症例

頭の血流を上げるベルト

ちょっと聞き慣れない言葉だろうが、カーボンマイクロコイルを研究しておられる元島栖二先生の講義をBi-Digital O-Ring Test医学会で聞いた。以前からご発表されていた先生だが、今回は頭にベルトを巻いたままでの講義だった。気になって先生に伺うと、「頭の血流を上げるので患者さんに試すといい。」と言う。たまたま今日来た患者さんが頭の血流が上がらず困っているというので話をした。これからこういう…

この時期冷たい物の取り過ぎで左腰痛

冷たいものの取り過ぎで左腰痛は何度も書いている。この時期は実に多い。細身の女性などは朝起き抜けにアイスコーヒーなど飲むと胃が動かなくなり、食欲がなくなる。夏だから食べられないのではなく、自分で胃を壊している。食べられないと痩せるので友達に、「痩せた?」と言われると悪い気はしないらしい。しかし本人は食べられないので少し焦ってくることがある。お腹を触ると胃腸が硬い。夏の定番である。スタマックラインは反…

下腹部の反応点「ハムストリング」

ハムストリングとは図のように太腿の後ろを指す。坐骨神経痛で痛くなるところだが、下腹部の反応点でもある。下腹部は胃が落ちるか腸、膀胱、生殖器の反応を示している。その中の臓器に問題が起こるとハムストリングが硬くなる。ある程度経験的にわかっていることだが、意外と知られていない。この時期冷たいものなどの取り過ぎで左腰痛が出ると左ハムストリングが硬くなる。それ以外で婦人科の病気の時も硬くなる。坐骨神経痛の治…

スタマックライン

スタマックラインとは漢方で言うところの「胃経」である。これは私が勝手に命名して言っていることだが、胃に問題が起こると胃経のツボが反応する。胃経のツボは胃から足に向かって伸びているので、下図のようなところが硬くなる。それをスタマックラインと言っている。特に胃腸の反応は構造的に左に出やすいので、左の太腿外側が硬く、明らかに右側と違う場合で、お腹の臍の上の「中かん」というツボを触って硬ければまず胃炎です…

背中の痛みとバロメーター

以前から長時間、車の移動などで背中の痛みが出る方が、ゴルフで首までおかしくなってしまった。治療自体は難しくないのだが、患者さんにこういう話をした。 「昔はこういう背中の痛みを取ろうとムキになっていた。頑張って取れて良かったと思っていたら、違うところに同じような反応点が出る。今度はそこを取ると他の場所にまた出る。ある時これは取るべき痛みではなく身体のバロメーターだと気がついた。バロメーター自体は悪い…

手術術式の悩み所

最近は脊柱管狭窄症の手術も以前より低侵襲(あまり体を開けない)で出来る。しかし手術の術式によっては患者さんが悩む場合がある。医者から「○○の術式でやると簡単ですぐ退院できるが、5年ぐらいしかもたず再手術になる方が多い。○○の術式なら背骨を開けて中を削り金属固定するが15年は持つ。どちらにしますか?」患者は悩んでしまう。以前75才の男性で股関節の手術をする時に医者から、「この保険の人工骨は8年で寿命…

便秘解消のコツ

慢性便秘の女性は多い。下剤を使うほどではないがスッキリしたい方のためにいくつか智恵をお話したい。 便通を整えるお茶やハーブ-実験しないと合うかどうかわからないが効きが穏やか チアシードなどの脂-ローカロリーでダイエットで話題 麦飯-白米だけに比べて高繊維 けんちん汁-和食の中でほぼ最高の繊維食 ひじき-鉄分補給と繊維食 ところてん-ローカロリーで繊維食 ぬか漬け-腸内細菌の活性化 蔵出し味噌-本来…

強い肩の痛みの対処法

久しぶりに来た方が肩の痛みが強くて何も出来ないという。話を聞いたら医者に行ってステロイドを数ヶ月打って、もう打てないと言われて、薬も何種類か出されたがほとんど効かないという。以前からこの方は頸椎ヘルニアがあって、「手のシビレは?」と聞いたら、「ずーっとシビレっぱなしだ。」と言ういう。まず何処から手をつけていいのか分からないのて、関係のありそうな遠隔場所をBi-Digital O-Ring Test…

自転車と前立腺

最近はトライアスロンなどで自転車に乗っている方が多い。自転車もバイクと言うらしく、普段我々が乗っているママチャリとは全然違う。サドルもあんなに小さくて硬くて問題は起こらないのかなぁと思っていたら、前立腺炎を起こしやすいという。よくジムなどでも自転車を漕いでいる方で、股が痛くなりタオルなどを当てている方がいるが、物理的に肛門周辺への刺激で前立腺炎は起こる。症状はまず発熱する。次に尿が出にくくなり、酷…

血液型と免疫

以前からよく言われている血液型性格診断は A型は真面目、几帳面、神経質 B型は自己中心的、ワガママ、思いやりがない AB型は二重人格、変わりもの、合理主義者 O型はおおらか、楽観的、負けず嫌い、情熱的 ですが、何となく合っていますが根拠が良くわかりませんでした。 東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生の著書「乳酸菌生活は医者いらず」の中に面白い話が書いてありましたので紹介します。 「乳酸菌生活は…

筋トレの痛みに耐えると筋肉がつく?

