症例

足のシビレと帯状疱疹

今日、ご紹介で来た方は右膝が痛くなった後に右足がシビれて感覚が半分しかないという。歩くのにも不自由でよくつまずくという。病院等で膝は良くなったが、シビレが取れないという。最近は手も少しシビレを感じるという。身体を拝見すると右膝痛で左足に負担がかかっている。ならば左足がシビれそうなものだが右足だという。使ってもいないのになぜシビれるのか。脳梗塞もなさそうだし、少し考えてしまった。既往歴を聞くと大腸が…

側弯症と腹圧

10才の子が側弯症で通っている。1年ぶりの治療で去年と比べて曲がり方がひどくなったという。身体を調べてみたら、腹圧が異常に高い。これでは便秘だろうと思って聞いたら、時々しか出ないという。側弯症から便秘になったのか、便秘から側弯症になったのか不明だが、お腹は治さないといけない。生理も不順で、視力低下、頭痛、腰痛、肩こり、集中力低下と色々症状がある。足のハムストリングも硬いからこれでは走れないだろうと…

虚の話

これは以前、華道家の先生から聞いた話だ。 生徒「私達は先生に長年ご指導頂いていますが、先生はどんどん自分だけ進化してしまう。何が違うのでしょうか」 先生「あなた方は『陽』を生けている。私は『虚』を生けている。何度あなた方に『虚』を教えても、中々実践出来ていない。この『虚』が生けられなければ上達はしない。」 これは大分前に聞いた話なので、その時は意味が分からなかったが最近になってやっと少し意味が理解…

のらりくらり

これは私の師匠の患者さんの話だが、乳がんの末期の方が大量の乳酸菌療法で10年以上延命している。 一時は肺にも転移したが、小康状態を保っている。 性格が明るい方で、あまりクヨクヨしないタイプだ。 ある時、ガンセンターで肺の影を指摘されたので、詳しい検査のために指定された日に受診することになった。 師匠も「ガンセンターでの検診結果を教えて下さい。」と言ったら、その日は行かないという。 理由を聞いたら、…

愚痴を言ったもの勝ち

治療をしていると明らかに女性と男性で反応が違う。 女性はなぜこういう状態になったかをくまなくしゃべる。 男性は今辛い症状だけ言う。 我々の治療は時間が長いのでどうしても、家族のこと、生い立ち、昔の恋愛話までよく話に出てくる。 長年通っている方は手に取るように家庭内のことがわかってしまう。 どうも女性は全てを話さないと理解してもらえないと思うのか、その時にどう感じたかや愚痴も出る。 しかしこの愚痴の…

どうせ治りっこない

以前、膝の半月板を痛めた方が治療しても中々良くならなかったので、諦めてしまったという。 たまたまご縁があって当院で治療してから1年ぐらい経ってから、本人も納得するぐらい回復した。 経過が良かったので本人はすっかりこれでいいと思って、来なくなってしまった。 そうしたら1ヶ月ほど前から膝がまた痛み出し、医者に行ってMRI検査など徹底的に調べてもらったが、特段以前と変わりはないという。 本人はこれだけ痛…

季節の治療

ぎっくり腰や坐骨神経痛、ねちがいなどが慢性化する方は多い。 またやっちゃったと言う。 あまり痛みが強いと、何か予防法はないかという話になり、毎月通いますからメンテをお願いしますと言われる。 しかし毎月来る方は殆どいない。 次に痛くならなければ来ないのが現状である。 9ヶ月ぐらいしてまた痛みが出ると、2ヶ月前に来ようと思っていたと言う。 現実問題中々、月に一度来れる方は少ない。 しかし予防はしたい。…

長引く痛みにはモヤモヤ血管がある

常連さんから気になる本があるので、読んで感想を聞かせて欲しいという。 「長引く痛みの原因は、血管が9割」 奥野祐次先生(オクノ クリニック院長) ワニブックス タイトルからして唸る内容なので一気に読んでしまった。 奥野先生はカテーテルでがんを治療をする専門医だった。 がん細胞は正常細胞より多くの栄養を必要としているので、血管を作ってしまう。 その血管に小さいサイズの粒子を入れ塞ぐことで、がん細胞を…

視点の違い

最近がんで手術をしたとか、これからするとかいう方が多い。 患者さんの関心は手術だろうが、我々からしてみると少し視点が違う。 まずは早期発見して頂けたのなら、見つけてくれた医者に感謝である。 次に手術は特別に問題がなければ順調に進むだろうから、無事を祈るしかない。 我々が気にするのはそこからである。 体質や遺伝もあるだろうが、今までの生活習慣で患った部分は大きいだろうから、手術のあとそれをどうやって…

生活を楽しむ

胎内記憶で有名な池川明先生の講義を久しぶりに聞いた。 以前から婦人科の患者さんで困ると相談にのって戴いていたが、今回の話しの中に今までとは違う内容の話があった。 それは人は死ぬと魂になって生まれ変わるが、どうもあの世は暇らしい。 この世には興味津々で皆来たくて来るという。 丁度子供が少し変わったもの、面白いものを見たがるのと同じ心理だという。 ということはこの世を楽しむために来ているのである。 以…

