2004年8月8日 第8回発表資料

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花田「灸の沈痒効果について」
村田「椎間板の治療で足の温度が揃った一例」
田中「パソコン病の考察」


 

灸の沈痒効果について 2      花田

前回の続きです。

あれから何度か試みたところ、やはり刺された箇所への直接灸が最も痒み及び腫脹拡大を抑える事ができました。 刺激量は糸状灸で2、3壮もあれば十分。ただし刺された直後(腫脹が広がらない状態)の施灸でないと効果は低いです。痒みが第二段階(遅延反応)にまで進 んでしまうと、患部への直接灸による熱刺激量では炎症悪化の可能性が高い。

痒みの段階には急性反応と遅延反応があり、直接灸による沈痒効果は急性反応期が適しています。

灸が効く理由を考える

伝達物質(ヒスタミン等)が受容体(表皮・真皮境界のC線維の神経終末)に作用して生じた刺激が脊髄に伝達され大脳皮質に達し認識されたものが痒みです。

早い段階での施灸によってヒスタミン等放出が少ないうちに、刺された直後の痒みや腫脹拡大を抑えると考えます。その作用は艾中に含まれるシネオール(1,8-Cineole)によるものではなかろうか。

燃焼する時に発生するガス中のシネオールが浸透して効果が得られると考えます。

艾の原料である蓬(ヨモギ)の裏面の柔毛(毛茸と腺毛の2種)の内、特に腺毛には揮発性の油(シネオール)が含まれます。抗菌・抗炎症・鎮痛・沈痒などの作用。駆虫や去痰作用もあるとされています。

ちなみにシネオールはアロマテラピーで使用されるオイルにも含まれているものがあります(ユーカリ精油,ローズマリー精油など)。

参考情報 『ヨモギローションが痒みに効果』

http://www.jp-info.com/fukuyakuqa/qa01/qa01_29.htm

http://www.drugsinfo.jp/contents/qanda/ya/qayo1.html

http://www.customs.go.jp/tariff/kaisetu/data/30r.pdf

艾の原料である蓬には、かなり広範囲な作用があるようです。

 


 

椎間板の治療で足の温度が揃った一例                    ムラタ

主訴:腰部の痛み(違和感)

前々回までの治療では、通常のマッサージで腰部の痛み(違和感とも)が完全に消えていたが、前回の治療後やや違和感が残ったため、椎間板を目的とした鍼治療を提案した。

所見:体幹後屈時に腰部に痛みあり

右母趾背屈力↓

右L4・5レベルで知覚過敏

治療:ブロック

鍼(通電)


 

 

パソコン病の考察            東洋鍼灸院 田中俊男

問題提起: 最近、臨床でパソコン病と思われる人が急増している。インターネットの発達で24時間体制で仕事をしている会社
もあり、今後このままでいくと人体に対して悪い影響が懸念されるのでここに考察する。

症状: パソコン病と思われる方の症状は4つである。
1.眼の疲れ
2.首のこり(C2-3のこり)
3.肩こり(肩甲骨上角のこり)
4.腕のこり(前腕屈筋群-正中神経の領域のこり)

説明: 1.眼の疲れ image0021

長いコンピュータ仕事では目が最初にやられる。
その影響で偏頭痛も起こす。
ひどいケースでは結膜炎を起こし、目が真っ赤になる。
急激な視力低下、記憶力低下、電磁波などの問題もある。

2.首のこり image0042

肩甲挙筋の起始停止である、C2-3の横突起によく反応がでる。
C2-3のこり 左右差があったり、胸鎖乳突筋が緊張していると治りにくい。
天柱・風池よりもよく反応が出る。
肩甲挙筋は僧帽筋の下なので分かりにくいが
起始・停止で判定する。

3.肩こり
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肩甲上神経の経路や上切痕など治療ポイントは多い。
肩甲骨上角 前鋸筋、肩甲下筋などの肩甲骨の動きに関して影響の大きい
筋肉なども肩甲骨のリフトで治療しておくことがポイント。
特に、大円・小円筋の反応に注目。
腋窩神経支配も見ておく。

4.腕のこり

image0084浅指屈筋と深指屈筋に挟まれている正中神経の治療は
正中神経 橈尺骨を意識して治療しないとうまくいかない。
深指屈筋を治療できて初めて、正中神経に刺激が伝わる。
合谷や骨間にも注意を払う。

考察: 今後増えると思われるパソコン病だが、現段階で有効な治療は上記の4点を治療することである。
この4点はどれ一つはずせないものであり、networkをもっている。
基本的には目が疲れ、クリックなどで前腕屈筋が酷使され、肩甲骨の動きが悪くなり、肩甲挙筋が働かなくなり、
C2-3の横突起のところで首がゆがむ。眼との関連もあるのでここで眼の疲れとあわさり、悪循環が始まる。
ではどこからこの悪循環を切ったらいいのか。
前腕の屈筋だと思う。
肩甲骨だけ治療してもすぐ症状が戻ってしまうのに対して、屈筋の場合は治療効果が長いように思う。
もちろん首のゆがみに対してはadjustは必要であるが、networkの全体像がわかり、治療するといい結果が出せる。
一つ不安なのはこういう治療をしないで青少年達が精神的に異常をきたす可能性を否定できないことだ。
ひどい患者になるとノイローゼ状態で自殺を訴えてくるからこのパソコン病の先行きに関しては注視している。

2004年8月8日 | カテゴリー :