以前野球解説を見ていたら、「投手はマウンドに立つときまず、完全試合を考える、ダメなら完封、完投、勝利投手と実際は段々目標が下がる。」という話を聞いた。これは治療家にも当てはまる。まずは完治、ダメなら痛みだけでも、ダメなら動きだけでも。ダメなら来たときよりはよく、ダメなら何でもいいからお土産ぐらいは・・・。初めの意気込みが段々下がってくる。そしてまた次の患者を診る前は、完治・・・・と思っている。この気持ちは大事だか、だんだん慣れてしまうと始めからお土産程度でいいと思ってしまうことがある。人間の慣れであるが半分はあきらめである。「どうせ、この症状完治しないし・・・。」と思ったら怖い。常に完全試合や完治を目指すから足らないところがみえるのであって、始めから目標は下げられない。これも慣れの怖いところであるが、長年やっていると大抵のことは想像がつくから、戒めないといけない。こんな時いつも思い出すので、仕事がなかった頃のことである。どんな仕事も文句一つ言わずにこなした。この経験がないとすぐに慣れてしまうのではないだろうか。ある程度こうなるだろうとわかっていても目標を下げない気持ちは、下積時代にあると思う。
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