2004年2月22日 第4回発表資料

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2004年 2月 22日 第4回発表資料
花田「五十肩の骨盤治療-肩の障害④」
村田「仙腸関節由来の腰痛の実感」
田中「腰痛のもう一つの原因」


 

五十肩の骨盤治療について  (肩関節障害シリーズ④)  花田

肩の動きを改善する目的で身体全体の動きから関連する箇所を絞っていくと、中でも臀部一帯と肩の関係は密接である、という考えについて納得できるようになってきた。

考えてみれば至極当然なのだが、人の歩行動作では必ず腕と脚は対になって動く。二足歩行であるのに、そうしなければ非常にぎこちない動きとなり上手に歩けない。

「腕の動きの源=肩関節(肩甲骨)」の異変は「脚の動きの源=骨盤(股関節)」の異変と表裏一体と考える事ができる。※左膝下から義足の患者は術後より五十肩症状が発生した例もある。

【大別してみた】

①肩関節から股関節へのルート

A肩関節自体の器質障害

損傷・炎症など

B肩関節に悪影響を与える更に親の原因

頸部・背部・腹部・腰部・胸郭からのルートによる肩関節の機能障害

②骨盤から肩関節へのルート

A骨盤域自体の器質障害

殿筋群・大腿筋膜腸筋など⇔仙腸関節・股関節

B骨盤域に悪影響を与える更に親の原因

内臓疾患・下肢の疾患,障害

その内、腰と腹からのルートに関してまで考えると、もはや収拾がつかなくなってくる面もあるが、

肩と骨盤の両者に影響を与えているので、中継地点と考えてみる。

腸腰筋・腹斜筋・腹直筋・起立筋・広背筋

 

【骨盤域から肩関節へのルートについて考察】

歩行動作は骨盤(特に仙腸関節)に捻りの力が加わる。

個人差はあるだろうが、姿勢や動作の偏重が許容範囲を超えた時に炎症や歪みが生じる。付着筋は過緊張となり股関節の動きに固さが現れる。すると左右の歩行動作に偏りが発生するので肩の動きにも影響が出る。

加齢による筋の弱体化にそれが加わり、限界に達すると肩の炎症→五十肩となると推測。

五十肩に対する仙腸関節治療とは、このような観点から考えることができる。

 

五十肩の治療には骨盤にも注目してみたい。

仮に仙腸関節の歪みが原因だとすると、治療にはその修正が必要となる場合があるだろう。

 

【課題】

検査法は?治療法は?・・・現在取り掛かり始めたところ。

漠然と「仙腸関節調整」「キネシオテーピング」「殿筋群への何らかの刺激」辺りだろうか。

日常での歩行(歩き方・時間)や姿勢に対する着目も同時に必要と思われる。

むしろそれだけでも改善するかも・・・等々、疑問は湧くばかり。

 


 

仙腸関節由来の腰痛の実感

・どこかわからない痛み(全体的、ココといったPointがない)

・一瞬の痛みと、腰が崩れそうな恐怖感

・腰部への固定は全く効かず・・・腰椎周辺の寒冷刺激でも良くならない

・(おそらく)患側の殿部のつっぱりと胸腰移行部のゴワゴワ感

・座っていると痛い 股関節は開いた方が楽で、膝を閉じようとすると痛む

・食後に症状が増悪することはないが、はじめの3日目までは便が軟らかく下痢気味(腹痛はナシ)

マッケンジーは効果なし

・「腰を入れる」姿勢はとれない(腰はひけ、真っ直ぐ立てず)

座ることがツライので、自分の下腿もいじりづらいが、後脛骨筋・ヒラメ筋への指圧刺激ではあまり症状は変わらず、前脛骨筋・排腹筋を含めて温灸を試すが大した変化なし

「お尻から足にかけてシッカリほぐしていったら楽になるかも」と思ったが、自分では当然出来ず・・・

なので、「ホットシート」で、大腿後面をシッカリ温めた。

 @ 2週間後と4週間後  

 


 

腰痛のもう一つの原因         東洋鍼灸院 田中俊男
状 態: 以前、椎間板ヘルニアのOPEをしてその後用心していたが、今回、ぎっくり腰を起こしたということで、
マッサージを受けたががえっておかしくなってしまい、インターネットで当院を知り来院。
この方はまさに医療の隙間にはまってしまった例なので報告する。

患 者: ♂ 52才
保険営業

主 訴: ぎっくり腰をやってしまい、腰をマッサージしてもらったが悪化,前屈がつらい

既往歴: 41才で椎間板ヘルニアのOPE,その後完治

糖尿病(血糖値:200,HbA1c:8.8),狭心症の疑,高脂血症(コレステロール:260)

初 診: 症状を聞くと、「間歇性跛行」の事を言っている。

間歇性跛行とはimage002fff
歩行中に足(多くの人ではふくらはぎ)の痛みを感じて歩けなくなり、少し休むと痛みがなくなり、また歩行可能となりますが、しばらく歩くとまた同じように痛みが出てきて歩けなくなり休まないといけない状態を言います。

経 過: 間歇性跛行は「閉塞性動脈硬化症」の疑いがあるので聞いてみると

「糖尿病の先生は血糖値の事しか言わないし、腰痛で整形の先生は大丈夫」という。
ヘルニアと違う腰痛だからぎっくり腰と思っていた。
普段は腰痛から始まるのに、今回は歩くと痛いし、休むと治る。
何か変だとは思っていたが、違う病気ということが解らず医者にも言わなかった。
説明を聞いて納得した。

治 療: 両下肢が過敏になっていたので、マッサージとキネシオで治療。
治療後、腰痛↓↓
ふくらはぎの痛みからくる腰痛と判明。

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考 察: 以前にヘルニアのOPEをしている方は、どうしても腰痛はそれと関係づけたくなる。
ところがこの方の場合は血管の問題が少し深刻であるのに、本人には関連づけられない。
これは無理からぬ事と思う。
内分泌の先生は腰痛の事を言わないし、歩いた後休むと治るので気にもしなかった。
しかし話を聞くと心臓、高脂血症、糖尿病と血管の問題があるという条件は揃っている。
この条件だけで、閉塞性動脈硬化症を疑うのは大変だが、本人にしてみると
「どの先生にいえばいいのかわからない。」もっともである。
数からいえばこういう隙間に入った方は少ないとは思うが、専門も大切だが、
全体を見る事の重要性を改めて感じた。

 

2004年2月22日 | カテゴリー :