おもしろ話

そんなに厳しく言われなかった

常連さんの場合、血液や他の検査データなどはうちでも管理している。時々データを見て、「あれ、この数字上がっているけど医者から注意しなさいと言われたでしょう。」と言うと、「言われたけど、少し注意すればいい程度しか言われていない。」「そうなの。でも数字から見るとちょっと本格的に取り組まないと良くないけど・・・。」と言うと、「医者からそんなに厳しくは言われたなかった。」と言う。この医者の言葉というのは何と…

「老モルハウス」と「クマサカガイ」

先日休みの日に「東京ドイツ村」に初めて行った。気温が低く外のアトラクションは楽しめず、夜のイルミネーションまで時間があったので、少し園内を見ていたら小さな動物園があった。入ってすぐの所に「老モルハウス」と書いてある。今まで仕事をして年老いたモルモットに余生を穏やかに過ごしてもらうための家だそうで、何か郷愁を誘った。横に餌のキャベツがあったので、思わず買ってあげていると現役ではないかと思うぐらい皆元…

がんの早期発見

日本人の半分ががんにかかり、かかった方の半分が亡くなる現実を見ていて、誰もがもっと簡単にがんを早期に見つけたいと思っている。 昔に比べ胃カメラも細くなったし、鼻からも入れられるし、寝ている間にもやってくれる。 大腸も昔は注腸検査と言ってお尻からバリウムを入れるきつい検査をやっていたが、今では3Dで簡単に調べられる。 男性は肺がん・胃がん・大腸がんと死亡原因が続くが、消化器のがん受診率は低く、中々早…

残り5%の痛み

常連さんが五十肩で通っている。一時期よりはいいがまだ夜間痛があり、神経ブロックを受けようと麻酔医を訪ねたら、「先生、肩をこういう角度にするとここが痛むんです。」と言ったら、「そういう角度にしなければいいじゃない。命に別状はないし・・・。」と言われて驚いてしまったという。その後うちに来て、「僕も昔は100%治そうと思っていたが、段々やっていくうちに80点でいいやと思うようになった。理由は100の痛み…

夫源病について

仕事柄、40年ぐらい連れ添ったご夫婦の愚痴はよく聞く。 ご主人は、「昔は可愛かった。今は生意気。」 奥様は、「そばにいないで欲しい。定年後は家にいると思うと恐ろしい。」 とお互い言い分はあるのだろうが最近、「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」「いつまでたっても更年期が終わらない…… 奥さん、それは「夫源病」ですね。…

少し足らないぐらいで丁度良い

最近は、「人生100年」という言葉をよく聞く。 以前は、「人生50年」だったから大変な変わりようである。 60才ぐらいで定年してその後40年、どうやって生きたらいいのだろうか。 経済的な計画も狂ってしまう。 仕事柄、生涯現役の方や余生を楽しんでいる方など色々と診るが、いつも感じるのは「少し足らないぐらいで丁度良い。」ということだ。 現役の方ならいつも仕事で何かを追いかけていて、満足するということは…

定年後、ゴム付きスカートを買ったら痩せない

定年後の話は色々と書いている。 「定年すると治療は増える」「定年後の過食」「定年した男性が注意すべき事」 特に女性で、定年後時間を持て余し、食べ物のことしか考えなくなると必ず太る。仕事があれば色々と気を使うが、朝起きて、「何を食べようかしら。」昼近くには、「もっと美味しい物が食べたい。」夕飯時には、「今日はご褒美で特別に美味しい物を食べたい。」と食べ物のことしか考えていない。そういう人を何人も見て…

別荘の話

患者さんで別荘を持っている方は多い。ハワイ、オーストラリア、軽井沢、熱海、蓼科と大体店番の所である。仕事が現役の50代、60代に買って外国なら夏休みや正月、ゴールデンウィークに必ず行く。現地で日本人と仲良くなると、「今度のお正月はまた会いましょう。」となる。しかし定年後長期間行くようになると、相手の仕事の都合など日程が合わなくなり、現役の時みたいには顔が合わなくなる。寂しい思いをしながら、段々今度…

治るわけがないという考え方

腰痛持ちの常連さんが、「最近は色々な症状が出ても自然に治るわけがないと思うことにした。若い頃は症状が長引いてもやがて良くなるだろうと思っていたが、最近はそうはいかない。治りっこないと思っていればすぐに治療してもらえるので、それが1番良い考え方と思った。」と言う。ある患者さんからは、「私はずーっとリウマチで12年間医者から『様子を見ましょう。』と言われ続けてきました。もういい加減治らないものは治らな…

なぜ肩はこるのですか?

