症例

健康寿命を延ばすには運動や食事より本や雑誌を読んだ方がいい

先日たまたま見ていたNHKでAIを駆使して健康寿命を延ばす解析をしていた。 そのために下記の3つが大事だという。 1.運動よりも食事よりも読書(本や雑誌を読む)が大事 2.子供と暮らすな!一人で暮らせ! 3.ぴんぴんころり 泥棒を捕まえろ 1に関しては山梨県のデータが出ていて、運動とかは最下位、図書館1位という。そして図書館が近くにある人は要介護が低いとデータがあるという。心が動くと身体が動くとい…

「1度治める」という考え方

常連さんの胃が市販薬や灸をやっても今いち治らない。少し長引いたので消化器の先生に胃薬を出してもらった。処方を見て、「これなら治まる。」と思い、今日患者さんが来たので聞いてみた。 「治ったでしょう?」 「いえ、まだダメなんです。」 「あの処方効くはずだけど・・・。」 「ガスター飲んだら楽になったので、先生の薬飲んでいないんです。」 「え、そうなの。」 患者さんにしてみると色々と薬を飲み過ぎるのはよく…

なぜ悪くなったのか、何をすれば良くなるのかわからない梨状筋症候群

梨状筋(りじょうきん)の下から坐骨神経が足に向かって出ていて、梨状筋に問題があると坐骨神経痛を起こす。常連さんが梨状筋症候群になり、治療に手間取っている。カルテを見たら以前も同じ症状でその時も治療に手間取った。今回定番治療をしても殆ど痛みが変わらず、先程診たらなぜか楽になっているという。どうして梨状筋症候群が起こり、なぜ良くなったのかが前回も今回も全くわからない。普通、坐骨神経痛は平らなところを歩…

治療の分かれ目

日舞をやっている方が、膝にピキッという痛みを感じたという。その後痛くて曲げられず、足を引きずっていたという。調べてみると症状は半月板でこのまま悪化させてしまうと踊りに支障が出る。患者さんには次のような話をした。 「よく子供の頃転んで、肘や膝を擦りむきかさぶたを作った記憶があるでしょう。短気な子は風呂に入るとそれをすぐに剥き、血だらけになって又数日すると又剥いてなかなか治らなかった経験もあるでしょう…

どうしてすぐに鍼を打たないのですか?

鬱病の方に、「ここは鍼灸院なのにどうしてすぐに鍼を打たないのですか?」と聞かれた。これには少し理由があって、長年の経験でどんな症状の方もいきなり鍼をやって効く方と効かない方がいる。昔は理由がわからなかったが、段々調べていくうちに患者さんの環境の違いでそういうことが起こるとわかった。例えば風邪で咳き込んでいる患者さんに鍼をやって効かなかったとする。その方がご自宅でどういう生活をしているかはわからない…

健康増進法

先日、テレビで池上彰さんの番組を観ていたら、「健康維持を国民の義務とする」ということを言っていて、調べてみたら健康増進法に国民の責務として、第二条 「国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。」と書かれていた。 これは知らなかった。 背景には高齢化やメタボなど医療費の増大に伴い、健康寿命を延ばそうとし…

患者から出た「やって理解出来た」という言葉

ちょっと酷い坐骨神経痛の方が毎週通っている。今まで通っていたところで良くはなったが完治しないという。当院のブログを見て興味を持ったという。初診が5月でその時にもう胃腸の問題のことを指摘している。「胃腸を治さないと治らない坐骨神経痛」と毎回来る度に伝えている。仕事柄宴会が多い方で、週に最低2-3回は入るという。多いと4-5回でいつも胃腸障害を抱えている。今回は昨晩の食べ過ぎでお腹も痛くて触れないぐら…

肩の痛みと歯の関係

Bi-Digital O-Ring Testの学会に出ていると、歯がいかに全身に影響しているかの講義はよく聞く。先日も1本の歯を抜いただけで脳の血流が良くなったり、腰が楽になったりしている映像を見た。今、五十肩で通っている方の中に中々改善しない方がいる。この講義を聞いてすぐにその人の顔が浮かび、今日実験した見たら大当たり。この方は右五十肩なのだが、歯を調べたら右の上の歯の1本が明らかに肩と関係(こ…

長引く首の違和感

常連さんが首の違和感がなかなか取れないという。もう数ヶ月になるのですこし悪い話をした。「最悪のことを言うと以前にあなたはがんをやっているので、中咽頭がんなどを疑います。中咽頭がんは少し喉のリンパが腫れるぐらいで殆ど見つかることはありません。患者さんで見つかったんですと言われれば『とても運が良いですね。』と言います。念のため内視鏡で診て頂くといいと思います。次に首のMRI、ヘルニアなど出るかも知れま…

細身の膝の違和感

細身の女優さんが膝が気になるという。特別痛いわけではないが特に膝のお皿の調子が悪いという。調べてみると膝のお皿だけ温度が低い。サーモグラフィで診ても明らかに低い。そして膝に腰、首肩肘とすべての関節が気になるという。こういう場合はまず冷えから治療しないと関節の治療は出来ない。治療中いつも寒い寒いというぐらい冷え性である。以前パナソニックのスチーム温浴を勧めたら、足のみならず他の関節もすべて楽になった…

