2005年4月17日 第14回発表資料

村田「体が持っているリズムと指圧刺激に関しての一考察」
花田「腹からの肩こり治療一例」
田中「体のこりと歴史」


 

体が持っているリズムと指圧刺激に関しての一考察

-当院での基本手技としての指圧(自分の場合)-

:常にPointを探し続けている印象

:一点の強刺激を極力排除した『ソフトだが効いている』を目指している

:コリに対するアプローチは角度とトルクの方向+刺激量

 

自分自身の問題点

*強刺激を好む人の場合の物足りなさ

  • * “落とし処”がハッキリ見つけられなかった場合、

頑固なこり感に対して筋緊張の緩解という結果が求められない場合が多い

*自分の場合だが、持続した強刺激は難しい・・・触知する感覚が鈍くなる

 

  • 『“コリ”にも[    ]があるかも知れない』という考え方と、発見●

→動かす為の筋肉に対しては[        ]:[                         ]

→支えている筋肉に対しての著効パターン:[           ]

[        ]([     ]に対して著効を示す事がある)

 

#1 通常手技で指圧(Pointを極め、角度と方向の調節)

#2 圧を加えてコリを捕らえる

#3 持続的に圧を加える事を試みるが変化のなさそうな気配

#4 [                           ]

#5 [                           ]

#6 [                           ]

#7 [                           ]

#8 丁寧に去る

 

当院の常連さんからの『眠いの???』というクレーム(?)

生体のもつリズム

#呼吸 #拍動 #瞬き・噛む・頷くetc. #脳脊髄液の流れ

 


 

腹からの肩こり治療一例                 はなだ

腹部からの治療で肩こりが改善した症例があったので報告する。

肩こりの要因の一つとして「内臓(胃腸)失調」がある。

その反応箇所として学び、また実際に触れやすいのは背部に目立つ(他に胃経足三里など)。

背部の場合、胃の反応と思われる固さが存在すると、そこの凝り感と共に背部の動き阻害からくる肩こり腰痛発生が考えられる。

対処的に反応箇所だけを緩める目的の施術では、刺激に対して手応えはあるものの、なかなか緩解できない。

特に左背部や足三里に特徴的に反応が現れる事が多いが、そこだけで緩解した事例は正直少ない(劇的に効く事もあるが、今のところ部分的な感が否めない)。

◆症例  女性 三十代

初診時

腰痛治療目的で来院。

脚・背部・腹部の反応から、ほぼ内臓由来の腰痛と判断。

下半身の治療と按腹  キネシオテーピング  飲食指導

このときは肩は全く触らず。

二回目(約一週間後)の来院時に、

「前回の治療が終わってからお腹がゴロゴロする感じがあり、腰以外にも肩が軽くなった」と告げられる。

かなり続いていた肩こりだったので、ご本人も多少驚かれていた様子。ちなみに腰痛症状も改善していた。

 

◆考察

外堀を埋めても本丸が強固だと、なかなか城は落ちない。

→本丸である腹部をどうにかする →按腹

もちろん外堀を埋める過程を経たので、より結果が出たとも言える。

→胃経治療, 身体全体を鎮静する(自律神経)

生活習慣指導、特に飲酒節制や食事法(急がずよく噛むこと)を順守した事も大きいだろう。

◆課題

腹部における反応の差異など、明確な判定が曖昧なところがある。技術の問題も。

按腹については勉強・研究中で、現時点では自分の言葉で理論付けするのは難しく、巷の解説にも疑問符。

他部位のような筋腱・神経などが中心ではなく、内臓方面への刺激というのは全く世界が違う。単純に臓器のみ、または反応点のみへの刺激である・・・という区別があるようにも感じない。感覚としては両方。

技術的にも非常に奥が深い。

腹へのアプローチは肩こり腰痛に限らず有効な場面が多いと感じる。

 


 

 

体のこりと歴史           東洋鍼灸院 田中俊男

初めに: 長年、背中の治療をしていると「どんな人生を歩んできたか」わかることがある。
ある方の体のこりをもとに、そこから何が読み取れるか検証したい。

体の状態:
1.左肩こりが3-4年 image002gg
2.右肩こりが7-8年(芯のあるこり)
3.右前腕のこりが昔は使ったが、今はそんなに使っていない
4.左前腕のこりが右の倍ひどい-現在使っている
5.背中の胸椎9-11番の右のこりが10年-刺激物の摂取
6.背中の胸椎9-11番の左のこりが10年-甘い物の取りすぎ
7.背中のこりから「外食」10年と推測
8.左腰痛-普段は辛くないだろうが生理の時に痛くなりそう
9.体の使い方が間違っている-筋肉の質と使い方-下記参照
10.やや右の背中のこり-お酒を飲むかどうかはわからないが飲むとすれば強い。
(大体硬さを見るとその経過年数がわかる。)

筋肉の質:
人間には持って生まれた筋肉の質があり、この性質を間違えて使うと大変なことになる。
たとえ話でよく、「ライオン」と「小鳥」の話しをする。
「ライオン」は一辺に満腹になるまで食事をして、あとは次の餌まで寝ている。
「小鳥」は一辺には食べられないから、ちょこちょこ食べる。
人間の筋肉の質も似たような所があって、何でもまとめてやってあとは休息を取ればいい人と、
一辺には出来ないが少し休みを取りながらやると、かなり長期間出来る筋肉の質がある。
100m走とマラソンを考えればわかる。
同じ走ることでも体型も筋肉の質も全く違う。
マラソンの方は100mをそんなに早くは走れないし、100mの方は42.195kmなど続かない。
結局、筋肉の質によって、決められている。
これはほとんど先天的である。
色々な方の体を見ていると、若いときは自分の筋肉の質に気がつかないから、
倒れるまで無理をしている方が多かったり、たまたま上司の筋肉の質が「ライオン」で自分が「小鳥」の場合
上司の命令のままに動くと体をこわす。

どう読むか:
まずは外食10年ということは、今までは親もとにいたが家を出たか
さもなければ、仕事が忙しくなって家で食事を作れなくなった。
外食の場合は刺激物が多く、家で食事をしている方と背中のこりが明らかに違う。
(自宅で刺激物を食べていけば、外食の反応と同じ。)
右肩に古いこりがあり、左腕のこりが現在形であることから、7-8年まえに仕事を始め、
右を使っていたがつらくなり、ここ3-4年で左に変えたのである。
こりのパターンがパソコン病であるから、マウスを持ち替えたのであろう。
上司が「ライオン」の筋肉の質の方でかなり、色々と命令を聞くうちに、自分の体の異変に気がつき、
ストレスもたまり、やや右の背中に反応があるのでお酒も覚えた。
左の背中(甘い物取りすぎ)もこりがあるから、飲む機会は多いのであろう。
左の腰に関しては背中よりひどくないので、生理の時にでるかどうかわからないが、でるととすれば、
左腰痛しかでないと思う。
筋肉の質は「小鳥」だが、疲れ方を見ると「ライオン」の使い方である。
おそらく上司の筋肉の質が「ライオン」でかなり頑張ってやってきたのだろう。
ここにきて体が辛くなり、色々と治療を受けたのであろう。
どんな治療を受けてもまた元に戻るので、あきらめていたのかもしれない。

治療法:
こういう場合の治療法は下記のとおりである。
1.刺激物の摂取・外食を控える。
2.自分の筋肉の質は「小鳥」だから、自分のペースで体を使う。
3.お酒を控えれば左腰痛は軽くなると思う。