上医、中医、小医の違い
中国の孫思邈(そん しばく)という医師は、「上医というのは国を治す、中医の医者は人を治す、下医の医者は病を治す」と言っています。 また医を上、中、下に分けて、「上医はいまだ病まざるものの病を治し,中医は病まんとするものの病を治し,下医はすでに病みたる病を治す」ともいわれています。 病気だけでなく、国を治したり、人を治したり、予防の話など昔から人類は気がついていたわけです。 私自身も振り返り、昔は「…
中国の孫思邈(そん しばく)という医師は、「上医というのは国を治す、中医の医者は人を治す、下医の医者は病を治す」と言っています。 また医を上、中、下に分けて、「上医はいまだ病まざるものの病を治し,中医は病まんとするものの病を治し,下医はすでに病みたる病を治す」ともいわれています。 病気だけでなく、国を治したり、人を治したり、予防の話など昔から人類は気がついていたわけです。 私自身も振り返り、昔は「…
常連さんが最近、指を触っただけでも痛みが出ると言う。調べてみると典型的なヘバーデン結節である。よく中年の女性で指の第1関節がコブのように腫れて変形している方がいますが、第1関節なら「ヘバーデン結節」、第2関節なら「ブシャール結節」と言います。原因は不明ですが、女性に多く発症します。遺伝性も不明ですが、母や祖母が患っている方に多く発症します。関節リウマチとは違うのですが、今までの整形外科だと「どうし…
新型コロナウィルスの影響でZoomでのセミナーが盛んである。多いと週に7-8本の講義を受けている。今まででは考えられないぐらいの勉強量である。そんな中、アメリカでPT(理学療法士)をやっている先生の講義を聞く機会があった。「日本の講義はとても細かい。何処何処の腱がどうした、神経が何処を走っているなどアメリカでは考えられないぐらい繊細というか、細かい話ばかりである。アメリカでは○○の症状には△△とい…
長年仕事をしていると、身体の一部を診ただけである程度全身症状が分かる。 その場所は、「薬指と小指の骨間」である。 以前から、「腕は自覚症状が出ない、腕が硬くなるのは『使い過ぎ』と『ストレス』」と言っている。 「使い過ぎ」でも「ストレス」でもまずは腕から硬くなり、それが酷くなってくると指まで硬くなる。 当然硬くなるのはよく使う親指から始まり、段々小指の方まで拡がってくる。 指と指の間は小さい筋肉や神…
80代のおばあちゃんが娘に付き添われて定期的に通っている。持病で腎臓病はあるのだが、ある時血液を採ったら悪化していた。数字的にはひどくなかったので娘から、「お母さん、この程度はたいしたことないじゃない。良かったわね。」と言ったという。それを聞いて私は、「それはダメですよ。『お母さん、腎臓も悪くなったからちゃんと治しましょうね。』と言えば、『頑張るわ。』となるが、たいしたことないと言ってしまえば、『…
約1年間、新型コロナウィルス関係を調べて特にPCR検査について疑問を感じていた。大橋眞先生の「PCRは、RNAウィルスの検査に使ってはならない」を読み、益々疑問が拡がった。ご興味のある方はご一読戴きたい。
以前70代で脳出血をやった方が、よくリハビリで通われていた。少しきつい訓練をしようとすると、「俺なんかあと5年で80代。5年で良くなったあと死んじゃう。希望が持てないし、やる気も出ない。」と言っていた。そんな時は必ず、「リハビリのコツは、あきらめながら希望を持ちながら。」という話をする。脳出血で手足が動かないところは現代医学では治せない。やがてiPS細胞で治せる時代が来るかもしれないが、何年も先の…
数年前に右五十肩をやって、数年かけて治した方が今度は左肩が痛いという。右肩の時は突然痛くなったが、左肩の時は徐々だという。右肩の時は手にシビレはなかったが、今回はシビレるという。何となく違う感じはするが、五十肩だろうと思い、色々治療したが良くならず久しぶりにおみえになった。まずレントゲンを撮ったか聞いたら、撮っていないという。詳しく調べてみると五十肩の特徴がない。前回の右肩の時、首に痛みはなかった…
長年仕事をしていると、強者の患者が来る。 健康食品にこだわっている方の中には、以前最高で20数種類のサプリを持参し、オーリングテストで診てくれと言う方がいた。 詳しく調べたら、3種類しか身体に合っていなくて、「あとはいらないの?」と聞くので、「今の身体には必要ありません。」と答えた。 では何故こういう事が起こるかであるが、本人に聞いたら、「知り合いが多いので、少し具合が悪いというと必ず何かを勧めら…
骨折の治療などでもそうだが、何処に治療のゴールを設定するかはすこし難しい。患者さんは、「100%の完治」を目指すし、我々は、「日常生活で辛く感じない」でいいと思っていて少しずれる。以前も、「残り5%の痛み」で書いたが、100辛いものを80取って、残り20%までが1番楽で、そこから15%、10%、5%と下がるにつれ、治療が大がかりになる。勉強していない生徒が少し勉強すれば80点は取れるが、そこから9…
