身体を痛める治療
常連さんがZoomの会議ばかりで忙しく、上半身のこりがとれない。話を聞いたら、以前のように出張があると適度に息抜きが出来るのだが、Zoomになってしまうと連続で会議が入ってしまい、息つく暇もないという。今ほど忙しくない時には、適度に外出をして気分転換をしていたが、今はそんな事は出来なくなってしまい仕事だけだという。これでは上半身にばかり血が集まり、こりが取れるわけない。一つの解決策として、脚を叩い…
常連さんがZoomの会議ばかりで忙しく、上半身のこりがとれない。話を聞いたら、以前のように出張があると適度に息抜きが出来るのだが、Zoomになってしまうと連続で会議が入ってしまい、息つく暇もないという。今ほど忙しくない時には、適度に外出をして気分転換をしていたが、今はそんな事は出来なくなってしまい仕事だけだという。これでは上半身にばかり血が集まり、こりが取れるわけない。一つの解決策として、脚を叩い…
私自身、食通ではないので偉そうなことは何も言えないが、患者さんの話を聞いていて、何時もしゃぶしゃぶの話には疑問を感じている。「しゃぶしゃぶの締めにご飯、うどん、餅を入れて一粒も残さず食べるのが最高」という話を聞く度に、「何のために肉の脂を落としたの?」と思ってしまう。本来肉は炭火で焼けば、カルビがロースになり、胃もたれせずいくらでも食べられる。本来胃はタンパク質の分解は得意で、油が入ると途端に疲れ…
常連さんがかなりひどい下痢をしたという。正露丸を4錠、日に3回飲んでも効かず、困ったという。しかし食事に関しては全く思い当たることがなく、原因がわからないという。胃炎に関しては梅干しが効き、何故か下痢に関しては薬膳カレーが効いたという。この話を聞きながら、「子供からうつるウィルス性の胃腸炎?」と思い話を聞いたら、「下痢をした日に子供達と接した」と言う。ロタウィルスかノロウィルス、アデノウィルスかは…
常連さんの中には、例えば首が痛くても医者に行かず、まずうちに来てしまう方がいる。「ちょっと先生に診てもらって、ダメなら医者」と思っている。しかしこれは逆である。首の痛み一つ取っても我々は色々な原因を考える。10個ぐらいは頭に浮かぶ。医者で調べていないと、その原因を考えながらやるのでとても範囲が狭く、安全性の高い治療しか出来ない。しかし医者で調べてあると、10個ぐらいの原因の内8個ぐらいは除外できる…
今日来た患者さんとしゃべっていて、「悩み方が下手」と感じた。本来悩みは「時間をかければ出来るもの」と「時間をかけても私には出来ないもの」に分けるとわかりやすい。先日も肩を痛めた方があまり通えず、すぐに治したいというので、専門医を紹介した。当院でのんびりやってもいいのだが何せ時間がかかるため、本人の希望を優先した。そうなるとその肩のことで悩まなくていい。肩以外を治療すればいい。出来ない問題は早くでき…
いくつかの学会に所属しているので、今の時期はほぼ毎週、学会で潰れる。長年学会に出ているといくつか感じることがある。それは「教えてください」と「あなたのご意見をお聞かせください」である。学会で発表するには準備も大変で、満を持して臨むわけだから、発表後に何か質問されても大抵は答えられる。しかし中には意地悪な質問があって、「先生のご発表の○○は間違っている」という意見も出る。発表した方は、「え、こんなに…
これは以前テレビで聞いた話だが 自動車のトップセールスマンが、月に何台も車を売り その売る秘訣を部下から聞かれ、「とにかくお客様の役に立つこと」と答えたと言う。しかしあまりに当たり前の言葉だったので、部下はがっかりしたという。 では具体的にはどういうことかというと、まずはじめにお金持ちに1台車を売りその奥様に、「どんなことでも言ってください。すぐ飛んできます。時間外でも正月でも大丈夫です。」と伝え…
常連さんが不整脈で、アブレーションという治療を受けた。 アブレーションはあまり聞いたことがないだろうが、不整脈の治療で、足の付け根からカテーテルを入れ、その先端から高周波出して悪い部分の細胞を凝固壊死さてしまう治療である。 多少の再発率はあるものの、心房細動は1回のアブレーションで約80%の患者さんが治る。 その患者さんは心臓の働きが悪かったので、左首から体外式のペースメーカーを一時的に入れたとい…
地方から常連さんのお父さんが来た。以前腰の手術をして、少し大変な思いをしたが、今はなんとかなっているという。以前からこの方は庭いじりが好きで、家庭菜園から花壇、芝までちゃんと管理している。腰の手術のあとはちゃんと運動をしようという気になっていると思うのだが、身体を診たら、上半身ばかり使っていて、下半身の筋力が低下していた。これには本人も気がついて、「腕相撲では若い者に負けないが、ジーパンがぶかぶか…
