症例

段々効かなくなる肩の注射

常連さんが肩が痛くて何とかならないかという。調べてみると我々が鍼灸や筋膜リリース(ファシアリリース)をやるより、医者に行って注射を打った方が早く治りそうなので、神経ブロックでもと勧めた。専門の所で4回打ったが、初めは良かったが4回目はほとんど効いていないという。この話を聞き、「実はそういうものです。だから大学病院などでは初めはえらい先生が打ち、段々下の先生が担当になる。患者にしてみるとえらい先生の…

普段治療しないところが大事

患者さんの中にはかかりプロというか、治療に慣れている方は多い。 我々の業界に数千万円のお金を落としている方もいる。 私が生まれる前からかかっている方もいる。 治療技術は解剖を学び 自分なりに考えて作ったが、どうも数ヶ所普段あまり一般の先生が治療しないところがある。 1.太腿の前面-ここは自覚症状が出ない。この筋肉が硬くなると膝痛を訴えてくる。また胃腸障害でも出やすい。腰痛や坐骨神経痛の時は見落とし…

40代男子の過食が止まらない

40代男子の方に何人も過食を注意している。なぜ過食が止まらないか考えてみた。まず学生時代はまだ成長期だからある程度過食をしても太らない。社会に出て必死に仕事を覚えようとすると、あっという間に30代になってしまう。30代は本当に勉強の必要な時期だから、男の38才説までは幅広く深く学んで少しは仕事が形になってくる。それが40代になると会社の中でも少し偉くなり、子供も大きくなり、時間とお金に多少のゆとり…

筋肉の質と潰瘍性大腸炎

昨日紹介できた方は何とも筋肉の質が良い。完全に瞬発系である。試しにそのことを伝えてみると、「あなたの筋肉は抜群の瞬発系ですね。100m走とか得意でしょう。テニスとかバトミントンはいいです。しかし全くマラソンが出来ません。典型例です。」「そうなんです。短距離がいいのに、どうしてマラソンが出来ないのかと不思議に思われていました。」「そうでしょうね。こういう方は性格的に白黒つけたがる方が多いんです。0か…

突然起こった喘息発作

当院の喘息の記事を見てきた方が、少しおかしなことを言う。「去年まで全く喘息で咳き込まなかったのに、突然、起こったのです。」普通はそんな事は起こらない。何か生活で動物(小鳥や猫)を飼ったとか、古い絨毯をもらったとか、古着を買ったとか、仏壇をもらったとかがないと発作は起こらない。医者に薬を丁寧に処方してもらったわりには治らないで来院された。詳しく話を聞くと咳き込む前に腰痛がありインドメタシンなどの外用…

微妙な過食

常連さんが少し過食をして腰が痛いと言ってきた。本人は過食が原因で腰が悪化することをよく知っているので、絶食しますとは言うが中々実行までいかない。身体を診ると今までの過食と少し違う。今までは10の器に対して15や20食べていたが、今回は13程度である。むちゃくちゃな過食ではない。そしてその状態が3週間続いた程度の反応しかない。いつも出る足の脛の胃酸過多やスタマックラインが反応していない。本人は少し絶…

過食で治らない膝痛

以前に「過食と膝痛」で記事を書いた。今日来た方はまた同じようなパターン。昨年から膝痛を訴えていたので、MRIで調べてもらったら、炎症はあるものの医者で処置をするほどでもないという。その後安静を保ったが、改善せず、最近調子が悪いという。身体を診ると脚に出る胃腸の反応点がすべて悪い。太腿の前面は胃腸の反応が出るが、今までにないぐらい硬い。脛も過去最悪。ここは胃酸過多で反応が出る。左脚のスタマックライン…

還暦を越えた女性の考え方

仕事柄、還暦を越えた女性は多い。 特に65才を超えるとご主人の仕事もなくなり、出てくる言葉は老後のことばかりである。 「主人があと15年生きたとして、その後は○○をしよう。」 「主人を送ればこの家に住む必要はないから、実家に戻ろう。」 なぜか話の前提がご主人が亡くなってからである。 同じ内容のことを言う方があまりに多いので、この年代の女性はそこが最大の関心事なのだろうと推測がつく。 すごい方になる…

減量と赤いドレス

今までも減量に取り組んできた方は多い。膝痛やがんの後遺症の方など目的は様々だが、簡単に結果は出ないという感覚を持っている。特に40-50代女性で20才の時の体重が55kgで今は70kgになってしまうと、生活の根本から指導をしないと変わらない。普通、減量は月に2kgを目指すが、5-6kgなら数ヶ月でいいが10kg越えとなると1年ぐらい時間をかけた方がうまくいく。減量目標は15kgだから、今からやって…

スキーと絶食

常連さんが北海道でスキーを楽しんできた。子供も滑れる年齢になったので、母親はつい頑張ってしまい、いつもより筋肉痛が酷い。今までなら何もしなくても筋肉痛が治っていたが、今回は治らないので来たという。筋肉の状態は過去最悪。これでは治らない。このままでは困る、すぐに治す方法はないのかと聞いてきたので、「筋弛緩剤」か「絶食」と言った。ミオナールなど筋弛緩剤は有名だが、普段ゴルフをしない方がたまにやって起こ…

