2004年5月16日 第6回発表資料

花田「パソコン等の操作による腕の疲労対策としてのキネシオテーピング」
村田「母指の弾撥指と小・大円筋」
田中「顔面神経麻痺の切り口の違う治療法」


 

パソコン等の操作による腕の疲労対策としてのキネシオテーピング        花田

東洋の技術において、パソコン作業による頚肩凝りへのアプローチでは腕への施術の重視がある。

実際に腕の緊張を解消すると疲れも軽減される場合が多い。

逆を辿れば腕の疲労の予防で頚肩凝りの予防もできるとも言える。image001ii

ヘビーユーザーの腕疲労の予防手段は作業姿勢の留意や休憩などはもちろんだが、キネシオテーピングが非常に有効ではなかろうか。

作業姿勢では直接的に頭・頸・肩背部から背中にかけての負担もあるので、

その対策も必要だが、今回は予防という題目なので個人で貼る事ができる前腕に限る。

部位選択

筋毎に貼り方が異なるが、多く貼っても効果の確認が難しいので、なるべく機 能と効果が被るように留意して貼り方を選択。屈筋のみ、伸筋のみ、回内のみと前腕の各運動へ個別にキネシオテーピングを行なってみた。マウスやキーボード の操作で先に運動するのは表層に近い筋だが、それよりも指の構えを維持する深部の筋に対してのアプローチが重要と考えた。

深指屈筋テープ 指伸筋テープ 回内筋テープ

貼ってみて――考察

伸筋テープのみの場合、指の伸展運動は軽くなるが、屈曲運動(キー打ち込み)の負担が目立つようになる。屈筋テープのみの場合はその逆となるので、屈筋・伸筋の両方に貼るのがベターではないか。実際そうした方が違和感も少なく作業できた。

数時間貼りながらPC作業を行なってみたが、腕に限れば明らかに疲労は少ない。回内筋テープは、キーボードに手を乗せる動作が楽になるが、上記二種類よりは変化の幅は小さく感じる。

腕の筋肉の負担・緊張による頚肩への影響は、神経によるものと動きの抑制による筋緊張の伝播がある。特にパソコンのように動きの少ない状態が長時間続く作業下において、筋の伸展・屈曲をバランス良く正常な状態に保ち続けるには、やはりキネシオテーピングは有効と確認。

問題点

長時間貼り続ける事による皮膚への負担。かぶれやすいと扱えない。

夏場などテープが目立つ事による外見上の問題。

正しく貼ることができないと効果が薄い。自己対策として一般人がどこまでできるか。

回内筋だけを対象としたキネシオテーピングでも有効との声もあるので、さらなるテストの必要性も感じる。

 


 

母指の弾撥指と小・大円筋

主訴:左母指の弾撥指

→痛みは無いが、ふとした拍子にカップなどを落としそうになってしまう事が多く困っている。整形外科にかかったが、「治療方法がない、気になるようなら手術」と言われ、どうしよう?

所見:頚部からの直接的な神経症状などは無し。

長母指伸筋腱が、母指種子骨のあたりで弾撥症状が出ている様子。

腱上に硬いグリグリを触れる。

体の様子:がっちりとした体型(学生時代ラグビーをしている)。

筋肉は発達しているが、表面から全体的に緊張が入っていて硬い。

右利きだが、症状のある左側は右手と同じ程度の緊張具合。

治療:左上肢から全身へ。

お話を聞きながら1時間ちょっとで全身的に指圧。

大して変化なし

もう一度左を上にして横寝で肩周りにTRY。

大・小円筋を主に棘下筋にも違和感を感じる。

弾撥指やや減少

約三時間後、弾撥症状が消失!

まとめ:症状は治療の後、3時間くらいでほぼゼロに、ただし翌日、翌々日と以前よりは自覚症状が全然少ないものの、無くなりはしていない。

一週間後に再度診せて頂いたが、半分以下の状態との事。


 顔面神経麻痺の切り口の違う治療法        東洋鍼灸院 田中俊男
状 態: ウィルスによる顔面神経麻痺が起こり、ペインクリニックで治療をしたが、あまり効果がないので少し顔面の
マッサージでもしたらと言われ、たまたま当院に来た。

患 者: ♀ 60才

主 訴: 右顔面神経麻痺(ラムゼイ・ハント症候群)

既往歴: 左肺浸潤・子宮筋腫・胆石

経過: 2月16日 顔が変形して、病院へ

image004ds

2月17日 右耳鼓膜に高い音が響く
帯状疱疹が出始める
ステロイド点滴とゾビラックスを4時間おきに投与-8日間連続
2月26日 退院時:2~3割治った感じ
2月27日 背中の痛み↑↑,EKG:n-p-ニトロもらった

星状神経節ブロック注射開始-現在25回
顔面筋電図-右が1/4しか動いていない
MRI:n-p

初診時: 左の背中のこり
胃が-6
右耳にHSV-ⅠとTBCの感染
右前腕のこり-患部とネットワーク無し

投薬: メチコバール
ユベラ
セルベックス
ハルシオン

治療方針: ビタミンE(ユベラ)の中止
果物の柑橘系中止
電気毛布中止
寝室の電磁波すべて排除(ベットの右に置いていたという)

治療: 胃 「娘を亡くしている」とのこと
温灸
左の背中の治療
楽になってからfish oil予定 image006dsc
頭皮のマッサージ
右肩こりの治療
首の矯正
fish oilを患部に届かせるために右手の臓器代表領域の刺激
水銀の反応に中国パセリ・吉野屑
血行不良に足の三里に皮内鍼

現在: 徐々に胃が回復
耳がかゆくなりかさぶたが取れてきた(右図)
アセチルコリンも↑

考 察: まったく違う考え方で治療をしてみた。
The Bi-Digital O-Ring Testでご指導いただいたことが功を奏し、鍼灸師で難しいとされている
ウィルス性の顔面神経麻痺の治療が順調に推移している。
薬だけで考えることには少し限界が見えてきたと思う。
どんな環境でどんな生活をしているのか、とても大事である。
今回も寝室の環境、治療薬以外のビタミン剤でのキャンセル、胃の機能低下による免疫力低下、
薬が患部に届かない事による治療効果の限界、細菌感染や重金属沈着による血行不良、アセチルコリンの低下
どれひとつとっても見落とせない大切な治癒のための条件である。
これからは場も含めた環境論がとても大事だということをし指している一例だと思う。

考 察: 腰痛の関連が変わる症例でおもしろいと思う。
普通は腰部に運動鍼をするが始めて腹部にも応用して功を奏した。
やはり治癒が遅れたのは膵炎の影響が大きいと思う。
すべてこちらの手の内を出し切って治癒までいった感じがする。
変化する腰痛に対して適切な対応が必要ないい症例だと思う。