村田「前脛骨筋に対する十字方向の通電刺激」
花田「督脈で」
田中「物忘れを治療する」
前脛骨筋に対する十字方向の通電刺激 ムラタ
前脛骨筋の緊張の緩解は治療目標を達成するために非常に重要なケースが多いと思うが、
下腿部の筋肉は構成する筋肉が非常に少ないために(と思う)難しいケースがほとんどではないかと思う。
そんな中で、鍼の通電刺激で大変きれいに緊張の緩解が得られたケースがあった。
治療の流れ
主訴:腓腹筋下1/3以下のこり感が非常に強い自覚
#1: 下腿後面に対しての指圧治療 → 手応えが得られず・・・
#2:前脛骨筋を最も意識しての指圧(左右約10min.ずつ) → 全くと言っていいほど変化なし
#3:下腿前面の筋緊張に対して鍼通電刺激 3Hz 10min.
鍼通電前の緊張状態 通 電 通電後の緊張状態


両側ともに非常に強い硬結 足三里―巨虚 左側が明らかに軽くなった自覚あり
緊張は左>右(やや) 条口―豊隆 むしろ右側の緊張が気になりだした
自覚症状が左に強い
前脛骨筋への鍼通電刺激は自分自身へも含めてかなり多く試みているが、こんなにキレイにとれた事がなかったように思う。
筋肉の走行方向を意識して、“起始-停止”方向で通電する事がほとんどであったし、刺激を増やしたい時は対数を増やすか、もしくは通電刺激の途中に置鍼をする事で補ってきた。
今回たまたま、右足は一対、左足は二対とった事で違いがハッキリと分かったと思う。
* 主訴のふくらはぎのこり感がどう変わったか*
鍼通電前は、患者様の自覚症状に沿って下腿後面した1/3を“中心線”“外側線”と探ったが、こちらの手に伝わってくる『手応え』が無く、お訊きしたところ、『何かイマイチ、ビミョ~なカンジ』という反応だったが、通電後はハッキリと硬結が浮き出てきており、きわめて弱い刺激で相応の圧痛と刺激感を得る事が出来、短い時間で緊張の緩解も見られた。
* 考察*
筋緊張の入り方は数限りないパターンがあって、治療方法は臨機応変と思うが、これだけ『脛』の様な体重を支える筋肉の緊張がとれた事は今まで稀だったので、1つの考え方になると思う。
もう少し、ケーススタディを積み重ねたい。
督脈で はなだ
主訴箇所というのは多くの場合、触診してみると異状がある。硬軟・凹凸等。
例えば軽く固い状態の場合は、その箇所をほぐすような治療のみで解決する事が多い。
問題はそれで解決しない場合で、それが多いから工夫する必要がでてくる。
異状箇所に絡んでいると思われる筋の起始停止や神経走行や血管や動作連動を考え実行。
駄目な場合は、まず理詰めの甘さと未熟な技術を考えるが、他方面からも症状を考えてみる。
最近は腹部からのアプローチに絞った治療の勉強に傾倒しつつあるが、他にも経絡的流注も観察している。
そのような状況で、身体の反応がわかりやすいと感じるのが督脈だった。
督脈は、
「会陰部に起こり脊柱に沿って上り、後頭部の風府穴に至り脳に入る。
さらに頭部正中を通り百会穴に上り額を循り鼻柱に至り上歯銀に終わる」 とある。
これだけでも督脈が頭や鼻の症状に絡むであろうというのが思い浮かべることができよう。
督脈に沿っていくと、背部椎間だと圧痛、頭部は凹凸・浮腫みのような反応が見受けられることが多い。
そしてほとんどの場合、探るまでは凝りや痛みといった自覚症状がない。
身柱穴への施灸は「ちりげ」として疳の虫や小児疾患が有名。
百会穴は三陽五会(督脈・任脈・膀胱経・三焦経・肝経・胆経)な場所で、精神鎮静や痔,血圧。
また督脈上は身柱穴・大椎穴・上星穴と風邪症状や花粉症など鼻疾患の反応が現れやすい。
鼻が通ると頭がスッキリとした感覚がする。督脈は精神状態とも密接な関係にあるだろう。
現代風に表現すると自律神経の調整に強い関連がある。
◆アプローチ
基本的に指頭の軽圧でも充分反応が得られる場合が多く、強刺激は不要なのでは?
どちらかというと強さよりも深さと時間の差に重点を置きたいと思っています。
施灸は反応見ながら強弱回数調節。これも少なめで良さそう。過去の失敗として身柱ばかりに十数壮施灸したら鼻詰りが悪化。
「副交感神経緊張は鼻の血管の拡張と鼻汁分泌増加を促し、
交感神経の緊張は血管の収縮と鼻汁分泌の抑制を促す」ことも考慮したい。
◆実際問題
上記だけで済ませられるケースは少ない。全体施術の中に織り交ぜているので督脈治療だけで行なうことは難しい場面が多い。(他に腹部治療も並行するケースが多い)
ただし督脈刺激の有無で注意してみると、確かに行なった方が成績は良い。
特に風邪っぽいかなという段階での症状(肩こり・喉・鼻)。頭を使いすぎな人。
物忘れを治療する 東洋鍼灸院 田中俊男
初めに: 最近は物忘れがひどくて困るといった声をよく聞く。今勉強中のBi-Digital O-Ring Testを使って
治療の考え方と治療法を検討してみたい。
考え方: 1.頭の状態を知る-重金属・血流・感染
2.寝室の環境-電磁波
3.仕事場の環境-パソコン病
4.調理器具-アルミ鍋
5.香辛料-中国パセリ
6.お勧めのお茶-ウコン茶
7.指の刺激-中指の爪
8.頭皮の刺激
検査: 1.海馬のアセチルコリン・トロンボキサンB2・クラミジア・ニューモニア・水銀・アルミ
2.寝室の電気器具-テレビ・スタンド・冷蔵庫・電気毛布・ステレオ・電子レンジ・パソコン・そ
スプリングベッド・目覚まし・クーラー
3.パソコン・携帯電話・Fax・電話・プリンター・サーバー・コピー機・その他
4.アルミ鍋・まく゜ろ・コンビニの食事-保存・着色料
cf:身につける金属類-時計・ピアス・ネックレース・指輪・メガネ
治療法: まずは重金属の排泄から取り組む。家庭のアルミ鍋を止め、まぐろもひかえる。中国パセリの量を決め、
寝室の電気器具を一掃する。職場の電磁波環境も遠ざけたり、防いだり、出来る限りの環境を作る。
普段は下痢をしない程度にウコン茶や中指を刺激する。
時々は頭皮の血行をよくするために、マッサージし、発汗する運動をなるべく多くする。
お風呂の発汗も良し。
月に一度程度重金属とアセチルコリン・トロンボキサンB2の量の推移を見守る。
必要に応じてfish oilや藍なども加え、その都度o-ringで確認する。
考察: この方法はまだ実験中であり、十分な結果を得ていないので、今後はもっと精度を上げ
頭の重金属や感染の問題に答えを出せると思う。
鍼を100本程使って頭皮全体に打つ治療もあるが、データが十分ではない。
中指には特殊なマニュキュアを塗り、selective drug uptake enhancement methodはあるが
基本は中指の先端の刺激だと思う。


