何をやっても治らない胸の痛みの考え方

息子さんがネットで調べて、「父なんですが、胸の痛みが取れずに困っています。少し前に帯状疱疹をやってその後鎮痛剤が1つ2つ3つと増えて全く効きません。あまりに効かないので神経ブロックにまわされましたがそれもダメです。おたくで何とかなりますか?」と電話してきた。「診てみないと・・・。」と答え、おみえになって資料を見たら、血液は全く問題なし、鎮痛剤も筋肉を緩めるもの、神経の興奮を治めるもの、終いには安定剤まで出ている。担当した先生が、「これだけ出せば何か効くだろう。」と思っているのが伝わる。神経ブロックも定番治療だが神経根と言って肋間神経の根本を狙っているが、効かないという。こういう場合はよく灸が功を奏すことがある。まず始めは患部だけお灸をやってみて効果を聞いたら、「全く効かない。」と言う。次に神経ブロックと同じ、神経根を狙ったがどうも効いている感じがしない。ではどうするかだが、「頭」「口腔」「胃」「腰」がキーポイントになる。どういうことかというと患部に原因がなく、どこか他から影響を受けている場合である。まず「頭」だが、これは腰痛でも発熱でも原因不明のものによく効く。次に「口腔」だがこれは歯周病か噛み合わせである。次の「胃」だが、これは腹筋の影響が考えられる。最後に「腰」だが、これは坐骨神経痛の神経の興奮と肩関節の運動制限である。一つずつ書くと長いのでこれぐらいにするが、患者さんにこのことを説明したら、「頭?口腔?胃?腰?腰は痛むんです・・・・。」と言っていた。ちゃんと説明しないと理解して戴けないので、納得して戴いてから治療しようと思っている。

image_print印刷する