病院の待合室
病院勤務時代に午前の診察は9時からだが、早い患者さんは7時30分にはもう待合室にいた。 ある程度お年寄りのたまり場になっていて、「今日は○○さん来ていないけどどうしたのかしら、具合でも悪いのかしら。」としゃべっている。 長年通っているとどうしても病院の内部事情に詳しくなり、患者の主になる。 見慣れない患者を見つけると、「あなたはこの病院は始めてか?あなたは知らないだろうがこの病院の院長は奥さんに頭…
病院勤務時代に午前の診察は9時からだが、早い患者さんは7時30分にはもう待合室にいた。 ある程度お年寄りのたまり場になっていて、「今日は○○さん来ていないけどどうしたのかしら、具合でも悪いのかしら。」としゃべっている。 長年通っているとどうしても病院の内部事情に詳しくなり、患者の主になる。 見慣れない患者を見つけると、「あなたはこの病院は始めてか?あなたは知らないだろうがこの病院の院長は奥さんに頭…
先日、定年した男性が注意すべき事で定年後食欲が出るという話をした。これは今まで男性特有かと思っていたら女性にも同じようなことが起こっているようだ。女性も仕事から開放され時間が出来るとまず、朝起きてどんな美味しいものを食べるかを考える。仕事をしていたときはただ急いで食べる事しか考えなかった方が、○○もいいし、△△も悪くない、たまには□□も食べてみたいと頭の中が美味しい食べ物で一杯になる。食事の時間も…
昨日来た方は年配の女性は病名だけ挙げるとすごい。腎不全で人工透析、高血圧、心臓のバイパス術、脊柱管狭窄症で体重が35kg、胃腸は動かないし、階段は上れないし異常な冷え性。薬は嫌いだし、透析以外では医者に行かないという。まず35kgでは体力が全くない。透析で20kg痩せて冷え性も酷く靴下3枚履いてもダメで眠れないという。湯たんぽは使っているが寒くて寝られないという。こういう場合は温熱療法しかないが、…
ライオンタイプで見るからに社長という方が来ている。この方の身体を診る度に、私は小言を言っている。「今までは身体に自信があるから多少辛い症状が出ても無視してきただろうが、50才を超えるとそうはいかない。20才の頃と比べて体重は15kg増え、今までなら簡単に治っていた首や腰の痛みも自然に回復しない。背中を診ると外食ばかりで、甘い物取りすぎと刺激物の摂取は聞かなくてもわかる。腕や足を診ればストレスはたっ…
中年の女性が動悸でかかりつけの医者にかかった。医者から、「甲状腺も診ておこう。」と言われ、知り合いの看護師から「このままでは危ないから仕事は止めなさい。」と言われ、薬剤師から、「血糖値は?」と言われたという。心臓で行ったのに何でこんなにばらばらなことを言われるのかわからないと言ってきた。「なるほど確かに言われた内容はばらばらですが、皆意味があって言っています。まず甲状腺の機能が亢進してしまうと心臓…
患者さんが自宅で血圧を測るときに、すこし問題があるので指摘したい。ます医者にいくと肘を出して水銀柱で測るのが定番だが、腕にマンシェットをまいて加圧していき、動脈を止める。徐々に緩めて聴診器で初めの音が聞こえたときが最高血圧。音が消えたときが最低血圧。今は機械でやってしまうので楽な部分はある。冬はセーターなどを着ていて肘をちゃんと出さないで測ると、非常に不正確になる。服の上からマンシェットを巻いてい…
先日、免疫学で有名な安保徹先生が亡くなられた。 Bi-Digital O-Ring Test医学会で講演を伺ったことをきっかけに何冊か著書を読ませて頂き、東京での講演会は殆ど参加している。 初めて講演を伺ったときは、世界的な免疫学の先生なのでどんなお話しが出るか、興味津々で前のめりになりながら第一声を待っていたら、「身体は過酷な生き方を続けると壊れます。」とのお話しに少し拍子抜けしてしまった。 し…
常連さんとある方は足の内転筋(内股の筋肉)がなくなり、膝痛がひどいという話をしていたら、「その方は大変ね。」と言う。「あなたも内転筋は弱いから、あまり他人事ではないですよ。」と言ったら、ビックリしていた。「何で教えてくれないの?」「今は膝に痛みを感じないからいいでしょうが、少し危なくなったら言おうと思っていました。」「え、そんな状況なの?」「そうですよ。」「・・・・・。」我々は数多くの方を触ってい…
最近学会でもPPKと書いてあるから何の略かと聞いたら、「ピンピンコロリ」だという。 嘘みたい話しだが、プレゼンテーションに「PPK」と書いてある。 しかしよく考えるとこのピンピンコロリ、意外と難しい。 まずは死因の殆どが「がん」と「血管-脳卒中と心臓病」の疾患だから、免疫と高血圧に気をつけると予防できる。 乳酸菌と塩分制限、少々の運動でピンピンである。 次にコロリだが、これが難しい。 コロリは血管…