前立腺がんと乳製品

以前地方から前立腺がんの手術をした後、身体にいい食べ物を判定して欲しいと来た方がいる。 話を聞くと3人兄弟で自分だけ前立腺がんをやって、他は大丈夫だという。 持ってきた食品が50品目ぐらいだったので、まずはABCに分けた。 Aは前立腺がんに対して抑制的に働く食べ物-ひじき、のり、ごぼう、納豆など Bは前立腺がんに対して全く影響のない食べ物-そば、うどん、パンなど Cは前立腺がんに対して促進的に働く…

男性と女性の違い

何十年も治らない女性で腰痛持ちの方が、お腹を少し触っただけで全然結果が違うと毎週通っている。 通院しているうちにお兄さんやご主人の話になり、2人とも問題があるので治療を勧めたが全く取り合わないという。 お兄さんは医者で治すといって、手術待ちの状態だという。 妹としては切った貼ったではなく、良くなって欲しいが人の話を聞かなくて困っているという。 これは長年やっていると分かるのだが、女性は物事を直感で…

完治しない場合の対応法

長年治療しているとなかなか完治しないことを体験する。 特に肩関節は我が儘な関節で100点以外認めないという性格を持っている。 桶と同じでたった1枚壊れているだけで水が漏ってしまうのと同じで、肩関節は99点でも痛みを強く出す。 ではどうするかというといくつか方法があるのでお話ししたいと思う。 1.9割以上良くなっているのなら、準卒業して気になる時だけ治療する。 2.何が何でも100点を目指し、痛くな…

肩もみと出世

これは松下幸之助先生のお話である。 あるとき、幸之助は、ある青年とこんな話をかわした。 「君、按摩ようするか」 「いいえ、しません」 「お父さんやお母さんの肩、もんであげへんのか」 「ええ、あまりもみません」 「それじゃあ、君は、あんまり出世できんな」 「按摩と出世と、いったいどんな関係があるんですか」 「太閤秀吉はね、若いころ按摩がうまく、それが気に入られて出世の道が開けたという。ほんとかうそか…

臓器に似ている食品

以前にある研修会でパーキンソン氏病の患者さんに、どんな食品が効くのか調べたことがある。 その時は数ある食品の中でクルミが1番だった。 あとで調べたらナッツ類はオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、葉酸、ビタミンE、ビタミンB6などが多く、脳に効く食べ物である事がわかった。 その時師匠が、「これはきっと神様が弱い臓器の形に似たものを食べれば、強くなるように作られているのではないか。クルミと脳はそっくりだ。…

腸のスイッチ

70代男性で後片付けをしたいが頭が働かないから治療して欲しいという方が通っている。 頭の治療は基本的に頭に鍼を打ったり、首のゆがみを治したり、顎関節を改善するためにマウスピースを作ったり、鼻炎をチェックするのが定番である。 次に腸の治療である。 フードチェックや乳酸菌はもちろんだが、按腹や温熱(ホットパックや温灸器)はかかせない。 そしてそれでもだめなら断食である。 出来なければ減食だけでも違う。…

膝の熱に関して

以前病院のリハビリで30代の方の膝を治療をしていたが、中々改善せず困ったことがあった。 怪我の内容は軽い靭帯損傷だったと思うが、固定やリハビリなどで2ヶ月もしないぐらいで回復するのが常である。 しかし3-4ヶ月通院されていてこちらも焦り、担当の外科部長に相談しても、「痛ければ注射はするけど・・・。」で、なすすべがない感じである。 こちらはリハビリで毎日顔を合わせるので、色々と治療法を変えてみたが効…

健康のためにテニスを始めて逆効果

これは大分古い話しだが、若い方が健康のためと週に一度テニスを始めた。 多少の心得はあったと見えて、週末が待ち遠しいという。 日曜日に必ず治療をしていたが、ある時治療しながら、 「何時になったら、マッサージをしなくても良くなるのか?健康のためにやっているので、もうそろそろかからなくてもいいと思うのだが・・・。」 というので答えた。 「テニスをしている限り、治療は必要ですよ。テニスをやめればかからなく…

腎虚(じんきょ)に関して

漢方では腎虚(じんきょ)と言って虚弱体質の方を表現することがある。 腎虚と言っても腎臓の機能だけを差すわけではなく、内分泌系や免疫機能低下によっておこる症状を言う。 男性に当てはめれば精力減退といった所だろうが、頻尿、耳鳴り、身体のだるさ、手足のむくみいわゆる「生気」がない状態をいう。 タイプで言えば当然小鳥タイプであるが、細身で冷え性、婦人科疾患の方は当てはまる。 そういう方は殆どが耳の病気を持…

胃を治す

去年から風邪の影響もあり、胃を壊した方は多い。 よく考えてみると、小鳥タイプの方の胃は深刻である。 ライオンタイプならフードチェックや食事指導、鍼灸で何とかなるが、小鳥タイプの胃は一筋縄ではいかない。 胃が壊れると腸もやられ免疫は下がるし、粘膜は弱くなるし、腰は痛いし、足は冷える。 頭痛や耳の病気、風邪のひきやすいし、生理不順と良いことは何もない。 筋トレをしても太れないから、体力がつかない。 今…