体にやめさせられる話

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色々な方の体を診ていると「この方は体に止めさせられている。」と感じることがあります。スポーツ選手など体を診ると「この方はテレビでは必死にやっているように見えるが体にまだ余裕がある。」とか、逆に「この方の体はもう限界を超えていて、どうやってももう伸びるわけがない。」ということが体に書いてある。昔は何でも根性論で「無理をすれば何とかなる。」といった考え方もあったんでしょうが、私はそうは思いません。明らかに体によって運命が決められているのです。体に器のない方が、何かに取り組もうとすると初めのうちはいいですが、器を越えた途端、体に止めさせられます。それでも体のいうことを聞かず根性で続けていると、体は色々な手を使って本人の気持ちをそぎにかかります。それでも止めないとやる気をなくさせたり、痛みを出したり、強烈な眠気を出したり、実に体は戦略的に本人を説き伏せに来ます。
以前に飛び込みで入ってきた女性に、「あなた、今の仕事が嫌で嫌でしょうがないんでしょう。やめたいと思っているんでしょう?」と言ったら、ビックリして、「何でわかるんですか?」「身体に書いてあります。身体に拒否されてどうにも身の置き所がなくて、うちに飛び込んできたんでしょう。」「そうなんです・・・・」「このまま続けたら、半年持ちませんよ。やめる方向で考えたらいかがですか。」「やはりそうなんですか・・・」その後は職場を変えたそうですが、あんな状態で続けたら鬱病になるのがオチでしょう。
人間の精神は無限ですが、まちがいなく体は有限です。与えられた体の器によって仕事を決めるという文化は日本にはないと思いますが、あまりにやろうとする仕事と体のバランスが悪いと悲劇が生まれます。時には体の内なる声に耳を傾け、「このまま、今の仕事をこの方法で続けていい?」と聞いてみると、意外な答えが返ってくるかもしれません。

2015年7月29日 | カテゴリー : 症例 | 投稿者 : 東洋鍼灸院 田中