2004年9月19日 第9回発表資料

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村田「前腕のコリを落とすための一考察」
花田「育児と肩こり」
田中「肩こりの部位別考察」


 

前腕のコリを落とすための一考察       ムラタ

・ 通常治療院で用いている手技

→前腕回内位で、浅指屈筋の下、正中神経をねらった指圧。

この場合、『正中神経』が最大の目的でかなり注意深く慎重に探って圧を加えることになる。が、前腕全体の緊張が非常に強い場合、特に伸筋側にまで緊張が入っている場合には前腕の緊張を落とすのがなかなかに困難。

そこで、

・ 『ゆらす』という発想

何を目的に?どこを?どんな風に?

→ 1.

→ 2.

→ 3.

・ 狙いがばらけるのでは・・・?

『1』の場合:

『2』の場合:

『3』の場合:

結果:非常に良し!

この後に通常の手技を施しても良いと思う。

むしろ、その方が効果が高いのではないかと思われる。

課題:どうしても残る『       』・・・。


育児と肩こり          花田

今回は育児中のお母さんの身体について、肩こりに注目してみます。お母さんの肩こりはなかなか変わらない、むしろ悪化してしまうケースが多いような感じ。そのような症状に遭遇する機会が最近重なっているので、今回は育児期間の肩こりを考えてみました。

【症状】

訴えとして多いのは「首・肩のこり感」ですが、実際に身体を拝見すると、

『肩上部、肩甲間部、背部、前胸部、頸部、頭、腕』と上肢帯と体幹の広範囲に渡る緊張があります。

臀部や前脛部まで圧痛反応が出る方もいます。前胸部と腕についてはPC疲れ症状に匹敵する。

これ自体は普通の肩こりと大差ないので、育児中の場合の特徴を挙げてみると・・・

その1・・・持ち上げ・抱きかかえ等の動作・時間が非常に多い

→直接的な筋の疲労蓄積によるこり

その2・・・絶えず目を配らなければならない等の緊張感持続や夜泣きなどによる睡眠不足

→心因性疲労(ストレス)による交感神経優位状態の持続による筋の過緊張

この両面に対するアプローチが育児期間の肩こりのポイントではないかと。

【治療】

ほとんどの場合、首や肩のみの施術では歯が立たない。

1. 筋の疲労について

育児動作では上腕二頭筋・三角筋・大胸筋などや前腕屈筋群、肩甲挙筋など。脊柱起立筋にも負担がかかる。技術的には東洋鍼灸院で通常行なっているもので。KINESIOも有効でしょう。

2. ストレスについて

ストレス・興奮による過緊張の沈静・緩和を目的に筋緊張緩和処置法。頭・下腿・前腕。

これは絶対はずせない。むしろこちらの対策を重視した方が成績は良い印象。優しく柔らかく眠らせるように。

直接的技術と間接的緊張緩和法のバランスに注意。やみくもに強く、逆にフニャフニャやればよいというわけではない。

仕事などによる肩こりの場合、仕事が終わって家でリラックスできる時間がありますが、育児の場合はそうはいか ない。ある方の場合、出張治療で1時間ほどの滞在だけでも、なんやかんやと頻繁に赤ちゃんが泣くので施術を中断しなければならない状態でした。治療中です らリラックスできないのです。育児を手伝ってくれる身内の人がいない場合、これは相当な負担が蓄積されるであろう。付け加えると施術に際しては技術だけで はなく、辛さや苦労などを聴く姿勢が準備できていないと難しいかも。

個々の許容量(器)にもよるかもしれないが、育児環境が症状に大きな影響を及ぼしているように思えます。

育児協力者の存在による症状の差。単純に赤ちゃんにかかりきりになる時間と体への負担は比例すると言えるが、時間的な負担軽減だけでなく、安心感や緊張・精神疲労の軽減が見逃せない。よって夫や母親の実母などの育児協力状況も確認したい。

【まとめ】

極論すれば精神緊張状態からの解放だけでも肩こりは改善します。単純な物理療法に見える治療も、間接的に精神 に作用する。その観点無しの物理刺激のみの追及では効果が期待できない(場合が多いのでは)。東洋鍼灸院では腕の治療を重視しているが、これは直接の筋へ の効果と自律神経系を介した効果の両面があるからだろう。


肩こりの部位別考察     東洋鍼灸院 田中俊男
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問題提起: 肩こりを細かく見ると部位によって全く違うこと事が
原因で反応していることに気がつく。
各部位がどの様な意味を持つのか考えてみたい。

症状: 1.首の硬さ
2.首のゆがみ
3.腕のこり
4.心臓の反応

説明: 1.首の硬さ

僧帽筋や頭半棘筋、頭板状筋、頸板状筋など
首が前屈時に支える筋群の反応は脊柱の際にでる。
この筋群に長期間負担をかけると深いところまでこりが
出るので治療する場合、正確な深さなどの注意を要する。

2.首のゆがみ
肩甲挙筋の起始停止である。
正確に上角に出る。
肩甲背神経の走行にも注意。

3.腕のこり

腕の疲れは自覚症状が出にくく、放置しておくと
良くこのポイントに出る。
Th2-3の交感神経節の関係なのか、大菱形筋の反応か
肩甲骨の内スライドの影響か、正確なことはわからないが
見逃してはならないポイントである。

4.心臓の反応

自律神経の働きで反応が出るのであろう。 image0104
ストレスや緊張型の人によく出る。
触れないほど過敏になっている場合もある。
しかし心電図などで異常が出るケースはほとんど無く、
ストレスのバロメーターとしてみている。
勿論内臓逆位の方は右側に出る。

考察: 臨床ではほとんど複合型である。
腕も首もストレスもという具合に1カ所ということは少ない。
しかし治療の段になってくるとわけて考えないと原因が別なため、簡単に結果が出せいない。
4点の歴史と背景、時間的経過と程度すべてみた上で治療方針を決め、一つずつ考える。
臨床では「心臓の反応」や「腕のこり」を優先させるケースが多い。
腕が緩めば肩甲骨が自由に動くようになり、肩甲挙筋の治療は難しくない。
そうすれば脊柱起立筋の治療も自然に出来てくる。
ただし、「心臓の反応」の場合は、大胸筋や胸骨のゆがみも大事なポイントであり、見逃せない。

 

2004年9月19日 | カテゴリー :