本格治療を決めた歯医者の指導

常連さんの奥歯が痛み、頬まで辛いという。これは歯の炎症で三叉神経痛が出ているので、普通は奥歯を抜くしかない。歯でも何でもそうだが、先ず初めに手術を避けてという心理が患者にはある。気持ちは分からないでもないが、股関節などは手術成績が良く、やった方が殆ど、「もっと早くやれば良かった。」と言う。歯も似たような所があり、抜けば辛い症状はなくなるのに、抜くともう歯は生えてこないことを理由に抜かずに頑張る人が…

全く痛みが取れない場合の対処法

常連さんの首の痛みが酷くなり、医者で注射を打ったが楽にならないと言う。こういうケースはよくあり、我々は比較的得意なのだが、今回の痛みは過去最悪で色々と手をつくしたが、全く首が楽にならない。 ではどんな治療をしたかというと、 1.左首の痛みの場合はまず反対側の首を治療する 2.鞭打ちの後遺症と言っている腕の治療 3.寝ちがいの反応点 4.胸骨の歪み 5.体の真横の反応点 6.頭皮のこり 大抵これだけ…

全部側弯が悪い?

今日来た側弯症の方は子供の頃から一時期装具をつけたり、手術の話も出たという。背骨を診ると確かに曲がっているが、だからといって身体に出ている症状の全てが側弯症が原因ということはない。側弯症は大体殆どが女性で小学校高学年ぐらいから指摘され、曲がっている角度が15度以内だと経過観察、25度以上だと手術も検討される。当院にも今まで多くの側弯症が来たが、意外と日常生活に困らないものである。そういう方達には必…

ブログ諺⑫-何処に行ったらいいか分からない、何をしていいのか分からない

患者の悩みは病気になったときに、何処に行ったらいいか分からない、何をしていいのか分からないのです。 ではどうして困ってしまうのかというと、それは病気の勉強をしたことがないからです。 学校で心臓や肺や血管の事はほんの少しだけ教わりますが、病気のことは教わりません。 自分が喘息などの何か病気があれば、子供の頃から医者通いですから、症状が辛い時に何をすればいいかを理解しています。 医療関係者は仕事ですか…

ブログ諺⑪-身体は形が大事

これはあまり皆さん意識していないと思います。 以前テレビで先天的に耳のない患者の耳を作るときに、その形によって聴力が全く違うという番組がありました。 普段意識していない耳の形ですが、機械では全ての音を拾うのに対して、人間の耳は必要なものだけ強く拾う機能があります。 雑踏の中でも必要に人の声は拾えるのです。そのためにとても形が大事で、その形がないと機能が上手く発揮できません。 これは心臓でも肺でも腎…

テニスと麻薬

今まで何人もテニスにはまっている患者を診ている。テニスに関しては何度もお薦めしないスポーツと言っているが、はまっている方の中でも趣味を越えて、麻薬患者がいる。大抵そういう方は最低でも週4回、多いと5回はプレーをしている。基本的に筋肉の質が良く、肘など痛くならず勝ち続けると面白くなり、特にダブルスだと抜けられなくなる。たまに週に2回ぐらいしかしていないと焦り、お誘いがかからないかと思ってしまう。この…

手術した側を鍛えなければ・・・

右乳がん術後で首肩の症状がなかなか取れない方が通っている。今日久しぶりに来て話を聞いたら、「手術した右側が弱いから、少し鍛えなければ・・・」と言う。ちょっとこの話を聞きながら違和感を感じた。手術をして胸筋を切っているから鍛えたいという気持ちは分かるが、身体にしてみたら、「切ったのだからあまり酷使しないで」と言いたいだろう。もし鍛えたいなら、ちゃんとトレーナーや治療家をつけて、時間をかけ計画的に鍛え…

手術した股関節は被害者

常連さんが右の股関節を人工骨に取り替える手術をした。術後は順調で右股関節はさして辛くないが、左のふくらはぎや背中が辛いという。これは何を意味するかというと、手術した「右股関節は身体のアンバランスの結果の被害者」と言うことである。元々身体に左右差があり、長年負担をかけた結果、右股関節が壊れ手術をした。右股関節にしてみれば、「被害者なのに悪者扱い」と気分は悪いであろう。患者は股関節は治ったと言うが、元…

ブログ諺⑩-鬱病は腕から治す

これはあまり聞いたことがないと思います。鬱病の方は頭に血行不良があり、頚を患ってしまうとどうしても悪化しやすくなってしまいます。では頚を悪化させるものは何でしょうか?答えは、「噛み合わせ」「鼻炎」「腕のこり」です。「噛み合わせ」は歯医者に送るので、マウスピースを作ってもらって終わり。「鼻炎」はEAT(Bスポット療法)で耳鼻科に送って終わり。「腕のこり」は我々の仕事です。しかし困った事に腕は自覚症状…

