悪くない足を治療する話

先日、NHKのためしてガッテンを見ていたらリハビリの解説の中で、「脳卒中になって悪い足ばかりの治療では効果があまりなく、反対側のいい足を治療すると悪い方も良くなり歩けるようになる。神経は悪い方だけでなく、いい方にも少し行っているのだからそちらを調整することが大事。」と言うようなことをPT(理学療法士)の先生が言っていた。こういう内容をテレビでやっていただけると有り難いと思った。当院では以前から、『体の中の父ちゃん母ちゃん』と言う話を書いている。常連さんの中には、「先日、NHKでやっていたことは先生の言っている『父ちゃん母ちゃん』と同じ事ですよね。」と言う方もいた。下記はその内容の一部抜粋である。

右膝を怪我した場合は右脚に体重がかけられませんから、左脚に負担がかかります。その状態が続くと支えている左脚が根を上げて腰に痛みを出します。ですから右膝痛で腰痛が出た場合は左脚の負担を取ってあげれば治ります。言われれば当たり前の話ですが、右膝痛の場合にどうしても右膝を治療して欲しいという要求が強く、右膝の治療は必要ないといっても少しでいいから治療してほしいと言われてしまいます。気持ちとしてはわかりますが、何とかこれをわかりやすく説明しようと考えた結果、体の中の父ちゃん母ちゃんの話をしています。右脚が怪我をした父ちゃん、左脚が頑張っている母ちゃん。父ちゃんが怪我をしていないときは夫婦仲良く、何も問題は起こりませんが、父ちゃんが怪我をしたら働けませんので、母ちゃんが頑張って働く。家事もこなすとなると母ちゃんは大変です。そういう場合、動けない父ちゃんを治療するより、2倍動いている母ちゃんを治療した方がいいでしょう。父ちゃんは休んでいるだけですから、疲れていないのです。しかし母ちゃんが何処までも頑張れればいいですが、限界を超えると周りに当たり散らし大騒ぎになるわけです。それが腰痛です。そんな時に休んでいる父ちゃんを治療しても何も変わりません。限界を超えた母ちゃんを鎮めるしか方法がありません。母ちゃんが鎮まらなければ鎮まるまで母ちゃんを治療し続けます。母ちゃんが納得してくれれば腰痛は治まります。

 

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