心と身体のタイムラグ

心身共にストレスたっぷりでひどい方はよく来る。ストレスの反応は身体の末端や心臓の裏(左肩甲骨の下の所)に出る。心臓の反応点に関して私は「ヤダモン君」と言っている。何か嫌で仕方がない状況にあることが容易に想像がつく。そして筋肉の硬さから経過時間もわかる。数日なのか、数週間、数年までわかる。時々、こちらが診てまだ身体にこりが残っているのに、本人は殆ど問題解決したというケースがある。身体は嘘をつかないから、「いや、まだ身体に反応が残っているから問題ありですよ。」「いやいや、殆ど解決したんだ。気持ちは軽いし、体調はいい。」こう言われてしまうと、「まぁいいか。」と言うことになってしまう。しかし1週間ぐらいしてから、また突然おかしくなったと言ってくる。身体を診ると前回より酷くなっていて、これでは辛いわけだと思ってしまう。本人は前回のが抜けたのだから、また新たに負担をかけてもいいと思っている。しかし負担をかけてみたら思いの外辛くなったので、ビックリしたわけである。これには少し理由がある。心は体に連動しているのだが、心はスイッチで体には傷になってしまう。心は何かのきっかけで一瞬にして変わってしまうが、身体は傷なので修復にある程度の時間がかかる。心が軽くなっても身体はすぐには反応できない。このタイムラグに本人が勘違いしてしまうわけである。身体まで治ってから次のことをやればいいのに、気分はいいのでついやってしまう。この事で苦い体験をした方は少し慎重になって、私が身体を診て何というかを黙って聞いている。「身体から抜けましたね。」「まだまだ全然ダメですよ。」大きな仕事を抱えている方はやはり自分の身体にも気配りをしている。

 

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