2004年4月4日 第5回発表資料

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花田「胸への刺激による頚の凝り改善例」
村田「上手くいかなかった腰痛治療」
田中「変化する腰痛と腹部運動鍼の考え方」


 

胸への刺激による頚の凝り改善例                      花田

患者 20代女性 体格は中肉中背(若干スマート) 職業 立ち仕事系

主訴 「とにかく頚が凝る(稀に頭痛併発)。腰も少し痛いかも」

現在の仕事をするようになってから目立ってきた感じ。特に最近は酷い。

既往歴 軽い足先の冷え

運動  犬の散歩(30分/1日)程度

治療回数 1回(90分)

恒常的な態勢・姿勢に偏った力仕事が加わった業務動作から発生する頚肩の凝り。

消去法的展開  ※施術方法は指圧的手技

a.中腰姿勢では背部~下肢にかけて広範囲に負担が掛かる。

臀部から大腿後面の張り。脛も固い。 ※顕著な左右差は感じず。

→下肢への重点施術。下肢や腰は軽くなるが背部・頚の症状は変化なし。

b.俯き姿勢などによる肩甲背部の過緊張が現われているのではと目論んだが、肩周囲はそれほど固くない印象。胸鎖乳突筋や斜角筋の緊張あり。 ※顕著な左右差は感じず

肩甲骨周囲、頸部への施術では心地よさは感じるものの、症状変化は薄い。

腕神経叢も今ひとつ。これは技術的な問題か。

c.小荷物の持ち運びによる腕と胸への過負担。

腕(特に前腕)と胸部の張りが顕著。訊いてみると、本来は業務での力仕事は少ないのだが、荷物に関しては疲れるとの事(それなりに重い。時間帯によって扱う量・回数が集中する)。

腕への刺激で手応えあり。それ以上に胸部の反応大。

胸(女性という事もあり辺縁部のみへの施術)への施術中に「首の付け根に響く感じ」が発生

C6,7~T1辺り)。凝り感が大きく改善された。

【考察】

①胸筋緊張→鎖骨・胸骨を経由→頚の筋緊張

②腕の緊張からダイレクトに頚へ影響

③単純に胸筋緊張が神経血管走行を阻害したことによる頸部緊張

④腰部方面からの影響

今回はこれらの組み合わせによる凝りではないか。

気になるのが「首の付け根に響く感じ」。胸筋神経?

また、胸の緊張緩和で肋骨の動き増す→頚の動き改善→凝りの解消 という考え方はどうだろうか。

それほど重症例とは言えないので、もっと簡単な改善手段があるかもしれない。

頚への直接刺激による反応が薄い点については技術的な穴も否定できない。

現時点で一度のみの施術であり、その後の経過が気になるところ。

 


 

上手く行かなかった腰痛治療       2004-4/4  村田

―報告と問題点―

主訴:①左下腿外側の痛み

②同部位の「ヒヤッ」とする違和感

歩いたり、台所仕事などで立っていると辛くなり、「さする」もしくは「休む」と良いよう。

  • MRI検査での椎間板ヘルニアの診断が出ているとのこと

所見:体幹の姿勢変化による症状の変化なし

腰部の炎症性反応なし

MMT左母趾背屈力↓

L4・L5の知覚左側でやや↓

鼠径部・膝窩・足背での動脈の拍動に左右差なし

SLR陰性・SI Comp.陰性

→なにこれ・・・?

治療:椎間板を対象に

ブロック+中殿筋1対

脊柱起立筋1対    EAT 7hz10分

治療回数は計4回 基本的な治療は上記のもの +α

腰部の他覚的な状態(腰部の筋緊張・下肢長の差・筋力・知覚)に変化はみられるが、

肝心の主訴に変化がみられず

「局所的な著しい緊張が解消できない」という状態は存在しうるのだろうか・・・?

問題点:「全く変わらず」は考え方が完全に擦れ違っているという事

事実関係を確認するための会話が難しい


 

変化する腰痛と腹部運動鍼の考え方     東洋鍼灸院 田中俊男
状 態: 腰の症状が次から次へと変化して、それに対応するために適切な治療をどう選択して治癒に導くか。
症状が変化する症例を体験したので報告する。
腰部運動鍼のみではなく、腹部にも応用して効果を上げたので考え方も合わせて報告する。

患 者: ♂ 65才
会社経営

変化する腰痛と腹部運動鍼の考え方
東洋鍼灸院 田中俊男
状 態: 腰の症状が次から次へと変化して、それに対応するために適切な治療をどう選択して治癒に導くか。
症状が変化する症例を体験したので報告する。
腰部運動鍼のみではなく、腹部にも応用して効果を上げたので考え方も合わせて報告する。

患 者: ♂ 65才
会社経営

主 訴: ゴルフで陽気が良かったために1.5ラウンドした後、右腰部に痛みを感じる。

既往歴: 以前、膵炎で5年間入院
糖尿病(血糖値:150),少し高血圧

経過:

状態 治療法
右腰痛(L4-5),立っていて1時間で痛みが出る,便秘・下痢(-),下肢のしびれ(-),右中殿筋に痛み 右足の三里に鍼,矯正
痛み→ L4-5と中殿筋の反応点に鍼,右臍横に反応点あり,ベルト固定で前屈のみ楽,仙腸関節と右肩、腹部、右足の三里の複合型?
痛み↓ 右腹部と中殿筋にキネシオ
新たな痛みを感じる,患部は狭くなったが痛みを強く感じる 腹部の問題?
膵炎の治療を検討,腹部キネシオと腰に鍼
o-ringで膵臓のイメーシーング 膵臓の周りに鍼(2寸5番)-深いところに硬結
腹部の鍼で軽い下痢 膵臓に鍼(寸3・2番),足の三里とふくらはぎ
腰部運動鍼,治療後腰痛↓
腹部運動鍼をひらめく,治療後腰痛↓
もう一息の感じ 脚の内転筋と矯正,腹部運動鍼とキネシオ
歩行30分で腰痛↓ 腹圧↓,右腰に鍼
歩行のため足の三里に反応あり
1時間以上の歩行可能 前日、腰痛↑↑後に↓↓
座っていて2時間で腰痛↑
残りわずかな感じ ネットワーク調べる-膵臓と前立腺-八味地黄丸勧める
腹部の鍼
①膵臓の周り②膵臓の臓器代表点③右小腸反応点④前立腺
ダメなら膵臓か小腸にお灸
残り3% 階段↑↓辛くない,右腰に鍼-治療後↓

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考 察: 腰痛の関連が変わる症例でおもしろいと思う。
普通は腰部に運動鍼をするが始めて腹部にも応用して功を奏した。
やはり治癒が遅れたのは膵炎の影響が大きいと思う。
すべてこちらの手の内を出し切って治癒までいった感じがする。
変化する腰痛に対して適切な対応が必要ないい症例だと思う。

2004年4月4日 | カテゴリー :