今回の国際学会で学んだこと

9月21日(金)~23日(日)までスロベニアでECIMの国際学会があった。 これは遡ること4年前に、私の師匠の下津浦先生の所に初代スロベニアのLojze Peterle首相が訪ねてきて、「今ヨーロッパは医療崩壊しつつあるという状況ではない。もう崩壊している。例えば抗がん剤だが、高いものは1ヶ月2000万円(現在は月に5000万円するものもある。)する。それで治れば良いが、亡くなる方は多い。だから世…

夫源病について

仕事柄、40年ぐらい連れ添ったご夫婦の愚痴はよく聞く。 ご主人は、「昔は可愛かった。今は生意気。」 奥様は、「そばにいないで欲しい。定年後は家にいると思うと恐ろしい。」 とお互い言い分はあるのだろうが最近、「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」「いつまでたっても更年期が終わらない…… 奥さん、それは「夫源病」ですね。…

歯周病ケアについて

常連さんが歯医者で歯周病ケアについて指導され、3ヶ月に1度来るように言われたという。本人は6ヶ月に1度程度でいいと思っていたみたいなので、下記のような話をした。 「私自身、特別歯は悪くないのですが数ヶ月前に少し痛いところがあり診てもらったら、担当の先生が替わり、今までにないぐらい丁寧な説明を受けた。何となく疑問に思っていたことも先生の話の中にあったので、この先生にまかせようと徹底的に調べてもらった…

右肋間神経痛と鬱病

会計の仕事をやっている方が少しノルマをかけられ、身体にストレスの反応が強く出ている。ストレスは心臓が血管を締めつけるため末端の血行不良が起こる。腕や脛などが硬くなるのが特徴である。緊急時は胃腸にすら血を送らないので、手足など殆ど血が来ないといってもいい。そんな状況でパソコンを続けるとマウスの影響で右腕ばかり辛くなってくる。その影響は肩まで行ってしまう。こんな時は左肩に余裕があれば大丈夫だが、ストレ…

いのちの話

常連さんがどういうわけか突然、身体に興味を持ち始め、健康に関する本を読みあさっているという。 特に「腸」に関する物が多く、読んだ本の中身が私のしゃべっていることと同じだという。 よく聞いてみると順天堂大学の医学部教授の藤田紘一郎先生の著書を読んでいるという。 これは私自身が藤田教授の講義や著書を読みあさって影響を受けたもので、私が本の内容をしゃべっているに過ぎない。 そんな話をしながら、「ではいい…

サプリメントの摂り方(後藤ブログ)

本日、腰痛が一カ月治らないと言って来院された患者様がいました。お腹を触ってみると非常に硬く、お腹から来ている腰痛だと考え按腹をしたところ腰痛が取れました。「便秘ですか?」と聞いてみたところ、「酵素ジュースを飲んでから便秘が解消していたのに、なぜか三カ月前から効かなくなった。」とのことで、気になったので「三カ月前に他にサプリメントか何かを増やしませんでしたか?」と聞くと「そういえば、3か月前にサプリ…

仕事で胃が痛いとき

中学生から診ている子が、社会に出て不動産の仕事をしている。月末になると独特の雰囲気で皆ピリピリして胃が痛くなると言う。酷いときは2日ほど食事が喉を通らないという。4月入社で5・6・7・8月末と4回も月末を体験したのだから少しは慣れたと思うのだが、本人は相変わらず辛いという。こんな時は、「昔から『馬人参』と言って、何かご褒美を考えるといい。この月末が終わったら鰻だとか、スーツを買うとか、旅行に行くと…

健康管理と仕事

以前、ベンチャーの社長から、「新しい仕事をやっていくというのは真っ暗闇で飛行機を飛ばすようなものである。目的地に着けるという信念はあるが前が見えない。見えるのは目の前の計器だけである。速度がいくつで高度いくつ、方向はおおよそ合っているはず。飛んでいるのは事実だが目の前が見えないから、計器を見続けるしかない。経営の場合はお金の数字が計器に当たる。そんな気分で経営をやっている。」という話を聞いた。慣れ…

脳腫瘍の講義を聞いて

Bi-Digital O-Ring Testをやっているとがんの患者さんは多い。 正しい知識を得ようと色々ながんのセミナーに出て感じることがある。 それは、「時代の経過と共に加速度的に医療が変わる」という現実である。 昨日も脳腫瘍の講義を聞きながら挨拶された先生が、 「我々が医学部の学生の時には脳腫瘍は切って治れば良いが、悪性度の高いものは諦めた。しかし今は全く違う。現代からその当時を見たら極めて…

仕事で少し偉くなった人の悩み

学生時代から身体を診ている方だと、就職してから少し偉くなるとある特有な悩みを抱える。それは会社で新人の頃はただ言われたことをこなせば良かったが、10年近く経つとある程度人の上に立つようになる。係長や課長と肩書きがつき、人を束ねる仕事になる。実はこれは向き不向きが合って、学者タイプで自分の研究を進めたい方だと続けられない。以前、小学校の教頭先生(最近は副校長と言うらしい)が鬱病で入院中紹介されてきた…