普段あまりジムなどに通わない方が、筋トレに精を出しているという。しかしここ数週間膝が痛く医者に行ったら、「その痛みを乗り越えると筋肉がつく。」と言われ、トレーニングを続けたが、益々おかしいので来たという。足を診たら、完全に筋肉痛である。今までは週に1度だけ通っていたのを2回にして頑張っている。見事なまでに太腿を使っている。以前に何度も書いているが、膝痛は単独では起こりにくい。大腿四頭筋の緊張で起こ…

人の身体は癖のもの

足の熱感が取れないという方が通っている。色々と手を尽くすのだが、いい結果が中々出ない。こんな時は単純に冷やすと良い。足の熱感から逆算して湿布程度では無理なので、バケツに氷を入れて冷やす。納得するまでバケツに足を入れたり出したりする。患者さんから、「そんなので治療になるの?」と聞かれたが、これが立派な治療なのである。但し、バケツに入れている時間も日を追う毎に短くなればの話である。初めは5分間入れてい…

乳酸菌生成エキスについて

東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生の著書はよく読んでいる。腸に関して新しい学びが多い。最近読んだ中に、「乳酸菌と言っても身体に合う乳酸菌でなければ効果は薄い。」といった記述があり、以前から当院でも数種類の乳酸菌を試していたが、人によって効果のばらつきを感じていた。そういう場合は自分自身の乳酸菌を育てることが大事で、「乳酸菌生成エキス-智通」を使うという。以前から時々患者さんでこの乳酸菌生成エ…

圧迫骨折後の足の熱感

背中の圧迫骨折をした方が、足の熱感が取れないという。足の冷えに対して治療法は色々あるが、熱感に関しては治療法は少ない。話を聞くうちに自律神経失調症の可能性が出てきたので、それを調整する薬を飲んだらどうかという話をした。この方は薬剤師なので話が早い。それでだめなら足の浮腫対策で利尿剤、スプリングティーに五苓散、ラシックス(利尿剤)と段々レベルを上げていく。それでだめなら、腹圧を調整する。お腹を触った…

役者の予防法

役者として活躍している方が、本番中風邪を引いて困ったことがあった。少し強めの薬を出して戴いてその時は何とか乗り切ったが、その後背中を痛めた。喉と背中の痛みが本番中に出たら仕事にならないので、3つの予防法を伝えた。 1.EAT(Bスポット療法) 2.口テープ(優肌絆) 3.乳酸菌 患者さんは全く別の事をイメージしていたみたいで、「背中の痛みと乳酸菌はどういう関係ですか?」と聞いてきた。EAT(Bスポ…

スプリングティーについて

数年前に私の師匠が色々な植物で1番抗酸化作用の強いものは何か調べたら、アカメガシワだった。それをお茶にしたのがスプリングティーで、これは胃腸を強くしたり利尿的に働くので、多くの方に飲んで戴いている。飲むと味も香りも何もないが、私など飲むと15分後にはトイレに行きたくなる。利尿剤として働いているのだろう。抗酸化力は強く、野菜や野草などを遙かに上回っている。普段自然の中に何気なく雑草扱いで見ているもの…

足底板つき足首ベルトについて

最近捻挫や足のトラブルの方が多い。酷い捻挫の方には足のクリニックを勧めている。最近ひとつ気になっているベルトがある。以前から足首の固定用のベルトは数多くあるが、「足底板つき足首ベルト」は初めて見た。言われてみれば足底板と足首の固定は両方必要なので1つで出来れば1番良いが、中々そういう所には気がつかない。実際患者さんで実験すると、単に足底板や足首のベルトのみより優れている。足のアーチを整え、足首の関…

カンジダ菌について

慢性アトピー性皮膚炎や長引く咳の場合はカンジダ菌(カビ)を疑います。抗生剤の飲み過ぎなどで常在菌まで殺してしまうと、本来身体にあっても何も悪いことをしないカビが暴れ出します。女性の膣炎や気管支炎など慢性化することが多く、真菌剤で良くなればいいですが、改善しない場合は乳酸菌を使うなど免疫を上げる治療が大事です。以前、アトピー性皮膚炎の方がピロリ菌を除菌した後でカンジダ菌が発生してしまい、口の中から皮…

末梢神経障害に関して

神経には脳・脊髄の中枢神経と末梢神経があります。末梢神経は体性神経と自律神経系に別かれ、体性神経はさらに運動神経と感覚神経に別れます。自律神経は交感神経と副交感神経がありお互い拮抗的に作用しています。この末梢神経に何らかの異常が起こった状態を末梢神経障害といいます。首や腰を痛めたり、神経の走行途中での圧迫など、原因は様々ですが元来神経は圧迫に弱く、持続圧迫で神経は機能しなくなってしまいます。神経が…

大所高所から物を見る

長年治療をしていると難しい患者さんが増える。膠原病とかがんとか、耳鳴りとかどれを取っても一筋縄ではいかない。最近はネットを使って相当詳しい知識を得ることが出来るので、勉強してくる患者さんも多い。「先生、あの論文読んでいないのですか・・・・。」と時々は言われてしまう。そんな状況で患者さんは自分の病気だけ調べるから、どんどん知識が深くなる。英語の論文とか読める方なら、その知識量にはこちらがビックリして…