新年にぎっくり腰の方が来ると、ろくに腰も診ず食べ過ぎが原因だと思って、まず胃の治療から始めてしまう癖がある。何十年も「正月は断食を」と言い続けているので、当院の患者さんには大分浸透してきたが、外部の方からすると、ぎっくり腰でいきなり胃炎のツボ(左太腿の外側)から治療されると驚いてしまう気持ちは分かる。先日来た方も何も疑わずに胃の治療から始め、脚の反応点を診たら数ヶ月の時間が経った硬さなので、「もう数ヶ月、胃がダメでしょう。」と言ったら「逆流性食道炎があり、少しお腹に違和感が続いていたという。」「そうでしょうね。あなたみたいな身体は叩くと色々と埃が出るタイプです。このぎっくり腰は腰に負担をかけて痛くなったわけではないので、本人はどうしてぎっくり腰になったか全くわからないでいるのです。そしてぎっくり腰が毎年の恒例行事になってしまいます。」と言ったら、「そうなんです。重いものは持たないし・・・。少しだけ胃が悪かっただけなのに・・・。」と言う。こういう会話を何十年も続けてきたので「正月は断食を」と言っている。松の内も過ぎ、七草粥も過ぎ、普段と同じ生活に戻られているだろうが、正月の過食の影響は小正月(1月15日)ぐらいまで続く。もう少し気をつけてぎっくり腰を予防して欲しい。
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