この話を聞きながら、昔の苦い体験を思い出した。 この仕事、若い時は中々食べられない。 どうしても病院とのかけ持ちをしないと収入が上がらない。 朝から病院勤務で夜は…

世界的免疫学者・安保徹先生から教えて戴いた事

先日、免疫学で有名な安保徹先生が亡くなられた。 Bi-Digital O-Ring Test医学会で講演を伺ったことをきっかけに何冊か著書を読ませて頂き、東京での講演会は殆ど参加している。 初めて講演を伺ったときは、世界的な免疫学の先生なのでどんなお話しが出るか、興味津々で前のめりになりながら第一声を待っていたら、「身体は過酷な生き方を続けると壊れます。」とのお話しに少し拍子抜けしてしまった。 し…

差別化について

よく巷でワーキングプアの問題が指摘されている。 一番深刻なのは歯医者で開業医の1/4が年収300万円以下で、食べるのがやっとだという。 確かに歯医者は多い。 当院から駅までの数分の間に6件あったが2件つぶれた。 コンビニより多いという。 昔は歯医者になれば一生安泰だったが、今はそうはいかない。 歯医者に保険を使わないで診療する方法を指導するセミナー屋さんが大忙しだと聞く。 結局、差別化で他と何が違…

沸騰温度について

これは以前師匠から教えていただいたことだが 「水は沸騰するまで何度だかわからない。60℃でも95℃でも状態は同じ。しかし100℃を超えた途端状況は変わる。」 これは物事の例えだが、ある線を越えた途端別世界になると言うことである。 越えなければ60%でも95%でも越えないという意味では同じ。 治療も同じ事が言えて、今までの治療で良い所まで来ているからもう少し頑張れば問題なくなるのに、途中で止めてしま…

膝蓋下脂肪体について

最近は筋膜リリース(ファシアリリース)でセミナーに出ていると新しい事を学ぶ。 「膝蓋下脂肪体」は膝のお皿の下にある脂肪組織なのだが、膝を解剖すると動脈・静脈・神経を脂肪が取り囲んでいる。 膝は曲げるために少しふわふわな組織にしておかないと曲がらないためだろうと思っていたら、この膝蓋下脂肪体が膝痛に関係があるという。 膝痛の方はよく診るが、「膝の中が痛い。お皿の下」とよく言われる。 膝蓋下脂肪体炎で…

肩関節の分回し運動について

五十肩や肩関節周囲炎の方は多い。急性期にレントゲンを撮って石灰化や腱板炎ならステロイドが効くが、後遺症で来る方も多い。そんな時に「分回し運動-ぶんまわしうんどう」を勧めている。すごい名前だが専門家の間では皆わかる。自分の肩関節を肘を曲げずにぶんぶん回すだけなのだが、これが効果覿面である。時間的には数十秒なのだが、やり終えると顔が真っ赤になる。顔にそれだけ血が行くということは、肩にも自然に血がいく構…

アトピー性皮膚炎とマウスピース

前回は癲癇に関して書いたが、アトピー性皮膚炎も治療法は同じである。40年間治らないという方も、ネットで調べBi-Digital O-Ring Testにたどりつくと来る方がいる。アトピー性皮膚炎の場合は得にフードチェックが大事である。長患いの方はこんなに食べられる物が少ないのかと驚かれる。概して和食は安全だが、大豆や納豆、野菜に反応する方もいる。乳酸菌を使い体調が良くなると、段々食べられる物が増え…

癲癇(てんかん)の治療に関して

Bi-Digital O-Ring Testをやっていると時々、癲癇(てんかん)の子供を診る。ある程度下記のような特徴があるので少しまとめてみたい。 頭に重金属の沈着が見られる-アルミ鍋やアルミ缶ジュース、歯の詰め物-治療には中国パセリ 活性酸素のレベルが高い-8-OH-dG-治療にはスプリングティー 腸管免疫が弱い-頭のアセチルコリン・セロトニン・ドーパミンの低下-治療には乳酸菌 頭部にウィルス…

のんびり生きている親の幸福感

30代の方が親が定年後のんびり生きているのを見て、あまり憧れないという。しかし他の厳しく生きてきた親と比べると明らかに若いという。気持ちは分からないでもないが、そののんびり生きている親からやがて多くのことを学び、理解出来るときが来るという話をした。先日、NHKで長寿に関しての番組の中で、「本当の幸福は80才を超えてから。お年寄りに幸福度をグラフでかいて戴いたら80才から上がる。普段と同じ生活なのに…

股関節術後のケアー

以前、腰痛で通っていた方が日産玉川病院で股関節の手術をしたあとから、腰が全く痛くないという。昔の手術に比べ成功率は高いし、人工骨頭もセラミックなどで今は30年もついう。手術術前の身体を覚えているので、あまりに見事な手術に感動してしまった。話を聞いたら日産玉川病院では、両股関節を同時に手術出来るぐらいの技術を持っているという。今回はたまたま座り疲れと冷えがあるというので下記の指導をした。 100日に…

身体はスイッチ論

首を痛めて握力が極端に下がってしまった方の治療をしている。仕事柄、手を使う方なので、毎回腕や肩が硬い。自宅で何か出来ないかとハンディマッサージャーを買ってもらった。今回腕を診たら3割ほどほぐれている。ハンディマッサージャーが効いた様である。注意事項として私の体験から「やり過ぎは逆効果になる。」という話をしたら、「やはりそうですか。」と驚いていた。こういう機械は全て実験をしているが、私自身、腕を極端…

風邪を引かない方法は?

