局所環境論

肩でも腰でも何処が痛くなるかで明確に原因が違う。
腕の使いすぎで肩甲骨の内側、心臓の反応で左の肩甲骨の下、喘息は首の後ろ、寝違いは喘息と同じ場所だが範囲が広い。
腰も甘い物取りすぎで左の腰の上、刺激物の摂取で右の腰の上、ぎっくり腰は腰の下で真ん中、坐骨神経痛はどちらか一側、腸は腰骨の上で左側。
一般的に肩首腰痛と言っても、身体はその原因の違いを明確に表している。
それを正確に読み解くのが仕事だが、想像もつかない話をすることがある。
「この肩の痛みは腕の使いすぎが原因で喘息を誘発している。だからパソコンを控えて、咳の薬を飲むと治る。」
患者さんにしてみると肩に鍼でも打つのかと思ってくるが、それでは治らない。
腰も同じである。
「この左腰痛は腸と甘い物取りすぎが原因、2週間甘い物を止め、乳酸菌でよくなる。」
腰など診もしないし、触りもしない。
腰をいじる必要が全くない。
結局、その場所にどんな反応が出ているのかの局所環境論が大事なのである。
いい例えではないが、父親がヤクザ、母親が泥棒、兄が万引き癖、姉がこそ泥だったら、弟は正しく生きられるだろうか。きっと何か盗みをやるのではないだろうか。だから弟の犯罪を治すのに周りから治す必要がある。
局所環境論である。
これがわかってから治療成績が良い。
あまり医学も細分化だけでなく、局所論で考えると救われる患者が増える。

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