夜寝る時の室温について

今日来た常連さんは、そこそこ体調が良くなっていたのに、最近は胸が苦しいと言う。話を聞いていたら、「最近は暑いので、寝室の温度を28度に設定している。今までは主人が暑がりなので26度だったが、流石に耐えられないので28度にしてもらった。」と言う。最近の猛暑では確かにエアコンがないと寝られない。私も何度か実験をしているので、感じている事を書いてみたい。まず寝室のエアコンの温度設定が28度はきついと思う…

当院の強み

時々患者さんから、「先生のところは鍼灸なのに、何で色々な病気の患者が来るの?」と言われることがある。確かに鍼灸なのだから、腰や膝ばかりと思っている方は多いだろう。しかし実際は鬱病、アトピー性皮膚炎、鼻炎、がんと整形領域以外で通っている方は多い。これには理由があって、私が全て治せるわけではないが、長年の経験と人脈でその道のプロの先生と交流があるからである。 詳細は「近郊医療機関一覧」をご覧頂きたい。…

病名がつかないことは不安?

これは去年の話だが、年老いた母が具合が悪くなり、地元の知り合いの先生に治療をお願いした。治療後、先生から連絡があり、「炎症値(CRP)が高いから、ちゃんと調べてもらったら」とアドバイスを戴き、近くの整形外科に入院検査となった。その病院で色々と調べても原因がわからないから、日赤で精密検査となり検査結果を聞いたら、「原因不明」だと言う。こうなると殆どの方は、「病名もつかないぐらい悪いのか」となるのでは…

手術が終わったら嬉しいことばかり

常連さんのお兄さんが緊急でお腹の手術をした。一命は取り留めたが、妹としてそばにいてあげるだけで何も出来ない。今日常連さんの身体を診たら、前腕のこり(ストレス性)とハムストリング(下腹部の反応点)が硬く、腸が全く動いていない。いかに付き添っていただけとは言え、心と身体に負担がかかったのが良くわかる。お兄さんもまだ退院までには少し時間がかかるという。常連さんの心労は察するが、我々から見たら、無事に手術…

喉の違和感をほったらかしたら頚が痛くなった話

常連さんが少し首と肩が辛いと言って症状を聞いたら、普通の首肩の症状と少し違うことを言っていた。気になったので調べたら、首の横の筋肉が異常に硬い。これは胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)と言って、「不眠」「ストレス」「周辺の環境(喉が痛い)」が原因で硬くなる。話を聞いたら、「喉の違和感が続いている。」と言う。「医者に行ったのか?」と聞いたら、「行っていない。」と言う。これで胸鎖乳突筋が硬くなった理…

ブログ諺④-親が死んでもトイレが先

これは女性の便秘の最大の原因が、「今はちょっといいや」にあることから、作った言葉です。 朝の忙しい時間にトイレに行きたくても、「今はちょっといいや」と排便のタイミングを逃してしまうと、その後はトイレに行きたい気持ちがなくなってしまいます。 排便欲求はある程度、自分の意志でコントロールできるので、身体が欲求を出した時に無視をすると、やがて身体は要求を出さなくなります。 これが怖いのです。 特に女性は…

城の石垣にナンバリング

数年前に熊本城の石垣が地震で崩壊した時に、「秀吉は小田原城を攻め落とした後、石垣にナンバリングをしていた」と患者さんから聞いた。専門家でないので真偽の程はわからないが、この話を聞きながら、「流石秀吉、壊れることを初めから想定していて、またすぐに作り直せる凄い知恵」と思った。これを我々の仕事に当てはめると、医者に突然病名を告げられた時に、「え、がん。想定していました。」「狭心症、なることは覚悟してい…

いつ役に立つかわからない

病院勤務時代に都立の病院にとても優秀な整形外科の先生がいて、月に一度特別診察のために来て下さった。その先生が来るまでに難しい患者を貯め、その特別診察時に一気に問題を解決して頂くことが恒例となっていた。だから普段難しい患者が来ても、「もう少しで特別診察があるから」と少し気が楽であった。その後病院を辞め、ある時に家内が肩を痛め、その先生のことを数年ぶりに思い出した。恐る恐る診察に伺うとこちらのことを覚…

「火事だ」という権利

最近は回転寿司で社会性のない若者が、醤油瓶をなめたり、皿を戻した動画がアップされ、話題になっている。社長が訴えると言っているが、これは当然のことである。この問題は一体どこから来るのか、昔聞いた話が参考になるのではないかと思い披露したい。私も若い頃は社会性のない事をやった記憶はあるのでそのギリギリがワクワクする気持ちは分からないでもないが、最大のポイントは、「山で誰もいないところで、『火事だ』という…

麻薬について

頚を痛めている方が医者から、「今の薬が効かなければ、麻薬を使ってみますか?」と言われ、「とんでもありません。いやです。」と答えたという。患者心理として、「麻薬」と言われれば、拒否したくなる気持ちは分からないでもないが、我々は少し違う感覚を持っている。まず鍼の効果は麻薬である。鍼を打つとエンドルフィンという脳内麻薬が分泌される。これが実に高性能で、効きはよく、副作用はなく、持続時間が長い。いいこと尽…

