「大丈夫」という意味

常連さんが主治医に対して少し文句かあるという。
何かと思って話を聞いてみたら、「うちの先生、どんな時も『大丈夫』しか言わない。この間私が胃潰瘍をやった時も、『大丈夫』、脚の手術の時も、『大丈夫』、血液で少しおかしな事になった時も『大丈夫』、がん患者にも『大丈夫』で何とも頼りないというかいい加減というか少し不満。」と言う。
この大丈夫という言葉だが、前に少し正確な言葉の意味を足せば問題ないと思う。
胃潰瘍で『大丈夫』と言われたとき先生は、「今や胃潰瘍は治療法があり、昔みたいに手術することはない。例え出血して痛みがきつくても薬でなんとでもなるから、『大丈夫』。」と言えば患者も理解出来るのだが、前文を省略してしまうと不安を感じてしまう。
脚の手術も、「この脚の手術は少しリハビリは必要だが、ある程度の時間が経てば何の問題もなくなる。だから『大丈夫』。」と言えば良かった。
血液の時も、「この程度の血液データの異常は一過性だから、次回調べて問題なければそれで良し。例えこの状態が続いても肝臓が○○と言う事だから、命には別状はない。場合によっては経過観察になるが最悪、△△程度だからそんなに今は気にしなくてもいい。だから『大丈夫』。」と医者は思っているかもしれない。
がんの患者にも、「あなたの○○がんはそんなに悪性度は高くない。今なら抗がん剤と放射線で叩ける。生活を正せば再発率は低い。本来の寿命にそんなに影響はしない。だから『大丈夫』。」と言えば良かった。
この世界に長くいるとどうしても結論がわかってしまうだけに、大事な前文を省略しがちになる。
少し反省した。

image_print印刷する