鬱病の人がよく来るようになってから、20年ほど経つ。 普通は鍼灸院に鬱病患者は来ないから、初めは何をやっていいかわからなくて、取りあえず首のゆがみと頭をもんでいた。段々とBi-Digital O-Ring Testで全身を診るようになってから、コツがわかるようになってきて、最近では患者の病態が、手に取るようにわかるようになってきた。 最近は鬱病のプログをよく書いているので、それを見てくる方もいる。…
常連さんがいつもの膝痛を訴えてきた。また少し無理をしたのだろうと思って大腿四頭筋(太腿)を治療したが全然ほぐれない。大腿四頭筋は自覚は出ないし、この筋肉が固くなると膝や腰痛が出る事は以前から書いてる。これはおかしいと思って、反対側の大腿四頭筋を触ったら同じように堅い。長年仕事をしていると筋肉君と会話できるようになり、筋肉君にほぐれる気持ちがないことがすぐにわかった。これはハムストリング(太腿の裏)…
孫子の兵法に「戦わずして勝つ」とあるのは有名である。これを病気に当てはめたら、「症状を出さずに封じ込める」であろう。 では本当にそんな事が出来るのであろうか?もちろん全員に出来るわけではないが、かなりの確率で出来ると言いたい。一番わかりやすいのは、慢性腰痛患者の場合である。 仕事柄、患者さんの身体には驚くほどの情報が隠されている事を知っている。年数を重ねるたびに、体の反応が何を意味しているのかがわ…
今日来た常連さんは、「膝にグルコサミンやコンドロイチンは効くの?」と聞いてきたので、「どう考えてもその成分が膝にいくとは考えにくいです。まず胃酸で分解されちゃうし、患部に注射で打てばいいかもしれませんが・・・。」と言ったら、「え、分解?そうなの」と少し驚いた顔をしていた。続けて、「あういうサプリはまず値段から決めるのです。大体3000円なのです。ではテレビで大々的にコンドロイチン、780円と言って…
最近は減ったが、昔はよく「俺は若い頃は本当に人の2-3倍働いた」と自慢していた社長は多かった。そんな時には必ず、「だからこんな体になったのですよ」と言う。社長は怪訝な顔をするが事実である。以前から、「病気は仰山にしろ」「我慢弱い」「すぐに根をあげろ」「御身大切」と言い続けている。なぜこんなにこだわるかというと、若い頃に無理をして、年を取ってどうにもならなくなった方ばかり診てきたからである。若い頃に…
常連さんがお腹の手術をした。今は昔と違って派手に開けない腹腔鏡手術だから、退院までの日数が短くてすむ。術後1ヶ月して、腰が痛いといって来たので、てっきり腹筋が弱ったせいで腰に痛みを感じているのだろうと想像したら、全く違った。痛がっているのは右腰で右腕のこりがひどい。普通退院後は、「100日はおとなしくしなさい」と指導しているが、この方は退院後2週間で、衣替えでかなり無理をしてしまった。本人にしてみ…
常連さんが、右鼠径の痛みを止めようと思ってロキソニンを飲んだら、激しい胃炎を起こしてしまったという。話を聞いたら、胃粘膜保護剤をほとんど飲まず日に2-3回ロキソニンを飲み続けたと言う。一般的に鎮痛剤は胃を痛める。必ず粘膜保護剤と一緒に飲んでいただきたい。話はそれで終わらず、胃がやられれば当然、スタマックラインに反応は出て左の太ももが硬くなる。右鼠径を支えているのは左脚なので、左脚が堅くなると右鼠径…
これはある番組を見ていたら、「ある経営者は新人を採用するときに世間話をする。例えば野球、もちろん新人全員が野球に詳しいわけがない。野球を詳しくは知りませんという人は多いが、伸びる人は必ずこちらに聞いてくるという。『どうしてそこまで野球に興味を持たれたのですか?』と、しかし伸びないやつは『僕は知りません』で終わり。結局、一事が万事で、知らないとすべての思考が止まり、何もやらないという。ものをみる深さ…
最近、股関節に関して手術成績が良いので、いくつかブログを書いている。病院勤務時代には確か15年程度しか持たなかった人工股関節も最近では40年、場合によっては100年もつといわれている。日進月歩でどんどん変わる。以前、両股関節手術は出来る病院が殆どなかったが、知り合いの専門医に聞いたら、「今は4人に1人が両股関節手術」と言っていた。一昔前とは隔世の感がある。 こういう情報を知らずに、患者から、「股関…
仕事柄、ネバーギブアップと言う患者は多い。以前から、私はブログ「病気は仰山にしろ-我慢弱い」ですぐに根を上げろと言っている。しかし日本人の遺伝子にしみ込んだ、「我慢は美徳」という感覚はそう簡単には変わらない。以前から、ブログで人の身体の中には「本人の気持ち」と「身体の本音」という2つがあると言っている。ここで大事なのは、「本人の気持ち」は心の問題なので無限だが、「身体の本音」には限界があるので、そ…
肩の脱臼癖のある患者が、また痛めたという。当然、レントゲンを撮ったが、そんなに悪くないという。しかし経過が良くない。こうなるとMRIで内部をちゃんと診て戴かないとどうなっているのかわからない。MRIの結果は「関節唇損傷-関節唇とは関節のまわりに唇のように付着している軟骨で、関節の安定に不可欠な組織の事」とのことで、レントゲンではわからない情報が掴めた。しかし基本的に関節唇は自然治癒することはなく、…