症例

どこまで治りたいの?

最近、当院の常連さんが4人股関節の置換術をした。皆さんリハが順調でやれやれだが、以前同じ手術をした人が、体調が良く少し運動をしたいと自分で筋トレをして、股関節を痛めた事があった。以前も股関節の手術成績が良い事は書いたが、それはあくまで日常生活に支障がないレベルであり、手術した全員がマラソンなどの運動をやっていいという事にはならない。もしやりたいという希望があるなら、専門の理学療法士に指導を頂き、そ…

ブログランキング1位~4位

いよいよ最後です。この話をどれだけ多くの方にしたかわかりません。 1位 腕のこりに関して 2位 下腹部の反応点「ハムストリング」 3位 背中を診れば食生活が分かる(甘い物取りすぎで左腰痛、刺激物の摂取で右腰痛) 4位 脛が硬くなる4つの理由 まず1位の「腕のこりに関して」ですが、やはりこの話かと思いました。身体には2ヶ所、自覚症状が出ないところがあります。「腕」と「太腿」です。何故出ないのかは仮説…

病気は科学

人は具合が悪くなると色々と犯人を捜す。「この腰痛は昨日あの人に悪口を言われたからだ。」「何も腰に悪い事をしていないのに、痛みが出るのはおかしい。」などと患者は色々と考える。それも想像力がとても豊かで、時にはご自分の持っている医学知識を総動員していろいろな物をくっつけて珍説を伺う事もある。しかしどんな病気も明確に原因があり、現代医学で解けない問題(遺伝子や未知のウィルス)であっても、全て原因と結果は…

病気も人も治す

体育会系の常連さんが、「病気や怪我は気合いで治す」とよく言っている。成長期の怪我程度なら良いかもしれないが、それ以降の身体の痛みは気合いだけで治るとは思えない。特に体育会系の方は、「以前ほど辛くない。きっと寝れば治る。まだ我慢できる。自分だけは何とかなる。」と自信ならぬ過信が心の何処かにあり、「まだ大丈夫。もうすこし様子を見る。」と中々病院で調べてもらおうとしない。以前ある社長が腰痛で、「病院でレ…

人工股関節置換術

我々は人工股関節置換術の事をTHA(Total Hip Arthroplasty)と呼んでいる。最近ここ2ヶ月ぐらいの間に4人が手術をした。私自身がそんなに股関節ばかり専門にしているわけではないので、私の股関節を診てもらっている川口のじんどう先生に全員送った。先日行ったら、「先生のところにどうしてあんなに酷い股関節ばかり来るの?」と聞かれ、「私もわかりません」と答えた。治療を受けながら、送った患者…

鬱病への道

今日来た若い女性は以前から頭痛があり、原因は首のゆがみが関わっているとわかったので、EAT(Bスポット療法)とマウスピースを勧めていた。身体全体にはストレスが強く、腕や脛が硬い事も頭痛には悪影響である。そんな状況だとよく女性は心を満たすために甘い物を必ず食べる。それも中毒的に。そうなるとお腹周りが太ってきて、足への血流が落ちるから、歩きたがらない。今までのピッタリした服など入らないと又甘い物を食べ…

ブログランキング5位~9位

ではブログランキングの続きを書いてみたい。 5位 歯を治すと扉が押せる話(鞭打ちの後遺症のツボ) 6位 スタマックライン 7位 首のゆがみとマウスピース 8位 胸骨のゆがみ(胸の真ん中の痛み) 9位 胃薬について まず5位の「歯を治すと扉が押せる話(鞭打ちの後遺症のツボ)」であるが、病院勤務時代に救急外来にいたので、交通事故で鞭打ちの方はよく来た。こちらがリハをやっていると、ある時腕の外側の硬い方…

咳と神経の興奮

ここ数週間、同じ症状の方ばかり来るので、少し書いてみたい。「先生、子供が学校で風邪を引いて、学級閉鎖、その後に私も咳が出始め、ここ3週間咳が止まらないのです。熱も出ました。咳が止まったら来ようと思ったのですが、いつもの肩こりが酷くて酷くて・・・。頭痛まで出ています。」熱は人によって出る人と出ない人がいますが、医者に行って調べてもらっても「コロナでもインフルでもない。名前もないようなウィルス」みたい…

薬の適量

私は鍼灸をやっているので、薬に関しては専門的な知識はないが、風邪薬をもらうときに、いつも違和感を感じる。症状が酷くても治りかけでも飲む薬の量は同じ。我々の感覚では、「酷ければ薬の力を借りる。軽ければ薬はいらない。」となるはずだが、「1週間これを同じに飲み続けなさい。」と言われる。抗生剤は仕方がない部分はわかるが、もう少し何とかならないのかなぁと感じる。以前ブログでも書いたが、患者の体調は「胃から崩…

右のお尻だけ硬い

今日来た方は右のお尻(中殿筋)だけ硬い。普通は周りの筋肉も硬くなって、「○○をしましたね。」と言えるのだが、今回はお尻以外に全く問題がない。こうなると原因が全くは分からない。今回と似たような例で以前高校の野球部の選手が肩を痛め、その後治療で肩は治ったが、球を真っ直ぐ投げられないと言ってきたことがあった。当時は原因がわからなかったので、全身の筋肉を調べたら「右中殿筋」がうまく働いていないことがわかり…