40代の方向転換と心の迷い

今40代の男性で仕事の方向転換をしようと思っている方が数人来ている。どなたも常連なので身体は問題ないのだが、仕事の方向性で悩み、心が定まらない。しかしこの方達は世間一般とは違い、悩んでいるときに身体の問題がない。世の中の多くの方は心と身体を両方病み、新しいことが考えられず、そのまま60代まで行ってしまう。後で、「40代で悩んだが、ずるずるーっとここまで来てしまった。」と言う。「あの時変えていれば・…

漢方薬一覧

長年東洋医学をやっているとどうしても漢方薬の話が出てくる。 代表的な漢方薬一覧を解説します。 葛根湯 (かっこんとう)… 頭痛、肩こり、風邪の引き始め、目の疲れ-肩より上の血行を良くする 安中散(あんちゅうさん)…胃弱、胃アトニー、神経性胃炎-食べ過ぎなどの場合の消化剤 八味地黄丸(はちみじおうがん)…腰痛-下半身の血流改善、尿量に注意 黄連解毒湯 おうれんげどくとう   喀血、吐血、ノイローゼ …

「私よく噛んでいるので健康になりますよね?」

常連さんと色々な話をしていたら、「よく噛むのがいいと聞いて実行しています。私健康になりますよね。少し噛みすぎて顎は痛いですが、気になりません。」「え、顎が痛いの?それはダメですよ。」「よく噛むのが良くないのですか?」「いえいえ、顎の痛みを無視したらいけないということです。顎は顎関節と言って自律神経に影響を与え、酷くなると首のゆがみや頭痛の原因になります。噛むのがいいと言って顎の痛みを無視していたら…

この肩の痛みは耐えるべきか、医者に行くべきか

少し孫と無理をして遊んで肩を痛めた方が通っている。何もしなくても肩がうずいてしまうので、頻繁に通っている。この方は普段からあまり薬を飲まない方で、少しぐらいの辛さは我慢をしてしまう。今回の痛みも少しだけ薬を飲んだが効かず、治療を求めてきたが私ならすぐに医者に行くと話した。「肩の痛みというのは結構強い痛みです。中々十分鎮痛剤が効きません。安静時にうずくのですから、僕ならすぐに医者に行って注射をしても…

流す訓練

華道でも茶道でも何でも「道」とつけば、技術だけでなく、その心を教えることが大事だと思っている。例えば踊りで舞う技術をいくら教えても、お客さんから感動は起こらない。花を活ける技術でもなぜか、心に響かない。歌でも芝居でも何でも同じである。「道」を教える先生が何人か来ているが、「弟子に心を教えるのがとても大変。技術をいくら磨いてもものにならないし、心が大事と何年教えても身につけようとしない。教える側も嫌…

ライオンタイプを治療しながら小言が出る

ライオンタイプで見るからに社長という方が来ている。この方の身体を診る度に、私は小言を言っている。「今までは身体に自信があるから多少辛い症状が出ても無視してきただろうが、50才を超えるとそうはいかない。20才の頃と比べて体重は15kg増え、今までなら簡単に治っていた首や腰の痛みも自然に回復しない。背中を診ると外食ばかりで、甘い物取りすぎと刺激物の摂取は聞かなくてもわかる。腕や足を診ればストレスはたっ…

過食とセンサー

正月は次から次へと過食の方が来る。朝から晩まで過食過食と言っていると少し飽きてくる。ある方から、「先生はどうして過食をしないのですか?」と聞かれて、「過食をするのは簡単です。今食べている量の2倍は食べられます。しかし食べた後に何が起こるかというと、僕自身の指のセンサーが働かないのです。何処に問題があってどの角度でどれだけの刺激を与えるかは殆ど勘でやっていますが、それがわからなくなるのです。だから患…

休暇には2週間が必要

以前、ハワイに別荘を持っていた方から、「休暇は2週間ないと休んだ気がしない。フライトで疲れて着いた日はバタンキュー、翌日買い物をしてこれでもう2日、帰国するには準備で1日、冷蔵庫などを片づけて1日。結局前後4日間取られるから、2週間ぐらいないと丸々10日休めない。それぐらいないと休んだ気がしない。全部で10日間なら行かない方がいい。」という話を聞いてとても印象深く残っている。今日はある社長が海外に…

過食と膝痛

膝痛で通っている保育士さんが、年末年始に膝が悪化して冷湿布を貼ったが良くならなかったという。普段は子供相手に動き回っていて、ご飯もろくに食べられないぐらい忙しいらしいが、正月は自分の子供達とゆっくり出来て良かったという。しかし身体を診たら完全に過食である。太腿の内側や胃の反応点、すべて悪い反応が出ている。「今回の悪化は過食と安静です。動き回って膝に熱を持っているときは冷たい湿布はいいですが、今回は…

患者の欲しい説明

長年この仕事をしているとどうしても、説明を簡単に済ませてしまうところがある。今日、腕を使いすぎた方が、「肩首まで痛みが拡がり、医者に行ったら血圧まで高い。首の前の所を押すと肩甲骨まで響く。」と言う。我々からしてみると腕の使いすぎは腕自体に症状は出ないが、簡単に肩や首の痛みを起こす。痛みの状態が続けば自律神経は興奮して血圧を上げる。首の前の所というのは「腕神経」と言って腕に抜ける神経の通り道である。…