交通事故で骨折をした方が、足首の調子が悪いという。この足首だが少し治療の考え方がある。この足関節は、身体全体を支え、バランスを取るという「固定-安定」の働きと、相反する「可動性」が求められる。肩関節なら殆ど動きなので、どんどんリハをすればいいが、足首は動かしすぎてしまうと、「固定-安定」が損なわれてしまう。車で言えば、「この車、エンジンが凄いんです。ブレーキを踏んでも止まらないんです。」と言われれ…
仕事柄、骨折後のリハビリで来る方は多い。左腕を骨折した場合、「それは利き手でなくて良かった。」と言い、右手の場合は、「利き手でよく使うので早く治る。」と言う。以前、左手を痛めた後、右手も痛めた患者がいて、「利き手でよく使うので早く治る。」といつもの通り言ったら、「先生,左手の時に、『利き手でなくて良かった。』と言いましたよね。」と突っ込まれてしまい、少し返答に困ってしまった。我々からすれば、どちら…
患者さんとよくしゃべっていて、良く感じるのは、「健康法を学ぶ機会がない」ということである。小学校で理科か保健体育の授業で、心臓、血管、肝臓、肺などは最低限学ぶが、そこから病気の話には中々ならない。持病でもあれば病院に通いながら色々と病気のことなど覚えるが、お産以外医者にかかったことがない方だと、何処で健康法について学べば良いのだろうか?親が健康オタクなら色々と言われるだろうが、殆どの方は社会に出る…
新型コロナウィルスの影響でズームでのオンラインセミナーが盛況である。 今までなら月に1回のセミナーに参加するのも大変だったが、最近はあまりの手軽さと料金の安さに多いと週に6-7回参加している。 セミナーを開催する側も今までなら、会場の手配、懇親会の手配、チケットや先生方への依頼など大変だったが、オンラインセミナーだと、紙の案内状はいらないし、プログラムも簡単、担当される先生に、「少ししゃべって下さ…
サッカー選手が突然腰が痛くなったという。ボールを蹴りすぎて脚のバランスを崩したのかと思って下半身を診たら全く問題がない。こういう場合殆どの原因がお腹なので、お腹を触ったら異常に腹筋が発達している。サッカー選手はこんなに腹筋は発達しないので、「何かやっているでしょう?」と聞いたら、「ここ数週間、腹筋のトレーニングを自宅でやっている。」と言う。「トレーニングをし始めて少し経ってから腰が痛くなったのでは…
首の痛みで通っている方が、最近調子が良く、65%痛みが取れたという。医者からは「骨棘(こっきょく-骨が変形してトゲのように見える)」と「頸椎椎間板ヘルニア」を指摘されている。当院では「腕の治療」「噛み合わせ」「鼻炎対策」しかやっていないので、「骨棘」と「ヘルニア」には全く手をつけていない。しかし痛みが取れてきたということは、「骨棘」と「ヘルニア」が痛みの原因ではなく、ただ首の状態がそうなっていると…
去年の年末はGo to トラベルが突然なくなってしまい、年末年始を良い宿で豪華に過ごそうと思っていた方達が旅行に行けなくなってしまった。その分自宅で豪華に過ごそうとおせちが馬鹿売れしたという。セブンイレブンやおせちを扱う業者が、「突然多くの注文を頂いても、全く対応出来ない。」と残念がっていた。話を聞くと、材料の調達や手間仕事なので、突然1000個と言われても年内には対応出来ないという。Go to …
以前、減量指導をしていた方、「食事の内容をすべて書いて持ってきてください。」と伝え、2週間後におみえになった時に、「ちゃんとやったつもりなのに、全然体重が落ちない。」と言われた。内容を見ても、カロリー的には問題はないし、原因がわからなかった。色々と話をしながら、「何か他に食べています?」と聞いたら、「え、煎餅10枚。」と言う。「どうして書かなかったのですか?」と聞いたら、「先生は食事を書けと言いま…
今年の正月はぎっくり腰の実験をして失敗して、動けないことから始まった。 今までも何度が実験をして、考え方が変わってしまったのでその話をしたい。 1.ぎっくり腰-以前は、「ぎっくり腰は腰の炎症だから冷やして風呂はダメ。」と言っていたが、風呂で温めて楽になったという声が増えてきたので、自分が腰を痛めたときに実験してみた。入ってみてビックリ、痛みが半分以下になっていた。その体験以来、ホームページのぎっく…
百草丸は長野の御嶽山が有名で、山岳修験者の常備薬として数百年の歴史を持つ胃薬である。以前、「昔からある薬は他の薬とぶつかりにくい」と書いたが、私などはもう数十年毎晩枕元に置き、忘れないようにして飲んでいる。いちいち錠数など数えず、何となく調子が悪ければ多め、調子が良ければ少なめ程度の処方である。以前、「胃腸から崩れる」でも書いたが、体調を壊すのはまず「胃」からが多い。次に腸、そして腹筋が働かず、腰…