ジョギングを止めたら腰が楽になった話

坐骨神経痛の常連さんが今まで続けていたジョギングを止めたら、腰が楽になりゴルフの調子が良いという。今までは、「ジョギングをしなければ健康になれない」と思っていて、それで足腰に負担をかけ腰痛が治らず、ストレスから過食になっていた。その状態でゴルフをするからいい成績が出ない。するともっとジョギングを頑張って過食にもなってしまう。これでは治らない。たまたまジョギングをスロージョギングに変えたら、思いのほ…

お年寄りと時間感覚

昔読んだ本に、「年をとると時間の感覚が変わる」と書いてあった。 何かやる時の感覚は下記の通りである。 10代は30分以内に出来れば 20代は1時間以内に出来れば 30代は午前中に出来れば 40代は今日中に出来れば 50代は今週中に出来れば 60代は今月中に出来れば 70代は2-3ヶ月の内に出来れば 80代は今年中に出来れば となる。これは成る程と思った。だからお年寄りが何かしたい場合、「○○がした…

患者の分かれ道

常連さんが酷い寝違いを起こした。調べてみたら腕のこりが酷く、ストレス性とわかった。話を聞いたら休みの日もバイトをしていてそれを身体が嫌がったのであろう。身体にしたら、「休みの日まで仕事されては休息できない。本人に少し強い首の痛みを出してやる気を削ごう。」といったところだろう。前回治療したらあまりの腕の酷さに全く筋肉が反応しない。筋肉に、「その程度の刺激ではほぐれるものか」といわれているように感じた…

踵骨痛(かかとの痛み)と捻挫

常連さんが歩くとかかとが痛いという。かかとの痛みを我々は「踵骨痛 しょうこつつう」と呼んでいるが、捻挫と同じように考えると治療がうまくいかない。捻挫ならある程度時間が経てば必ず楽になるが、踵骨痛の場合は悪化させてしまうとたちが悪い。踵にはトゲのような構造(踵骨棘)が出来てしまうことがあり、一度痛みを出してしまうと痛みが続く。だから痛みが出たら悪化させないようにしてすぐに処置する必要がある。足底(足…

股関節痛と筋トレ

以前常連さんから、「股関節症のブログが少ない」と言われてブログを書いた。手術の成功率が上がり、注射などもあり、あまり我々の出番がない。スポーツ選手はよく股関節や鼠径を傷めるが、専門の所に通っている。一般の患者さんが股関節を痛めるとスポーツ専門の所に行く方は少なく、病院で理学療法士に指導をもらう。そこで言われるのが、「プールで歩行訓練」「筋トレ」「減量」である。股関節に痛みがある場合は歩行訓練を水中…

暇な時に差がつく

常連さんでさして身体が辛くないときに来る方がいる。今までは辛い時にしか来なかったが、段々身体の本質がわかるようになり、辛い時に治療していたのでは間に合わないと悟ったのだろう。そこを感じて頂けると我々もアドバイスが変わってくる。大きな会社の社長も、「忙しい時は仕事をこなすだけで精一杯。少し時間のある時に次の準備をしておかないと新たな局面に対応出来ない。」と言っている。我々の仕事もそうであるが、忙しい…

ちょっとした治療のコツ

常連さんが珍しく胃腸が動かないという。o-ringで調べてみると(-4)と確かに悪い。こういう場合にはいつも2つのことを考えている。一つは「悪い方向に向いている向きを変えること」、もう一つは「良い方向の向きを維持すること」である。まず「向きを変える」にはこの方の場合は今までもそうだがお灸がよく効く。それを維持するにはやはり胃薬がいい。この方は百草丸を飲んでいて錠数を聞いたらあまりに少なかったので少…

悩み方が下手

以前ブログで、「『気持ちに余裕がない』は心の問題ではない」と書いた。常連さんが珍しく喉を痛がり悩んでいた。今までは元気だっただけに少し喉が痛いだけで大騒ぎである。「身体の幸福」でも書いたが、「朝起きてから夜寝るまでに身体の事が頭に浮かばない」のが1番幸せである。しかし喉が痛いと、「あ、今日も喉が痛い。ちゃんとしゃべれるかなぁ。何時治るのだろう。インフルかなぁ、コロナかなぁ、薬は効くかなぁ・・・」と…

本当の医療

知り合いの歯医者さんがセミナーで、「本当の医療とは」という題で講義をされた。 興味が湧いて話を聞いていたら、「歯科治療は今まで大学で教わり、卒業後は凄いという先生の講義を世界中に聞きに行って学んだ。しかし治療をしても最後はインプラントみたいな形になってしまう。何が問題か調べたら、患者の歯肉の状態を無視して審美歯科のようにただ美しく整えるだけを治療だと思っている。しかし本来はアフリカの原住民や動物な…

