症例

将来の腰痛を見越して

腰痛の常連さんに、「貴方の腰は前弯が強く、骨盤が傾いている。こういう方は立ったり座ったりを嫌がる。仕事でしなければならないのはわかるから、今のうちに腰と股関節のレントゲンを撮っておきなさい。3年5年10年後に今と比べて何処がどれだけ悪くなったかがわかれば、医者は簡単に治療できるから。」と伝えたら、「今そんなにひどくなくても行くのですか?」と聞くので、「酷くなってからだと何処がどれだけ悪いのかが判定…

アキレス腱術後の傷

今日来た患者はアキレス腱を切り、手術後ギプスとリハをしていたが、身内から「手術して半年も経つのにまだ歩き方がギクシャクしている」と言われ来院された。患部を診るとアキレス腱が伸びないわけでも熱を持っているわけでも腫れているわけでもない。関節の動きも問題ないし、試しに歩いてもらったら、周りから言われるほどギクシャクしていない。本人はどう感じるのか聞いたら、「傷口が何となく違和感があって、ピリピリするこ…

子育ての基準

若い患者さんも10年位通ううちに結婚をしたり、子供が出来たりする。 子供が出来れば話し内容は殆ど子育てになる。 「最近うちの子供が学校に行かなくて・・・」 「うちの子は少し変わっていて、学校で友だちが出来なくて・・・」 「家ではゲームばっかりやっていて、勉強しなくて・・・」 「外では悪い事をしているみたいだけど、うちでは素直で二面性が怖い・・・」 新米の親では悩みは尽きない。 結局生きる基準みたい…

面談は90分

これは以前、出版関係の社長から、「午後になると大体2-3組の方と面談する。1組の時間は大体90分と決めている。理由は簡単で、人の話は大体40-45分位でしゃべり終わる。途中でこちらが色々と言ってしまうといくらでも長くなるが、しゃべり切る時間というのは人によってそんなには違わないものである。初めは少しご挨拶をして、大体1時間過ぎたあたりから、『言い残していることはない?』と聞くと大抵はないという。そ…

辛い時の患者心理

以前、腰痛患者が治療しても全然痛みが取れず1時間の予約が、もう少しやってくれということで2時間になり、まだ楽にならないということでついに3時間治療した事があった。患者に聞くと痛みを感じないのは手が触れている時だけで、 手が離れてしまうとまた痛みを感じるという。これは私自身も経験がある。以前肩から手を痛めた時に刺激している時は楽なのだが、同じように手が離れてしまうと辛い。少し強めの刺激をしても場所を…

身体で決まる職業

先日、ご紹介で来た方は右利きなのに左手を酷使している。普通はこういう事は起こらないので話をきいたら、iPad等の操作は、左手の方がはるかに楽にできるという。これは、本来左利きなのを、子供の頃に治されたのではないかと思い、「親に聞いてみなさい。治されたと思う。」と伝えた。親御さんに聞いたところ、「初めから右利きだった。」と言う。これはどういう風に考えれば良いかというと、左手が自由に使えるということは…

浮腫とスプリングティー

私の師匠が消化器の医者でBi-Digital O-Ring Testで漢方薬をよく出すのだが、西洋医学の薬は急性期以外あまり使わなくなったと言っていた。それが益々進化して漢方薬の次は「生薬」「野菜」「雑草」と変化していった。雑草に関しては広島に原爆が落ちて死の町になったとき、初めて生えてきたのがドクダミだという。それを食べた人は原爆病になりにくかったとの報告もある。雑草はいかなる環境でも生命力が強…

ペットロスについて

常連さんの中にはペットを失って数年間とても動物は飼えないという方は多い。うちも以前2匹のノラ猫(白黒猫と黒猫)がいて、白黒猫は死んで黒猫は脱走したままいなくなってしまった。数年間は飼えなかったがたまたま義理の妹が黒猫を引き取ってくれという話になり、2匹を失ってから時間も経っているので今は飼っている。不思議と黒猫同士重なるところがあり、かなり心が癒えている。常連さんの中には7年ぶりにまた同じ種類の犬…

マッサージ器で腕がダメになった話

常連さんがいつもよりかなり腕のこりが酷い。腕が硬くなるのは、「使い過ぎ」か「ストレス」なので話を聞いたら、どちらもないという。そんなはずはないと思って突っ込んで聞いたら、「マッサージ器は20分以上かなりかけた」と言う。以前もマッサージ器やゴルフ・テニスボールで辛いところをやり過ぎて、皮膚が破けてしまった話を書いたが、道具を使う場合は注意が必要である。本人は機械で満足したがるのだが、「ないよりまし」…

咳をしているときは腕を使うな

常連さんがこの間まで咳がひどかったという。身体を診たら、「咳の反応点」は殆ど問題なく、肩甲骨や「腕の反応点」が残っている。これは「咳は治ったが、咳で呼吸に関する筋肉を激しく使い筋肉痛が治っていない」事を意味する。下図を見ていただげばわかるが、咳の反応点(喘息のツボ)と腕の反応点は近い。咳がよくなれば当然、咳の反応点の筋肉は柔らかくなる。しかし咳が治りきっていないときに腕を使うと筋肉がほぐれきれず、…

