腰椎椎間板ヘルニアについて

仕事柄、腰椎椎間板ヘルニアの方は多い。坐骨神経痛を起こし、脚まで症状が出る。痛みだけならいいが、シビレや麻痺となると場合によっては手術の対象になる。病院勤務時代によく先生が、「昔のヘルニアは50%位の手術の成功率だったが、最近は80%近くになってきたので成績が良い。」と言っていた。こちらはリハビリをしながら、良く患者さんから苦情をもらった。「外科の○○先生に手術をしてもらって確かに痛みなくなったのだが、シビレがダメ。先生に言うと『手術は成功しました。』の一点張りで話を聞いてくれない。手術前に先生は『あなたの腰や脚の痛みやシビレは腰のヘルニアから来ている。手術をして神経の圧迫を取れば痛みやシビレは良くなる。』と言われて、手術したら全てなくなると思っていたら、痛みしか取れない。なんか納得がいかない。」と我々は言われる。そんな時は、「手術の成功と症状がすべて取れることは別である。」という説明をしている。特に脚のシビレや麻痺は難しく、腰の手術だけで取れる保証はない。説明としては神経の圧迫でシビれるとは言うが、圧迫が取れて必ずシビレが改善するとは限らない。術前にある程度説明する先生もいるが、患者の気持ちとしては手術ですべて解放されると思ってしまう。患者の中にはやることをすべてやり尽くしてまだ治らないという方もいる。比較的そういう方がよく来るが、そんな時はいつも夏樹静子先生の「腰痛放浪記 椅子がこわい」を思い出す。内容は割愛するが、断食治療の凄さと心の描写が凄い。腰痛にいかに胃腸や心がかかわっているかがわかる、お薦めの1冊である。

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