症例

食欲を抑えるコツ

以前、「なぜ酒を飲むのか」の所で書いたが、採血をしてもらってメタボとか言われるとすこし気持ちが下がる。飲みたいお酒を我慢するのもいやだし、食べたい物は食べたい。医者に行って怒られない程度に何かいい方法はないかと考えた結果、いいことを思いついた。仕事のあとよく赤ワインを飲むが、美味しいワインは一杯飲むと後を引く。次から次へと飲みたくなり、結局5杯ぐらい飲んで翌日は身体が重くなってしまう。まずいワイン…

手の震えに関して

数年前に転倒事故で脳挫傷を起こした方が、最近手が震えるという。転倒事故の後、左半身が冷え、左手のシビレが強いという。当然頭が原因と疑うが、何度調べても頭のCT、MRI、脳波に異常が出ないという。検査で全てが引っかかるわけではないが、最近震えが酷いので調べて欲しいという。Bi-Digital O-Ring Testを使って調べたら、右の後頭部と左首の後ろに異常部位を見つけた。これは転倒事故による鞭打…

人生を幸せにするのは何?

ロバート・ウォールディンガー 人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から引用抜粋 一生を通して私たちを 健康で幸福にしてくれるのは何でしょう? ハーバード成人発達研究は史上最も長期に渡って成人を追跡した研究です。 この様な研究は非常に稀です。 これから分かった事は彼らの人生から得た何万ページにもなる情報から分かった事は何でしょう? それは富でも名声でも無我夢中で働く事でもなく75年に渡…

腰痛を逆立ちで治す話

内臓下垂による腰痛の方が最近続いている。いずれも細身の女性で慢性胃炎と便秘がある。話を聞くと食べ過ぎてお腹がきついと腰が辛くなり、足や腰を高くすると楽だと言う。典型的な内臓の機能低下と下垂である。そういう場合の腰痛は右左というより全体的に腰が重いとよく言う。骨盤内に重力で内臓が下がって、骨盤の中がぎゅうぎゅうになっている状態だ。だから少食にして逆立ちをすると内臓が、元の位置に一時的にでも戻り楽にな…

へそピアスに関して

今日はへそピアスをした子が来た。これで3人目である。最初の子は下痢が止まらないと言って来て、「へそピアスをはずせば治る。」と言ったが、「半年以内に取ると穴がふさがってしまうのでいやだ。」と言っていたので、「では下痢していなさい。」と言った。2人目は確か免疫の治療が必要でお腹を診たらピアスをしていたので、乳酸菌を勧めた。ピアスをしていると乳酸菌は11錠必要だが、はずせば5錠で済む。どれだけピアスが免…

リハビリ難民について

「がん難民」は最近有名になったが、この仕事をしていると「リハビリ難民」が気になる。昔は病院で手術をしてその後ちゃんとリハビリをして退院させていたが、どうもリハビリに対して風当たりが強い。病院内部では場所は取るし、時間は長いし、人手はいるし、おまけに点数は低い。病院経営上は極めて好ましくない。手術をしてあとは自宅でリハビリなんて事もあると聞く。ちゃんとリハビリをすれは機能が回復するのに、手術のあとほ…

なかなか治らない足首の捻挫に関して

長いこと仕事をしていると今まで数人、全く良くならない捻挫の方を診た。何をやってもダメでこちらも根を上げて、足の外科学会に紹介するが、全員が治るわけではない。場合によっては手術になり、まだ手術で治る方はいい。手術の対象にならない方もいる。毎回包帯で固定するしか方法がない。靴も限定的になってしまい、オシャレなど出来ない。人類が二足歩行してからの宿命もあるだろうが、たかが捻挫だが治療方法がないというのは…

筋膜リリース(ファシアリリース)について

数ヶ月前にNHKの「ためしてガッテン」で筋膜リリース(ファシアリリース)の話しが出た。 「がんこな肩コリ」の原因は、筋肉を覆う「筋膜」にできた「シワ」だった。 筋膜にシワがあると、せっかくほぐした筋肉も、シワに引っ張られるように収縮して再びコリをつくってしまうという。 超音波診断装置を使って筋膜のしわ(癒着している部分)を目視し 生理食塩水を注入することで、癒着をはがして、肩コリを治療する。 私自…

がんとインフルエンザ、ぎっくり腰に腹圧の話

胃がんをやった方が肺に影があるので、精密検査を受けた。問題はなかったが、子供の頃から小児喘息の既往歴があり、肺はそんなに強くはない。少し前にインフルエンザが流行った頃もらって、高熱を出した。その後ぎっくり腰をやったので、踏んだり蹴ったりである。しかし我々から診ると小児喘息などで粘膜や胃腸が弱いから、がんを起こしやすいわけだ。ぎっくり腰も調べてみると腹圧が異常に髙い。腰の治療より腹圧を下げなくてはと…

肩甲骨と予防医学

常連さんの肩甲骨はよく治療する。治療しながら。「ここをちゃんと治療しておけば将来ぼけ防止にもなるし、歯も大丈夫だし、呼吸も深くなる。」と話している。しかし中々こういう話をしてもぴんとくる方は少ない。まずぼけ防止は根拠がある。肩甲骨の間に「身柱-しんちゅう」というツボがあり、子供の癲癇(てんかん)などに使う。ここを治療しておくと頭の血流が良くなるわけだ。次に歯だが、一昨年ヨーロッパでの学会の前に歯が…