ある女優さんが仕事柄、風邪を引けないという。しかし舞台稽古で何人か咳をしているので何とか方法はないかという。これは一つの方法だが、以前風邪の予防法でも書いたが、少しの風邪を初めに引いてしまうことだ。咳のひどい方と長い時間を過ごすとうつってしまう。当然酷くなる。しかし軽い方なら、うつってもひどくはない。だから家族に酷い方がいるとどうしても重症化してしまう。舞台稽古の時に軽い方からまず風邪をもらい、そ…

散歩を熱心にやると徘徊?

中高年の健康への関心は高い。 テレビでも、たけしの○○とかためしてガッテンなど健康番組は多い。 仕事柄そういう番組を観ておかないと放映の翌日以降、「先生、先日たけしの番組を見たんだけど糖尿病に○○がいいと言っていた。あれはどういうこと?」と聞かれる。 多い時は日に4時間ぐらい放映しているから、こちらもビデオ録画を早送りして見るだけでも大変である。 最近はどうしても認知症に対しての話が多く、盛んに身…

太腿と肩の関係

社交ダンスをやっている方が、膝が痛いと言ってきた。膝に関しては詳しく書いているので、詳細はそちらを参照して欲しいが、太腿の治療は外せない。この太腿、自覚症状が出ないのだが、膝の痛みのほとんどは太ももが原因で膝自体が悪いという方はめったに来ない。こりを見ると数年間ほったらかしで手入れをしていないことがわかる。こういう方はハムストリングまでやられていて、腰痛があるのが普通である。そんな話をしていたら、…

ユベラとビタミンC

以前、がん治療の落とし穴で書いたが、Bi-Digital O-Ring Testを勉強してからユベラやビタミンCは薬効をキャンセルすることを教わった。今日来た方は今まで鬱病と不眠症で薬がよく効いていたが、ここ1年ぐらいなんか薬の効きが悪いという。そして胃腸も重く頭痛が頻発するという。何かやっていると思い、薬を調べたら肝斑というシミを治すために、ユベラとビタミンC(シナール)が両方出されて、もう1年…

初物と旬

以前92才の元学校の先生を治療していたとき、「健康の秘訣は何ですか?」と聞いたら、「毎日同じ時間に同じ物を食べること。そうすれば同じようにお通じがある。旬はいいが初物はダメ。」と教えて戴いた。これには少し驚いた。常に初物を食べて、元気を取り入れると思ったら、変わったことをしたら受け止めるだけの体力がないという。なるほど、90才を超えるということはそういうことかと学んだ。その先生がある時、青森に住ん…

関節痛が楽になるお庭

以前、やがて薬は着る物の所で書いたが、マスクに喉の薬をしみ込ませて呼吸をする度に治療してしまう方法や、パンツに血流剤を染色して履くだけで冷え性が治るなどの話を書いた。今日は造園業の方が来ていたので、「例えばの話しですが、植木の色の周波数をそのお客さんの関節の痛みを楽になる色調で揃えて、庭を見ているだけで関節が楽になる造園とか面白いのではないですか。」という話をしたら、「私は造園業なのですが、よく家…

内果(内くるぶし)の痛み

内くるぶしのことを内果と言います。捻挫は普通、外の踝あたりが多いいのですが、時に内側に出る事があります。内果の痛みです。この内果の痛みですが、経験上あまりいい結果を出せません。外果なら冷やして固定安静でいいのですが、内果の場合はどうしても長引くので、捻挫の話でも書きましたが足底板の装着を勧めています。いつも治療しながら内側と外側ではこんなに違うのかと感じています。膝もそうです。膝関節の内側と外側に…

昔の患者

これは古い話だが、病院勤務時代に病棟回りをしていたときに、おばあちゃんが「私はこの病院で死にたいの。」とよく言っていた。当時はその意味が良くわからなかったが、この年になると患者さんの心情は良くわかる。今まで何年も病院にお世話になってきたのであろう。勤めていたのが地域では大きな個人病院だったので、親子3代4代でかかっているのであろう。そしてその病院に愛着があり、よそへは行きたくない。先生や看護師も顔…

鬱病が断食で治らない理由

長年治療をしているとどうしても難しい方が増えるので、自然と断食の勉強もするようになる。本を読めば読むほど断食が万能という感じになるが、しかし患者を送っても中々結果が出ないことがある。初めのうちは断食の日数が足らないとか、何回かやるうちに効果か出ると思っていたが、EAT(Bスポット療法)やマウスピースに患者を送っているうちに、治癒率が違うのと鼻と噛み合わせだけで良くなる患者がいることがわかり、断食よ…