親の知恵

新米ママが子供に抱っこをせがまれ、肩を痛めている。気持ちは分からないでもないが、我々から見ると「親の知恵」が足りない。私なら、座って抱くのと立って抱くのでは身体に対する負担が全く違うから、抱っこで、「高い高いより、こうやって座ってみる景色が1番綺麗」と言うだろう。以前漫才の島田洋七が「がばいばあちゃん」を書いてベストセラーになったが、貧乏なおばあちゃんに育てられた洋七は、お腹がすいて訴えると、「気…

ブログランキング10位~14位

ではブログランキングの続きを書いてみたい。 10位 身体の中の2人 11位 冷たいものの取りすぎで左坐骨神経痛 12位 小指で分かる全身症状 13位 身体の何処かに痛みがあると・・・ 14位 強い形質はバッテンで遺伝する まず10位の「身体の中の2人」は、長年仕事をしているとどうしても身体の中に明確に2人いるとしか思えない状況によく遭遇する。それは「本人の気持ち」と「身体の本音」である。患者さんは…

小さな幸せを集め、大きな幸福に育てる話

メンタルがやられている方が時々、「ちょっとお腹の不具合や眠れないことがあります」と言うが、我々から診たらそれはとんでもないことである。免疫が高い状態ならメンタルをやられることも少ないだろうが、そうでないのでメンタルがやられてしまう。だからほんの少しの幸せを集める努力がとても大事である。どんな時にも胃腸が壊れない、薬を使えばちゃんと寝られる。お風呂に入れば腰は痛くないなど、確実に小さな幸せを集めて欲…

「あ、そうなの?」という返事

年配の常連さんが、「昔友だちが人の悪口を言っていたので、『へー』と言っただけで、周りにその方も同じように悪口を言っていたように広まってしまって困ったという」と言う。これは実によくある話で私などはかなり気をつけている。患者が、「このサプリメントいいですよね」と聞いてきて、「そうですね」と言っただけで、「田中先生もいいと言った」や「先生は否定しなかった」と言われる経験をした。こちらは、「あなたが飲みた…

子供の名前

常連さんにもう少しで子供が生まれ、名前をどうしようかと考えているという。「我々の時代は男の子のは最後に『男』『夫』『雄』がよくつき、女の子は『子』か『美』『恵』と相場が決まっていた。それから少し流れが変わり、女の子の名前に『子』を使わなくなった。麻衣、なでしこ、佳奈などがそうである。最近は卓球を見ていると『美誠』『美宇』などが何故か多い。名前で困るのは『薫』『ひろみ』である。性別がわからない。又時…

正義を通す戦い方

今日紹介で来た新米ママは仕事に復職したが、右の首から肩までの痛みが半年も取れないという。体型を見て、話を聞いた途端、「あなたみたいな方はドツボ組と言って、まず顎関節が悪い。普通はそんなに痛みが続くわけがない。そしてそんなに広い範囲で起こることはない。余程あなたが何か正義を通そうと頑張っているとしか考えられない。身体の中には2人いて『本人の気持ち』と『身体の本音』です。おそらく身体が嫌がっていても、…

ブログランキング15位~19位

ではブログランキングの続きを書いてみたい。 15位 肩に包丁が刺さっている 16位 ストレスと末端のこり 17位 初恋ヤダモン君の反応 18位 体の中の父ちゃん母ちゃん 19位 胃から崩れる まず15位の「肩に包丁が刺さっている」は、以前は「包丁」ではなく「棘 とげ」と言っていたが、こちらの伝えたいことが「棘」では伝わからないとわかり、「包丁」に変えてブログを書いた。肩に包丁が刺さった患者が、「飲…

中殿筋と外反母趾

80才の常連さんが珍しくお尻の横の中殿筋を前回の治療時に痛がった。今回、詳しく調べてみたら外反母趾が進んでいて、その影響が疑われた。こういう場合は 自宅用の中敷きを勧めているのだが、「私の家は殆ど絨毯が引いてあって、ほぼ裸足で生活している。」と言われてしまい、困ってしまった。自宅用の中敷きのために絨毯をフローリングに変えて下さいとも言いにくい。こういう場合は腹芸を使って、「前回中殿筋を治療しても今…

横浜までドライブで右腰痛?

この間まで左肋間神経痛で通っていた患者が、「横浜まで2時間程ドライブしたら右腰が痛くなった。」と言う。普通そんな事は起こらないから、詳細に身体を診たら、左太腿が硬い。これはスタマックラインで胃炎の反応なので、「胃がおかしいでしょう?」と言ったら、「1ヶ月前に胃の具合が悪くて医者に行ったら、逆流性食道炎と言われて、薬を飲んだらすぐに治った。」と言う。しかし身体には厳然と胃炎の反応が残っている。筋肉の…

患者層

病院によってはお年寄りばかり診ている先生もいるし、若いスポーツをやっている人ばかり診ている先生もいる。例えば40代の女性が、首や肩が痛くて年寄りばかり診ている先生に訴えれば、「あなたみたいに若い方が何を言っているの。問題ないから大丈夫。」となるだろうし、若いスポーツをやっている人ばかり診ている先生に診てもらえば、「やはり年齢的なものは関係していると思います。あまり無理をなさらず・・・。」となるだろ…