常連さんになると質問が厳しい。
「何を目指して治療しているのですか?」
例えば筋肉痛ならある程度ほぐしたり冷やしたりで処置出来るし、血行不良なら暖めれば良い。関節なら周辺を緩めて可動性を高める方法は幾つもある。内蔵であれば負担をかけないようにしたり、休ませればいい場合が多い。しかし問題は神経である。神経が興奮して痛みや自律神経がうまく働かない症状は難しい。どうやって興奮している神経を静めるかをいつも考えている。そのために鍵や鍵穴の話、身体のスイッチの話を書いた。治療しながら、「君(神経)が興奮する気持ちは分かる。このままでは誰も喜ばないから、何とか鎮めようと思うのだが協力してくれる?いい治療するから機嫌を直して?」こんな事をぼやきながら神経を静めようとしている。治療しながら周りの環境が悪いと、「これじゃ君(神経)が、怒るのはもっともだ。」などどブツブツ言いながらやっている。少し治療が始まると神経も、「鎮まってあげよう。」という感じで少し反応してくる。そこを突破口にしてどこまでできるか、恐る恐る反応を見ながら深く治療してくる。もちろん失敗することもあるが、うまくいくと痛みが取れるので患者には喜ばれる。しかしそう言うときは必ず、「神経君は怒っていますから・・・。」と伝える。この神経を相手に治療できたら、一人前である。結局、「神経鎮静」を目指している。