2003年10月12日 第1回発表資料

村田「頭への弱い刺激でとるしつこい筋硬結」
田中「腰痛の原因の分析と成功症例報告」
清水「外反母趾」
花田「五十肩-肩の障害について」


 

頭への弱い刺激でとるしつこい筋硬結               murata

「東洋鍼灸院としての技術」という部分で、教えて頂いた「頭への刺激」を、自分は頭蓋骨のスリットを指標とした、「反応に対する指圧刺激」と認識しています。その中での自分の問題点として

image0021.頭部の硬い筋硬結は非常にとりにくい(時間をかけるか、強刺激か、ドーゼが必要)。

2.頭刺激を使うときは、その他がとれない時が多いが、硬結を追った圧刺激では解決しないことが多々ある(30~40%)。

の2つがあります。このきわめて弱刺激な手法で「1」の半分、「2」の半分強が解決すると思います。時間は5―10分ほどでです。

下の図は頭蓋骨の断面の一部ですが、このテクニックの作用機序は、頭蓋骨の裏側全面を覆い、更に脊柱管を通って仙骨まで繋がっている硬膜を介しての刺激と考えられています。

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技術的な未熟さは否めません。現段階の効果はこの程度ですが、もう少し守備範囲が広く、柔軟な手技と思っていますので、検証していきます。

また、きわめて弱刺激で、受けている側もマッサージ慣れされている方は特に舐めてかかる(?)様ですが、正しくないと次の日は頭痛がとれませんので注意してください。


 

腰痛の原因の分析と成功症例報告       東洋鍼灸院 田中俊男

解剖見学させていただいたときに、胸腰筋膜の堅さや腰椎周辺の構造を見て、「本来腰痛の原因は腰に
ないのではないか」と思うようになり、その後の研究で下記の4つに絞り込めることがわかった。
今回、それを証明すべくいい症例に出会ったので、報告

患 者: S.N ♂ 37才
長身,細身,高学歴 image003
エンジニア、独身、
主 訴: 高校より腰痛があり、6年前にゴルフでぎっくり
鍼で2週間で治った。X-P;herniaなし。
左側の腰痛が慢性となる。
朝が硬い感じ、動くと楽、夕方には楽。
前屈痛あり。
下痢の時、腰痛↓,便秘で腰痛↑。
初 診: 背中を見て、膵臓と胆嚢の反応があり、外食と判断。姿勢の悪さや下肢の左右差もある。
方 針: まず減食を指導。腰痛との関わり説明。 image0041

2回目: 食べる量を2/3にして腰痛↓を体験。背骨の動きが、flexible。
右肩のこりは高校より鉛筆回しをずっとしていたとのこと。
この時点で腰痛の原因を考える。
腹 30%
右肩・腕 30%
背中のこり 30%
その他 10%

3回目: 腰痛→、お腹の状態変わらず、下肢のこり↓、食事に関して、食べる量から質の話。
(繊維食など腸内滞在時間の話。)

腹 50%
右肩・腕 10%
背中のこり 10%
下肢のこり 10% image010
その他 20%

4回目: お腹の調子はいい。腹部の違和感2/3取れた。
左腰部に500円玉ほどの核の部分がある。
この核は次の所と関係がある可能性がある話。
前脛骨筋,内転筋,股関節,肩関節,仙腸関節,首,頭部

5回目: 宴会が続き、胃経に反応(特に大腿四頭筋上)。
中カンと足の三里の反応が強く、これにより腹の症状のほ
胃ではないかと推察。
胃の治療をする。

6回目: 今までで一番いい。胃経の反応消える。腸もいい。足の三

7回目: 今までで最高。治療終了。
冗談で、ゴルフをしたり、暴飲暴食、悪い姿勢でまた腰痛を
そうすると本当の原因が良くわかるという話をした。

考 察: 今回は治療終了まで、主訴の左腰はほとんどいじっていない。
この結果を考えると仮説ではあるが、腰痛はかなりの部分とばっちりを受けているのがわかる。
本人談で「色々と治療を受けて受けたときは楽になったが結局戻った。今回みたいに腰を触らず
これだけ楽になったのは初めて。本当に腰に原因がないというのが良くわかった。
今後も食事に気をつける。」
腰に原因がなくて腰を治療するとやったときはいいが、そのあとで反動が出て、もみ返しのように
なることが多い。原因を見極める必要がある。


清水「外反母趾」


 

花田「五十肩-肩の障害について」