常連さんの中に初めての子育てをして、「この方はやがて腰痛が慢性になるだろうなぁ」と感じる方がいる。
その方の身体の特徴はどちらかというと虚弱体質で、今まで運動を余りしたことがない。仕事はデスクワークで、あまり身体を使わない生活をしてきた。子供が生まれてからは仕事柄自宅にいるので、子育てに熱心で、赤ちゃんが重くなるにつれ、腰痛が慢性化してきた。腰痛も今までにないレベルなので、良く通ってこられているが、このままだと赤ちゃんの体重増加や次の子供の世話で腰痛が慢性になることが今から分かる。その方には、「うち以外にあと3ヶ所ぐらい治療してもらえるところを探しておきなさい。そして辛くなったにすぐに治療が受けられるようにしておきなさい。」と指導をした。本音では、「あなたの人生、今までは腰痛と縁がなかったかもしれないが、今後は慢性化します。いつももの凄く腰が痛いか、痛いがそんなでもないの繰り返しになります。」と思っているが、中々本人には伝えにくいので、奥様にその話をしたら、「私も何となくそんな感じがしていました。あと何箇所が見つけておきます。」と言っていた。この仕事を長くやっていると、そういう将来の身体の状態まで、ある程度予想がついてしまう。だからそこを基準に今どうするかという発想になってしまう。患者さんは、「この痛みが取れれば・・・」と言うだろうが、今取れたって又起こるのである。腰の手術をしている方はよく来るが、我々から診ると次はいつ頃又手術かなぁと思ってしまう。ある意味これは長年の仕事の功罪である。