腸と土壌菌

今日来た常連さんは腸の具合が悪く、色々乳酸菌を試してみるのだが、 ビフィズス菌は自分に合うのかどうかわからないと言う。腸内細菌の形成に関しては母親の影響と若い頃の食生活で生まれ育った土地の土壌菌でおおよそ決まってしまう。結局、我々は食べ物によって体が作られ、土壌菌のその種類によって体調が変わる。 人の人生を変える1つの要因として、田舎の土壌菌があることを知ってほしい。例えば双子の場合、1人は日本、…

凄い世界が待っている

長年医療界にいると、時々凄い先生に出会える。日本整形内科学研究会の木村裕明会長は麻酔の専門家でFascia Hydrorelease releaseという、昔風に言えば筋膜リリース(ファッシアリリース)を極められ、最近は血管リリースまで進化している。モヤモヤ血管の奥野祐次先生は元々がん治療の専門家で造影剤で血管を診ているうちに、痛みの原因に血管が大きく関わっていることを発見し、塞栓療法で難しい痛み…

ブログ諺⑨-痛みは古傷や弱いところが好き

今回は少しウィルス君の気持ちになってみましょう。 ウィルスは数十億年前から地球上に存在し、人間の祖先よりも遥かに昔から存在しています。 人類が出現したのは数十万年前です。 ではこのウィルスはどこから来たのか、色々と説があり本当のことはわかっていませんが、個人的には宇宙の隕石から来たと思っています。 いわゆるよそ者です。 そのよそ者が人の身体に入るために、色々と知恵を絞り、型を変え、戦略をひねり出し…

ブログ諺⑧-どうせ治りっこない

これは治療の考え方で、「必ず治る」と思い、治療を受けて治らないと不満が出る。 しかし「どうせ治りっこない」と思うと、少し良くなっただけでも喜ぶし、「又悪くなるかもしれない」と思うと予防にも力が入る。 症状は同じで受ける治療も同じなのに、考え方一つで治療成績やその後の経過が変わってしまう。 こういう場合1番良くする話は、「風邪」と「坐骨神経痛」である。 「一生、風邪を引かない身体にしてくれ」と言われ…

痛みの効果判定

長年やっていると中々完治しない腰痛の方は多い。そういう方に、「前回の治療はどうでしたか?」と聞くと、「少し良かった」と言う。こう言われると我々は、「少し良かったということは40%ぐらい痛みが取れたのだろう」と思ってしまうが、患者は、「少し効いただけだから20%程度」ということが多い。かなり効いたと言われた場合も我々は、「85%痛みが取れたのでは」と思ってしまうが、患者は「いやいやぎりぎり60%」と…

このままいって年を取ったらどうなっちゃうのだろう?

40-60代の方で、「今はこんなに腰痛が酷く、今後年を取ったらどこまで酷くなっちゃうのだろう?」という不安を訴えてくる方は多い。答えから言うと、「心配無用」である。うちの患者で1番長い方はもう40年以上治療している。誰一人として若い頃より悪化した方はいない。理由は簡単で、若い頃の肩こりや腰痛は無理をしているから起こるのである。膝痛もそうである。そういう痛みを抱えている方は、「もっと無理をしよう」と…

抗がん剤の副作用について

私の師匠が消化器の医者でがん患者ばかり診ているので、その流れで当院にもがん患者がくる。鍼を打ってがんが治るわけではないが、抗がん剤などの副作用の相談、健康食品、免疫を上げる方法などの話はよくしている。特に抗がん剤を使って胃が痛いとか、口内炎が出来たとか、便秘・下痢、節々の痛みや脱毛や手足のシビレなど副作用は多岐にわたる。特に胃が痛い場合、医者から処方された胃薬で十分に効かない場合がよくある。そんな…

病気は治すもの、老いは受け入れるもの

常連さんが、「いろいろな病気は頑張れば治せるけど、老いは治せないから・・・」と言ったので、少し気になった。もちろん治せない病気は多いが、本来老いは治すものではなく、受け入れるものと思っていた。最近はアンチエイジングが進み、若さを保つために色々と研究されていて、皮膚の状態から見た目に至るまで、お金をかければ何とかなる時代になってきた。昔美容外科と言ったら新橋の十仁美容外科ぐらいしかなかったが、最近は…

ブログ諺⑦-選択肢はない方が幸せ

これは、「人は選択肢が多いと選べず、それが悩みになってしまう」という事です。 例えばあなたががんになったとして、複数の友だちから、「○○がいい」「△△が1番今は最新治療」「俺の友だちのがん患者は皆□□で治っている」こんな話を次から次へと聞かされれば、迷ってしまうでしょう。 結婚適齢期の方が5人から同時にプロポーズされたらどうですか? 人生の岐路で選択肢がいくつもあったら悩みませんか? 色々な人を見…