鬱病治療のコツ

年配の常連さんが去年から少し精神的に落ち着かないという。たまたま「少し肩でも揉めば良くなるかも」と当院を思い出し、久しぶりに来られた。話を聞いた途端、鬱病を疑ったので、「すぐ医者に行きなさい」と話をしたが、「薬ですか?薬で治るのですか?」と聞かれた。なので「とにかく早く処置しなさい」と伝えたが、担当の医者が若すぎて頼りないという。「頼りなくてもいいから先生の指示に従いなさい。初期は効く人が多いから…

2年前の腰痛が再発

細身の女性で腰痛で通っている常連さんがちょっと下痢をしただけで、昔の腰痛が再発したという。この方は2年前に腰痛で来たが、中々治療が難しく、あの手この手といじりながら、何とか日常生活では痛みを感じないレベルまで来た。下痢もそんなにひどくなかったので、本人は2年前の状態に戻るとは全く予想をしていなかった。そういう時は悪い事が重なるもので、たまたま生理中でそれも災いした。いつもの痛み止めを飲んだが効かな…

どうせ痛くなるに違いない

常連さんがたまたま本の整理をしていつもは痛がらない右腰が辛いという。まずは右の太腿を診たら思いのほか硬い。太腿は自覚症状が出ないから仕方がない部分はあるが、これを診ただけで他の下半身もダメだと予想がつく。実際調べたら右よりも左側を痛がる。まさに「父ちゃん母ちゃん」の関係で、問題なのは左側で右は痛がっているだけである。話を聞いたら、「なんか調子よくて大丈夫だと思った」と言う。気持ちは分かるが我々は逆…

快適が当たり前

以前子供の卒業式で小学校の体育館に行ったらあまりの寒さに驚いた事があった。 「こんなに寒い中で昔はやっていたんだ。」 夏などはクーラーもなく、涼めるのが「職員室」と「図書館」だった。 運動部の部室は汗をかいたまま着替えたりするので臭かった記憶がある。 自宅に初めてガスストーブが入ったときの暖かさは今でも忘れられない。 暖かさが石油ストーブと全く違う。 コタツもあったが、今の部屋の暖かさとまるで違う…

筋トレだけで治らない?

股関節を痛めている方に以前、「プールで筋トレをすれば大丈夫です」と言ったが、実行した方から、「先生に言われたとおり、プールで筋トレを真面目にやって筋肉はついたが、股関節が良くならない」と苦情をもらったことがあった。正確に言うと、股関節を治すために必要な事は3つある。「筋肉をつける」「筋肉をほぐす」「関節を滑らかにする」だが、この「筋肉をつける」だけは我々が出来ない。他の2つの「筋肉をほぐす」「関節…

テニス肘の治らない原因はお酒

紹介で来たテニス肘の方は右肘のみならず、足底腱膜炎、膝痛、肩の痛み、腰までまるでドミノを倒したかのように全て右側が痛いという。問診で話を聞いただけで、「父ちゃん母ちゃん」が思い浮かんだ。おそらく反対側の左側がかなりダメで右側が騒いでいるだけ。試しに左の小指を診たら相当痛がる。これはもう、痛くない左側の器がいっぱいという事がすぐにわかった。試しに右側の指を触ったら、左ほどではないと言う。こうなると父…

身体の幸福

「身体の幸福」とは何を持って言うのだろうか? 私は、「朝起きてから夜寝るまでに身体の事が頭に浮かばない」と思っている。 頭痛や腰痛持ちの方なら朝起きた途端、「あ、頭が痛い、腰も痛い・・・」と言うだろう。 歩けば足が痛い、座り続ければ足がシビレる、食べすぎればお腹が苦しい、書類を見続ければ目が痛い・・・。 朝から晩まで身体が辛いと言い続けている方は多い。 ではどうやって身体を幸福にしてあげられるのだ…

挫折について

何人か学生が通っている。若い方達を診ていていつも感じるのは、「年を取っての挫折はきついが、若い時なら何とでもなる。何度も挫折を味わい、最終的に挫折しない人物になって欲しい」という事だ。これは以前聞いた話だが、中学・高校と優秀で東大も首席が卒業した子が、ある銀行に入って、「自分はこれだけ優秀だから3年程度で頭取になれる」と思ったらしい。いざ入行してみると簡単に夢は崩れ、これでは何年かかるかわからない…

怒りと過食

常連さんが少し背中と左腰が重いという。調べてみると「ヤダモン君」と「腸の反応」がある。少し嫌な事があって食べ過ぎたとすぐにわかったので聞いたら、「少し前に怒っていた」と言う。怒ると人の身体は交感神経優位になるので、胃腸が働かなくなる。しかし人はストレスを解消するために少し普段とは違う味の物を食べたがる。酒飲みで言えば「珍味」である。ストレス解消によく旅行をするが、あれも目から普段と違う刺激を入れる…