治療の順番

昨日来た患者さんについてスタッフから質問があった。症状は「腕の使いすぎ」「ストレス」「甘い物取りすぎ」で、頑張って勉強をしているという。勉強を頑張れば、当然腕を酷使する。腕は自覚症状が出ないからそれは頚や肩に悪影響を及ぼす。勉強がきつければ「ストレス」がたまり、心臓が収縮して肘下や膝下の末端を硬くする。腕は使うかストレスしか硬くならないから、腕がガチガチでどうにもならなくなる。そうなると甘い物で心…

本人の気持ちと身体の現状

会計の仕事をしている人が激務で通っている。自覚症状の出ない腕がこったり、頭を使う分、こめかみが辛いという。たまたま休みを使って子供を連れ、高尾山に登ったら、子供が大喜びでまた行ってきたという。本人は激務は変わらないし、登山までしてしまったものだから、昨日来て、「かなり今日は悪い。」と自己申告してきた。しかし身体を診たら全く逆のことが起こっている。自覚の出ない腕は硬くないし、山登りした割りには足もい…

健康を保つ4つの基本

仕事柄、「健康を保つのに必要なことは何ですか?」と聞かれる。そんな時はいつも「睡眠」「食事」「運動」「思想」と言っている。最近はテレビを見れば、大リーグの大谷選手の話ばかりで、あまりの好成績に秘訣を調べてみたら、「10時間睡眠」と書いてあった。改めて睡眠の重要性を感じた方も多いと思う。「食事」に関してはいうまでもなく、身体は食べ物から作られている。どんな物を身体に入れるかで体調が変わってしまうのは…

左眼専門医?

昔に比べて医療が細分化されている。関節のことなら昔は整形外科で良かったが、手の外科・足の外科が出て、すこし難しい患者だと整形からそちらに回される。新型コロナウィルスの影響で我々も学会で集まれなくなり、ズームで講義を聞いていたが、益々細分化の流れは強くなってきている。ではこのまま進むとどうなってしまうのだろうか?おそらく、「左眼専門医」が出てくる。「右眼?私は左眼専門医だから、右眼のことはわかりませ…

ブログ諺③-身体にやめさせられる話

これは大分前、激務をこなしている先生に、「仕事に対する責任感から激務をこなし、無理する気持ちは分かるけど、こんな状態を続けていたら、やがて身体にやめさせられてしまいますよ。身体の中には2人いて『本人の気持ち』と『身体の本音』です。先生が色々とやっているのは『先生の気持ち』であれもこれもやらなくてはという先生の都合。今回のぎっくり腰は『身体の本音』。こんなに激務を続けられては身体はたまらない。『本人…

ブログ諺②-休むことを仕事とせよ

これは大分前にある社長から教えて戴いた。その社長は激務でトラック4台分の書類を作って、会社を公開したと言っていた。本当にトラック4台分かはわからないが、公開するだけの力を持っている社長の働き方は凄かった。まず出勤は朝の10時過ぎ、5時まで仕事をして一般社員は帰る。そこから又仕事を続け、10時過ぎると役員が帰る。そこからは本当の幹部だけになり、終わるのが夜中の1時。そこで幹部は帰るが、その社長は、「…

ブログ諺①-体は借り物と思えばいい

いよいよ今回からブログランキングが終わり、「ブログ諺」を配信します。 初めに「体は借り物と思えばいい」は常連さんから教えて戴きました。常連さんも何かのセミナーか講習会で聞いて、心に残っていたようです。 まず、「借り物」となれば雑には扱えません。多くの方を診ていると自分の身体を限界まで酷使する方ばかりですから、「借り物」という発想は全くありません。あくまで自分の身体は自分の物と思っています。 しかし…

薬を倍にしたら効いてラッキー

首を痛めている常連さんが少し酷くなり、専門家にちゃんと診てもらいなさいと指導して結果が出た。結果は年齢なりの骨の変形で、薬の種類は今までと同じでいいが、倍飲みなさいと指導が出たという。今までは日に1回だったのが今度は朝晩と2回飲んだら、とても楽になってラッキーと言っている。これには少し違和感を覚えた。本来は薬を使わなくてもいいレベルまで回復させたいのに、たまたま飲んで薬が効いたというのは、「薬があ…

半月板の落とし穴

常連さんが膝を痛がり、調べたら半月板損傷だった。こういう場合は酷ければ手術になってしまうが、膝に負担をかけないで2-3週間は様子を診るといい。膝の固定には当院でも色々と試したが、ニーラップが1番いい。巻き方にもコツがあるので、リンクを見て頂きたい。ここで大事なのは「日々の生活で痛みを感じないレベルの運動」「サポーターを状況に応じて自分で強く巻いたり、弱くする」「痛みを感じる事を当たり前だと思わない…