中学生・高校生の腰椎分離症

親が当院に通っていて子供が部活などで腰が痛いというとよく連れてくる。レントゲンを撮ると「腰椎分離症」などと言われ、少し不安になるが、我々から見ると安静にしていれば殆ど問題は起こらない。しかし試合が近いとか柔道部で先鋒ぐらいならまだいいが 、大将を勤めるとなると痛みに耐えながら稽古を続けてしまう。そして痛みを抑えるために注射や鍼という事になってしまう。酷い学生になると痛めた腰に硬いしこりが出来てしまい、「これは相当痛くて、ずーっと我慢し続けたでしょう。」と言うと、殆ど言葉にならない感じで首を縦に振る。よく監督やトレーナーから「プロテインを摂って身体を大きくしろ」とか「腹筋強化」などと言われるようだが、我々ははたしていいのかなぁと思っている。大リーグに行ったイチローが「アメリカに着いたばかりの時はプロテインを摂ったり筋トレをして身体を大きくしようと全く打てなくなってしまった。シリーズも中盤になると元の身体になってそれから打てるようになった。意味のない筋トレなどは逆効果である。」と言っている。学生でも親からもらった遺伝子に基づく骨格がある。無理矢理食べさせて身体を作るのは相撲取りぐらいである。「腹筋強化」にしてもやり過ぎて腰痛は良く起こる。腰椎分離症は基本的に脚に負担をかけすぎて硬くになり、腰に対してクッションがなくなり、腰の骨にまで負担がかかるものである。まずは脚の治療をして、お腹を整え、筋トレはやり過ぎないほうがいい。特に最近はプロでも毎日は筋トレをしない。学生なら週に1度か2度はちゃんと休ませれば、必ず回復する。学生の場合休むと遅れるとか罪悪感に囚われるだろうが、筋肉が休みを欲しているのである。身体に「プロテイン」「腹筋強化」ではなく、「脚の治療」や「筋肉の要求に従い休みを取る」が解決法である。

image_print印刷する