この時期、気候が温暖になり何となく気が緩む。 風邪を引く人が多かったり、坐骨神経痛や冷え性で悩んだりは、病気に対して無防備になっている証拠である。 寒ければ寒いほど人は気を締めるので風邪を引かないものだ。 冬の間、お腹を暖める治療をしていた方も、もういいかなぁと止めてしまうと途端に胃腸障害が起こる。 そして風邪を引き、下痢をする。 同じパターンの人が日に数人来るから、またかと思ってしまう。 昔から…
腸に関しては乳酸菌を始め、食品チェック、排便、腹圧の話など色々としてきました。 「便移植」と聞くとちょっと気持ち悪いと感じるかもしれませんが、健康な人の腸内細菌を患者に移植し、腸内細菌の勢力を塗り替えてしまおうとする治療法があります。 抗生剤などの多用で耐性菌を持った腸や潰瘍性大腸炎など中々効果的な治療方がない患者さんに有効と分かりました。 治療に際しては必要な菌だけ選別するといいのでしょうが、実…
次の病歴はある患者さんの実際の年表である。 14才 虫垂炎 25才 帝王切開 27才 帝王切開2回目 30才 急性腎炎 32才 腎盂炎 36才 卵巣嚢腫 38才 子宮筋腫 54才 虚血性静脈疾患 60才 神経鞘腫 それに肥満、高血圧に高脂血症、肝機能が高く、痔と大腸ポリープ、右坐骨神経痛がある。 まさに病気の問屋さんである。 しかしこれだけ病名があっても私からすると根本原因は、「腫瘍体質」と「血行…
治療にもレベルがあっておおよそ3段階で考えている。 第1段階は身体のゆがみを治す治療。 首肩腰はもちろんのこと、顎関節や仙腸関節などあらゆる関節を治すことで治癒に導こうとする。 これには基本的に食生活などの環境は変えない。 ゆがみだけ治して身体の回復力を上げる方法である。 第2段階は乳酸菌を使う方法。 これはがんやアトピー性皮膚炎、花粉症などの粘膜や免疫などを上げることによって、治癒に導こうとする…
きつい仕事をこなした後、頭痛で来た方がいた。 普通、頭痛というとこめかみか首の後ろが多いが、その方はおでこが痛いという。 場所から言うと少し嫌なところである。 真っ赤な顔をしていたので、「血圧は?」と聞いたら高いという。 「脳の病気をした先祖は?」と聞いたら、殆どが脳卒中で倒れて短命だという。 そして最近、眼圧も高いし太ってきたという。 我々から見ると早くポックリ逝きたいといっているようなものであ…
前回、「意外な患者の反応」ということで書いたら反響があった。 賛成の意見やあり得ないといった意見など様々だが、もう一つ患者さんから教えてもらったことを書いてみたい。 それは、「病気はいくつあっても同じ」という考え方だ。 それを教えてくれた方は確か4つぐらい病気があって、色々と指導を戴いていたが、あまり真剣に医者の話を聞いていない。 理由は、「人間は複数の病気で死ねない。死ぬ病気は一つ。だから死なな…
考えてみれば子供の頃から病院通いでもしない限り、身体のことを殆ど考えずに育つのではないだろうか。 学生時代は何をしても身体は壊れず、いくら疲れても一晩寝れば元通り、腹一杯食べても少しお腹が苦しいだけで何ともない。 私から見ると羨ましい限りだが、40才近くになると少しは身体のことが気になってくる。 お腹が出たり、医者に行くと高脂血症と言われたり、前日の酒が残ったり、いくら寝ても疲れが取れなかったりと…
ある方から本を薦められた。25万部売れているという。 健康に関する本では大ヒットである。 聞くと良くテレビに出ている先生だという。 「なぜ、「これ」は健康にいいのか?」 小林弘幸順天堂大学医学部教授 サンマーク出版 読み終わって非常に私自身が共感する部分が多かったので、目次の一部を紹介したい。 女性が男性より長生きするのはなぜだろう。 副交感神経の働きを高めることが「最高の健康法」 ジョギングより…
先日、Bi-Digital O-Ring Test中級セミナーをおこなった。テロメアをあげる食べものがテーマだった。(テロメア:染色体の両端にあり、特別な構造を持った分子で、細胞分裂のたびに短くなる。ある量以下に低下すると、細胞は分裂できなくなり死を迎える。テロメアの短縮を防ぐことが長寿と若返り、生命力の強さの指標とされている。) オーリングテストの共鳴現象を使って、体のテロメアを測り、どんな食べ…
頭痛の原因 まずは眼・歯・鼻の病気との関係。痛みの出ている場所に近いことが原因だが影響力は大きい。次に骨格のゆがみ、首でも肩でも、腰や胸骨(胸の前面の骨)のゆがみまで影響する。次はホルモン異常。これは女性の場合、子宮卵巣関係を疑う。次は自律神経失調症。これは交感神経優位など偏りが影響している場合が多い。次に腹圧。胃腸の機能障害や腹圧の上昇による心臓圧迫などで起こる。次にこれがやっかい。感染症。血管…
小鳥とライオンと粘膜 細身の女性、小鳥タイプの方が風呂上がりに皮膚が痒くなるという。鬱病、花粉症やアトピー性皮膚炎もあるので、鼻は大丈夫かと聞いたら蓄膿症でいつも鼻水 が喉に下りて、臭いや味か分からないという。医者に行って取り敢えず抑える薬を頂いてはいるが、何年もそのままだという。これは大変だと思い、まずは鼻か ら治さないと次に進まないという話をした。表面に出ている症状は風呂上がりの皮膚の痒みだが…