2003年11月23日 第2回発表資料

清水「足のアーチの治療」
花田「体幹の動きに目を向けてみる-肩の障害②」
村田「人の体を”膜が包んでいる”という概念」
田中「ふくらはぎに隠されたもう一つのネットワーク」


体幹の動きに目を向けてみる。 (肩関節障害シリーズ②)    花田

肩の動作の際に体の動きを注意深く観察してみると、同時に体幹も側屈・回旋など動いている事がわかる。「肩甲上腕関節と肩甲骨に付着する筋だけではなく、もっと体幹の筋にも注目する必要があるのではないか」と考えてみた。

高い場所の物を取ろうとする時、肩だけでなく同側のいわゆる脇腹を伸ばすように意識すると、最も手の位置が高く上がる。これは肩だけの動きにつま先立ちを加えた動作よりも高い(側屈)。

そこで主な体幹の側屈作用のある筋に注目してみると先ず腹斜筋が挙げられる。


人の体を“膜が包んでいる”という概念            村田

提 起:前回発表した手技で「おかしい」という感覚があり、その問題解決の手段の

1つとして今回の手技を見直してみました。

結 論:いくつかの例ではキレイに反応があります(結果が出ます)。

手 法:4つのリリースPoint

1.骨盤の上(腹腔内臓器、特に下腹部の臓器をイメージして)

2.胸腰移行部(横隔膜をイメージして)

3.胸郭出口部

4.舌骨

更に問題提起:やはり、筋肉のコリ感、硬結の方が影響力がより大きいのではないか?

⇒自分は、個人的に前頸まえくびの緊張具合を比較的重視した治療をしているが、これらの手技を行う上で、この部分を放置したままだと著しく反応が悪いように思う。すると、やはり筋肉の硬結を“ほぐす”と言う行為が先に来てしまう(?)のか・・・

ただ、今までに経験から言うと、順番に関係なく幾つかのPointに刺激が入った時点でほぐれてくる緊張もあるように思うので、これからの検証が(あくまでも個人の主観によるけれども)必要そうです。

考え方のヒント

人間の体が、“膜に包まれている”と言う発想です。‘手袋や靴下の延長が全身くまなく覆っている様な感じ’と思ってみて下さい。

体のある部位で、ある方向に膜のねじれがあった場合、運動を司る筋にまったく関係が無くても、運動に制限が出る可能性があると思います(腰部屈曲位での肩関節の様に姿勢的な変化が無くても)。

* 巷にある反対意見

http://web.archive.org/web/20010417165045/www.geocities.co.jp/Technopolis/5298/craniosacral.html

 


 

ふくらはぎに隠されたもう一つのネットワーク        東洋鍼灸院 田中俊男
普段、坐骨神経痛の患者さんを治療するとよほど心臓か腎臓が悪くない限り、下肢の症状は改善する。
今回、ふくらはぎにもう一つのネットワークがあり、それを解明して治癒に至ったので報告する。

患 者: ♀ 46才
標準体型 腎盂腎炎の反応点 image004f
子供1人

主 訴: 肩こり,頭痛,足がだるい
「あと10年頑張りたい」

初 診: 頭痛-左側頭筋のこり
首肩のこり-柔軟性がなくロックしている。
右前腕と大胸筋のこり-本人自覚無し-右背中の影響?
背中のこり-右背中のこり-「腎盂腎炎」とのこと
ふくらはぎ-手を加えなければ治らないレベル

方 針:
1.首に柔軟性を持たせ、矯正
2.腎臓の治療-ツムラ「40」→「7」八味地黄丸
3.ふくらはぎの治療

2回目: 八味地黄丸を飲み始めた翌日の夜から足のだるさが楽になった。
首、肩、側頭筋のこり-緩んでいる-肩甲挙筋の治療が効いた。
背中のこり↓
前腕のこり→   stress型
前脛骨筋のこり→
ふくらはぎのこり↓

3・4回目: その後調子も良く、運動会で肉体労働をしたが何とか頑張れた。
5・6回目: しかしなんとしても、下肢のこりが取れない。-全身をcheckして関係を割り出す。
特に胃と腸と心臓を調べる。
7回目: Bi-Digital O-Ring Testで全身を調べた。
のど -2 のどが弱く心臓に反応が出たのではないか
右心房 -3
左心房 -3
胃 -4 少し対策立てないと・・・
小腸 -2
大腸 -2
子宮 -1 生理ではないか?念のため婦人科へ
左卵巣 -6
右卵巣 -1
ふくらはぎ -3
胃は「百草丸」で治療。のどと心臓の反応も消えると思う。-消えなければ専門医。

百草丸と婦人科の漢方薬 八味地黄丸
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考 察: 下肢のこりに関しては前脛骨筋は胃の反応、前脛骨筋が治癒すればふくらはぎも取れると思っていたが、
少しも反応しない。肉体的なもので説明が付かなかったので、全身調べたら、卵巣との関係がわかった。
このときはたまたま生理だったので、婦人科医で検診の結果、異常なしいうことなので、生理の時に
ふくらはぎに反応が出ることがわかった。これはどうにもならないので、少しでも胃や腸の調子を整え、
のどの予防に努め、少しでも生理が軽くすむようにしなければならない。おそらく骨盤内の血流の問題があり、
八味地黄丸である程度良くはなったものの、生理の時に血流が悪化し、下肢が取れなかったものと推測する