顔面神経麻痺の治療

最近、顔面神経麻痺の患者さんが多い。
顔面神経麻痺には2種類あって一つはラムゼイハント症候群、これは3割ぐらいしか治らないと言われている。
もう一つはベル麻痺、これは7割の治癒する。
病院での治療は2週間のステロイドと抗生剤、酷ければ入院で点滴、あとはビタミンか血流改善剤での治療が定番である。
入院しても2週間で出されるから、患者さんは少し不安を抱えている。
軽い方ならステロイドの治療中に、眼や顔が上がってくるがそういう方は少ない。
そして次の診察を1ヶ月後と言われると益々不安になる。
このままでいいのかと感じてしまうようだ。
東洋医学に関心がある先生だと鍼でも試したらとなるが、どうしてももっと良くなりたいと患者がごねれば、神経ブロックでもやってみるかとなる。
神経ブロックは「星状神経節ブロック」といって、良い所に入ると顔が紅潮し、何とも言えない血流が良くなった感じがある。
あとはあまり病院では指導が出ない。
しかし代替医療的には色々な手が打てる。
まずは顔面神経麻痺はヘルペス感染(他の種類のもある)なので、免疫力を上げるために乳酸菌を合わせる。
次に抗ウィルス作用としての荏胡麻、電磁波の環境対策、噛み合わせの調整、骨格のゆがみ調整や温熱治療と出来ることは沢山ある。
一ずつやっていくと半年ぐらいはすぐに経ってしまう。
やがては口笛の訓練などやっていただいているが、ベル麻痺だとおおむね経過は良いように思う。
患者さんの中には焦って発症間もないのに、色々と手を出す方がいる。
気持ちは分かるが、このウィルスは神経に入るので回復が遅い。
皮膚の擦り傷ならすぐに治るが、ウィルスの場合は数ヶ月単位で様子を見るしかない。
3ヶ月、半年前と比べてどうかという見方である。
気の長い話だが、当院では初診時に写真を撮って顔の曲がり角などを計測しているが、本人が気がつかないうちにかなり改善するものである。
以前ラムゼイハント症候群の方を数ヶ月治療して、殆ど回復しなかったので形成外科で手術になったが、一昔前に比べて、ここまで綺麗に治せるのかと驚いたことがあった。
昔ほど、顔面神経麻痺は怖い病気ではなくなったと思う。

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