一つの病気を治すと次が出てくる

常連さんの友人が、白血病で困っているという。専門病院では診て戴いているのだが体力がつかず、その病院にリハビリがないものだからどうやって体力を上げるかで困っているという。こういう問題はよく起こる。例えば乳がんの手術後に、乳房再建がよく話に出る。最近は乳がん切除と乳房再建を同時にやってくれるところもある。この知識があれば、初めからそういう病院を選ぶ。股関節の手術でも両側同時に出来るところもある。これを…

古今東西、食の諺

前日、がんのセミナーを受けていたら食に関しての講義があった。3800年前のエジプトで下記の文言が見つかったという。洋の東西を問わず、食に対して戒めている。 「われわれは食べる量の4分の1で生き、4分の3は医者のために食べる」ピラミッドの碑文 「腹八分目は医者知らず」江戸時代の医者 「断食で治らない病気は、医者でも治せない」ドイツの諺 「断食はメスを使わない手術である」フランスの諺 「すべての薬で一…

腕が硬くなるのは「使い過ぎ」か「ストレス」

以前から、「腕は自覚症状が出ない」と言っている。では硬くなる理由は何であろうか?それは「使い過ぎ」か「ストレス」である。もちろん両方と言うこともある。一番良く診るのは、若い方が重い鞄を持ち、パソコンを打ちっぱなし。ストレスがたっぷりだと腕のこりは相当酷くなる。しかし自覚が出ずそのままにしておくと首や肩の辛さで来る。そういう方はまず腕を診る。皆、酷い。腕は自覚が出ないとか、使い過ぎ、ストレスと説明を…

学校と塾の違い

常連さんが、「この間やって貰った胃の治療がバッチリ効いた。」と驚いた表情で言う。この話を聞きながら、「例えば病院で胃薬をもらってあまり効かない場合文句を言いますか?」と聞いたら、「あまり言わないかも知れない。」と言う。これは「学校と塾の違い」である。学校で子供の成績が上がらない場合に文句を言うだろうか?おそらく言わないと思う。しかし高いお金を出して塾に通わせて成績が上がらなければ、文句を言うだろう…

神経の修復スピードについて

股関節を手術した方が順調に回復していたが、少し筋トレをしたらお尻に痛みが出て不安に思い、手術した先生に診てもらったら、「全く問題はありません。」と言われたという。これは我々はよく経験する事で、「皮膚や骨はすぐ治るが、筋肉は治りが少し遅い。神経となると治すのに年の単位かかる。」というのが暗黙の了解としてある。病院勤務時代に指の形成術を受けた方が、かなり長い期間痛がり、医者にいつも文句を言っていた。「…

腕と肩関節

患者さんとメールやLINEでやりとりをしていると、時々同じ言葉なのに違う場所を指している事がある。先日も「首の下あたり」と言われ、「肩の反応」「頸椎の問題」なのか最悪、「ヤダモン君-心臓の反応」もあり得ると予想して、「正確に場所がわからないので来て下さい」と伝え、診たら「寝違い」だった。「寝違い」の反応点は時に、「不眠症」や「喉の痛み(喘息)」でも反応が出るので見極める必要はある。ツボは下の図の赤…

近江を制するものは天下を制す

以前、滋賀県から来ている患者に、「彦根城など色々と良い所がありますので、是非来て下さい。」と言われていた。どうも新幹線に乗ると「京都」まで行ってしまうが、以前から興味はあったので今回初めて琵琶湖を一周した。まず米原で降りて「国宝 彦根城」。言わずと知れた「井伊家」である。徳川家から信頼の厚い井伊家は徳川四天王(酒井忠次・本多忠勝・榊原康政・井伊直政)とか、徳川三人衆と言われるほど信頼が厚かった。幕…

進化する治療

指を骨折した常連さんが、医者に言われた通り頑張って曲げ伸ばしのリハをしたら、指が腫れて熱を持ち調子が悪いという。先生に何と言われたのか聞いたら、「固定ばかりだと動かなくなるから頑張って動かして」と言われたと言う。 この話を聞きながら、「50代ぐらいの先生?」と聞いたら、「大体そうです。」と言う。 骨折一つ取っても先生の年代で指導の内容が違う。 70代の先生なら、「骨がちゃんとくっついてからリハをし…

飼い主の気持ち

私の師匠が犬を飼っている。普段は自宅で奥様が面倒を見ているが、師匠が何か愛犬のために美味しいお土産を買ってあげようとすると必ず奥様を見て、「食べていい?」という顔をするという。これが奥様にはたまらない。師匠にしてみたら、「え、家内に許可を取るの?必要?すぐには食べないんだ。」と少し気分が悪い。その時奥様が勝ち誇ったような顔をして、「いいわよ、パパからもらいなさい」と言われるまで食べないという。ここ…

私の一体何が間違っていたのでしょうか?

いつも五十肩の治療をしている常連さんが、珍しく腰が重いという。話を聞いても腰に悪い事は何もしていないという。詳しく調べたら大腿四頭筋が相当硬い。それももうかなり時間が経っていることがすぐにわかった。何をしているのか聞いたら、「ジムでステッパーを真面目に踏んでいる」と言う。この大腿四頭筋は以前から自覚が出ないと言っている。普通は大腿四頭筋に負担がかかるのは、「坂を登る」「自転車」「サッカー」などだが…