眩暈(めまい)で通っている方から、中々ストレートな質問である。この方は眩暈(めまい)の治療のために「EAT(Bスポット療法)」「乳酸菌」「荏胡麻」「発汗」「利尿剤」「マウスピース」と色々やっている。本人は中々各々の治療と眩暈(めまい)がどういう関係か理解していない。肩こりも同じで肩を治すために色々と手を尽くす。そこで例え話をした。「肩は単独で悪くなることはあまりありません。○○で肩がこるのです。胃…

「がん」を「ぽん」に変えてみる

Bi-Digital O-Ring Testを勉強してからがんの患者さんを扱う事が多くなった。 昔はがんは100人に1人で、すこし時間が経って10人に1人になった。 今では10人に3.5人で、30万人が毎年がんで亡くなっている。 やがては10人に6.5人になるという。 3人に1人が3人に2人になる。 統計を見るとがんと言われた方の半分が亡くなっている。 テレビでも最近芸能人のがんが多いので、「乳が…

大人の言うことを100%信じない方がいい

中学生で運動部の子が部活で身体を痛めた。トレーニングの中身を聞くと、そんな事をやったら体を壊すのは当然という内容だった。本人は指導者に対して忠実なので、文句を言えない。ただ身体が酷くなっていくだけである。母親としてはどうしていいか分からない。今部活で「二合飯を何が何でも食べさせて身体を作る。」というのをやっているらしい。多少の体調不良があってもその後身体が強くなれば良いが、下痢ばかりで体調が回復し…

何故日に3つもネタを書けるのですか?

これも常連さんからの質問である。最近どういうわけかブログで来る患者がいる。講読熱心な患者もいる。有り難いことではあるが、私から見たら日に3つのブログは少ないと思う。一人の患者を治療するごとに3つや4つの事は感じる。すべて書くのは大変だが、この患者の事を書くと他の患者にばれると思い控えめに書いている。かなり重なる部分はどうしても出来てしまうが、治療家はそれぐらい色々なものを感じている。またそれぐらい…

夫婦の体力差

夫婦共にライオンタイプなのだが、奥さんの体力がずば抜けている夫婦が通っている。体力差が大体3倍、奥様から見ればご主人の体力が1/3である。こういう夫婦の場合は旅行などに行くとかならず問題が起こる。旅館についてゆっくりしたいご主人と、折角旅行に来たのだから色々なものをみたい妻。ついた途端、「パパ、荷物を置いてさあ、出かけましょう。」と妻が言い、「え、今着いたのに少しゆっくりしてからでいいじゃない。」…

減量と赤いドレス

今までも減量に取り組んできた方は多い。膝痛やがんの後遺症の方など目的は様々だが、簡単に結果は出ないという感覚を持っている。特に40-50代女性で20才の時の体重が55kgで今は70kgになってしまうと、生活の根本から指導をしないと変わらない。普通、減量は月に2kgを目指すが、5-6kgなら数ヶ月でいいが10kg越えとなると1年ぐらい時間をかけた方がうまくいく。減量目標は15kgだから、今からやって…

流す訓練

華道でも茶道でも何でも「道」とつけば、技術だけでなく、その心を教えることが大事だと思っている。例えば踊りで舞う技術をいくら教えても、お客さんから感動は起こらない。花を活ける技術でもなぜか、心に響かない。歌でも芝居でも何でも同じである。「道」を教える先生が何人か来ているが、「弟子に心を教えるのがとても大変。技術をいくら磨いてもものにならないし、心が大事と何年教えても身につけようとしない。教える側も嫌…

東大生と鈍感力

東大を卒業した患者さんは多い。その方達に、「どうやったら頭が良くなるのですか?」と聞いてもあまりいい答えが返ってこない。こちらも色々と聞いているうちにある方から、鈍感力の話を聞いた。「これはある程度東大生に当てはまると思うのですが、少し鈍感な方がいいと思います。例えば受験勉強が辛いのは誰でも一緒です。あまり繊細だと、こんなことは続けられないとすぐに止めてしまうでしょうけど、鈍感だと辛いけど続けられ…

整形外科で静かな革命

トライアスロンをやっている常連さんが、医者に紹介されて整形の専門病院に行ったという。詳しく調べていただいて問題はなかったのだが、股関節のMRIを見ながら、「これは一般の医者に言っても知らない。普通ならCD-ROMを渡すのだが、見てもわからないから、紹介元の先生にはメールをしておく。そしてあなたの場合は上双子筋(じょうそうしきん)を刺激しなさい。」と言われたという。この常連さんは治療にかなりのお金を…

結婚相手はおとなしい人が良い

30代の女性で初診時から身体を診て、「あなたは立ち仕事に身体が向いていない。結婚して3人ぐらい子供を作ると身体が強くなる。早くいい人を見つけなさい。」と指導した人がいる。その後仕事をデスクワークに変えたがやはり身体がついていかない。兎に角仕事に身体が向いていない。これはもう結婚しかないと思って、「若い頃はグイグイ引っ張っていってくれる男性がいいと思うだろうが、こういう仕事をしているとおとなしい人が…

年寄りの幸福感

仕事柄、年配の方は多い。 長年そういう方達と話をしていると若い方とは幸福感が違うと感じる。 若い時みたいにあれが欲しい、これが食べたい、あそこへ行きたいがなくなってくる。 必要な物は全てあるし、ご飯もあまりこってりしたものは食べられない。 毎日天ぷら、うなぎ、中トロなど無理である。 美味しいお新香とお茶漬け、梅干しでもあれば十分である。 旅行へ行くと言っても毎月海外などへは行けない。 月に一度の国…