側弯症と出産

仕事柄、側弯症の方は時々診る。中学生から50才代まで様々だが全員女性である。背骨の角度がある程度進むと装具や手術になるが、進行が止まる方も多い。結局、経過観察になる。年に1-2回程度拝見しているが、学生さんで一側のスポーツ(テニスや卓球)をやる場合はこちらも細かく診てしまう。そのまま成人して社会に出ると他の方よりすぐ疲れるため、慢性の肩こりや腰痛に悩む。側弯症は何処か特定の臓器に問題が起こるという…

人に騒がれると治りにくい膝痛

飲食関係の方が膝を痛めたという。お膳を運んだりしていると、どうしてもお客さんに、「足どうしたの?」と言われてしまう。皆が心配してくれるのは有り難いのだが、実は困っているという。話を聞くと、「加圧トレーニングが1番いい。」「スポーツジムに一緒に行こう」「このサポーターを巻くといい。」「この薬は膝に効く。」「いい医者を知っている。」「何処何処の院長に頼んであげる。」とあまりに言われるので断りにくいとい…

お年寄りの味付けのコツ

親の面倒を見ている娘は多い。娘は親の身体のことを考えて薄味にする。年をとると味蕾-みらい(舌で味を感じるところの細胞)が減り、どうしても濃い味を求める。そうすると薄味にこだわる娘と濃い味を求める親で喧嘩になる。中々お互い譲らない。「こんな薄味では食べられない。」と親に言われると娘も腹が立つ。こんな時は一つ解決法がある。料理は薄味にして、食べる前に表面に塩をまぶす。お年寄りは初めの一口が大事で、そこ…

東京マラソン雜話

先日行われた東京マラソンに参加した方が何人か通っている。60代の男性で膝痛があり、治療したが中々うまくいかない。治療期間も十分ではなかったので、完走は難しいと思っていたら、過去最高の記録が出たという。話を聞いたら、途中から膝の痛みは出たが悪化しなかったという。何をしたのか聞いたら、前日に少し走り方を変え、踵に負担をかけず土踏まずにかけようと思ったという。それが功を奏し、最高記録が出て本人もビックリ…

手のシビレと頭の血流

金融関係の方が最近の株価の乱高下で中々体調管理が難しい。腰が良くなったと思えば首や手のシビレと症状が色々と出る。そんな中面白い事を言った。「何となく手のシビレを感じるときの方が、頭が冴えるのですが何か関係ありますか?」ちょっとこの質問には驚いた。以前、子供を花粉症にしないための話を書いたが、人間の特に腸がきれいすぎると免疫が下がる。多少汚い環境の方が強い身体を作れる。腸の中に回虫でもいた方が身体の…

神経の回復

股関節のストレッチのやり過ぎで、脛の感覚がなくなってしまったという方が来ている。 以前から慢性腰痛に悩んでいて、帯状疱疹もやっているということで少し悪条件が多い。 足がシビレて感覚がなく、うまく歩けないというので足の先端にお灸をしたが熱さを全く感じないという。 以前から、「神経の回復スピードは日に1mm。」と言われている。 医者からはメチコバール(ビタミンB12-末梢性神経障害治療剤)が出ていると…

坐骨神経痛とぽっこりお腹

若い女性で坐骨神経痛の方が来た。色々と調べてみると胃腸がほとんど機能していない。腹圧が高くそれが原因で、坐骨神経痛を起こしていた。本人は食事に気をつけているつもりだが、内容を聞いてみると、「健康のために野菜と果物、納豆。腸のためにオリゴ糖。」という。以前から野菜は胃腸に負担をかける事を書いているが、野菜で健康になると思っている方は多い。野菜の繊維は消化できないので、腸の掃除にはいいが、胃が楽に消化…

朝山丸について

以前から心臓の薬で「救心」や「六神丸」は有名だが、「朝山丸-あさやまがん」の話しが久しぶりに出た。25年ほど前に持病で虚弱体質の方が持っていて、調べたがあまり資料がなく心臓に効くぐらいのことしか分からなかった。世田谷の廣田屋薬局(03-5430-1270)で独占販売している。どうもこの薬は秘薬みたいで数百年の歴史があるらしい。こういう秘薬は一部の人しか知らないのだろうが、その効果は見事なものである…

大変な仕事の前に肩甲骨のストレッチ

以前からストレスなどで心臓に負担がかかり、背中のこりのことを「ヤダモン君」と言って来た。大変な仕事が続くと左肩甲骨の内側で下のところが硬くなる。心臓の反応点である。我々触るとすぐにわかり、「何かストレスがかかっていますね。嫌な仕事でしょう。」とすぐに言ってしまう。筋肉の質が良く、ライオンタイプ方だと自力回復するために、そんな時は腕を回したり、動かしたりしたい要求が起こるが、これは肩甲骨周辺の筋肉を…

脳は生涯にわたり発達し続ける

筑波大学名誉教授・村上和雄先生のお話しより一部引用 黄金期を迎えつつある脳研究によって、私たちが従来教えられてきた脳に関する常識は、次々と破られてきた。 例えば、傷ついた脳が自然に治ることはないという通説は誤りで、脳神経細胞は環境に応じて再配線できる。 さらに運動、精神的活動、社会的なつながりが、神経細胞の発展を促すといった事実が判明した。 従って、脳の働きは決して固定的なものではなく、作り替えが…