患者さんがよく、「こんなに痛いのに、病院の検査に一切引っかからない」と言って来ます。例えば腰が痛くてレントゲンを撮っても映るのは骨ぐらいで神経・血管・筋肉・膜などは全て透き通ってしまいます。勿論骨に異常があれば分かりますが、あとはMRIで筋肉の様子を見るしかありません。血管を調べるなら造影剤を入れて映しますが、神経などは今の段階では画像に出来ないので完全お手上げです。神経は伸展テストなどで調べるしか方法がありません。血液でも痛みがある場合、CRP(C反応性タンパク質)と言って「急性炎症-ウィルス感染など」や「組織の破壊」があれば出ますが、普通の腰痛では反応しません。もし腰痛でCRPが上がれば、化膿性脊椎炎やがんなどのかなり深刻です。患者にしてみると、「これだけ痛いのだから・・・」と言いたいでしょうが、飽くまで「組織の崩壊」がないと血液検査にはでないのです。腰痛は「組織の崩壊」というより、神経の圧迫や筋肉・靱帯・筋膜や血行不良の問題です。
本当に身体の中を調べるなら開けるしかないですが、検査のたびに開けるわけにはいかないので、レントゲンや血液など、「身体の中で何が起こっているか、本当の事はわからないけどレントゲンなどのいわば影絵で予想することは出来る」という世界です。
今後はAIの進歩で、レントゲンや採血で腰痛がわからない分、「運動生理学から割り出したその人の日常生活」から腰痛の原因が特定されることは間違いありません。カメラで24時間監視されながら、「もう2時間座っています。かなり猫背です。1回背筋を伸ばして10分散歩してください。あとは屈伸運動20回やらないとぎっくり腰になる確率が上がります。」とか、居酒屋にいると、「それ以上、日本酒を飲むと軽い腸炎になり、明日の朝に左坐骨神経痛で足がシビれますが飲み続けますか?」という時代がもうそこまで来ています。痛みは身体が出すサインなので、検査で引っかからなくても、全身を診てもらいメンテは必要です。

