2006年9月27日 第24回発表資料

村田「乳様突起の高さを揃える手技と頸への不思議なアプローチ」
花田「墨と沈静」
田中「難治性耳鳴りの続編」

 


 

墨と鎮静            はなだ

 

小児の夜泣き・疳の虫等の治療に、墨を用いる方法を紹介する。

疳の虫・夜泣きについての説明は省略。

【用意するもの】

墨(硯で磨る)  お湯  {      }  タオル等     (信じる心)

 

【方法】

イ.磨った墨を筆によって{       }に{       }と{      }重ねて綴る

ロ.{       }ひとつまみ

ハ.{       }から握る(ちょっとの間)

ニ.お湯で洗う

ホ.タオル等で拭く

※左から行う

 

【考察】

墨の成分が直に効くとすれば、その主成分である煤・膠(にかわ)の作用が考えられる。

(墨は松を燃やした時に発生する煤である松煙を膠で固めたもの)

また色の治療効果を考えると、黒で大雑把に腎(精)という流れが思い浮かぶ。

塩については清めるという精神的感覚的なところが大きい気がする。

 

治療箇所が{       }に注目。過緊張状態にある時のポイントとしては、理に適っていると思う。

※2004/10 

筆が肌を撫でる刺激による効果も考慮すべきだろう。

これは小児の夜泣き疳の虫の対処法としてはタッチマッサージやヘラ・スプーンなどによる体表刺激があり、

身柱穴への施灸(ちりげの灸)などもある。

いずれも非常に軽い刺激という点からも、筆による刺激にも納得がいく。

調べてみると古くから墨灸という方法も行われてきたようだ。

実際の手段としての差異は大きいかもしれないが、似たようなところに落ちつくところがあるのだろう。

【最後に】

ここで出すのはどうかと迷ったのだが、非常に心に響いた治療法なので紹介した。実際に長年に渡って多くの方を助けてきた方からの直伝で、個人的には信用している。その方も数十年前に教わったとの事なので、意外と古くから広く伝わっている方法なのかもしれない。{      }というところから、仏教の影響という印象も受ける。

また、施術者の技術的なところ以外の何かが大きく左右する気がしてならない。

 


 

 

難治性耳鳴りの続編           東洋鍼灸院 田中俊男

前置き: 前回、難治性耳鳴りの治療計画を2006/06/01に発表したがその続編を報告したい。

1.翳風の鍼
2.頭皮の鍼 image001ooo
3.首のゆがみの治療
4.肩甲骨のlift upの治療
5.顎関節の治療
6.仙腸関節の治療
7.手の臓器代表領域の治療
8.DHEAを使っての治療
9.刺絡
10.冷え症の治療

特に体質的に鍼の合わない方で、鍼治療のあとは悪化した。
以上のような計画で有効だったのは、9の刺絡だけであった。
しかし初めの数回は効果があったが、症状が緩解しなくなった。
そこで考えたのが、ヘルペスウィルスの全体量を減らすための乳酸菌と
大村教授から教えていただいたdrug uptake enhancement methodをいかに
強力にするかを考え、頭部の反応点と指のネットワークを調べた。

治療経過: 先ず、BDORTで耳と関係のある頭部の異常部位を検出して、そこと指の反応点を探った。
中指の患部に施灸をして、乳酸菌が届きやすいようにした。
2週間ほどしてから今までは治療の後2日間は具合が悪かったのが
1日に減り、患部の辛さも半減してきた。
鍼が合わないのでその代わりに施灸に切り替えたことも功を奏したと思う。
現在、治療継続中で感じることは両耳の上、角孫周辺のツボの位置が動かないのに対して、
百会や上星周辺は毎回辛いところが変わり、施灸の位置がずれる。
坐骨神経痛のようにどんどん下に痛みがずれ、やがては消失してくれればいいが
もうすこし継続治療が必要と思われる。

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●施灸箇所