腸のスイッチ

70代男性で後片付けをしたいが頭が働かないから治療して欲しいという方が通っている。
頭の治療は基本的に頭に鍼を打ったり、首のゆがみを治したり、顎関節を改善するためにマウスピースを作ったり、鼻炎をチェックするのが定番である。
次に腸の治療である。
フードチェックや乳酸菌はもちろんだが、按腹や温熱(ホットパックや温灸器)はかかせない。
そしてそれでもだめなら断食である。
出来なければ減食だけでも違う。
まずは空腹感を味わって戴き、その時にお腹を暖めてゴロゴロいうようなら頭の血流が改善する可能性が高い。
この患者さんはホットパックでお腹を温めてから、下痢気味だった便が少ししっかりとしてきたという。
そして温灸器ではもっと硬い便になり排便に時間がかかるという。
腸の調子が良くなったら、睡眠時間が減り起きてすぐ頭が回るという。
それ以来調子がよく、自分でも信じられないという。
そしてあまりに頭が働き出したので本でも書けそうな勢いだという。
今まで後片付けが出来ないと言っていたのに、まるで別人のようである。
Bi-Digital O-Ring Testを使って頭のアセチルコリン、セロトニン、ドーパミン、テロメアを測ったが、今までで1番いい数字になっている。
それもダントツにいい。
患者さんの言ったことは数字でも証明された。

この体験は何を意味するのだろうか。
最近テレビで腸内フローラと言って、大腸菌のことがよく話題になっているが、腸の中に何かスイッチのようなものがあり、頭の血流をコントロールしているのではないだろうか。
この患者さんはたまたま、減食と温熱でスイッチが入ったと考えれば合点がいく。
以前に鬱病患者の胃腸を治療し始めた途端、治療成績が上がったことからも腸と頭の血流は密接なことはまちがいない。
身体にはいくつかスイッチがあるが、胃腸の調子が悪く、頭の問題で悩んでいる方はかなりの数に上るのではないだろうか。

image_print印刷する