ゴルフボールとソフトボール

時々、ゴルフボールを使って自分のつらい肩や腰をゴリゴリやる人がいる。特にうちの予約が取れなかった後は、一層力強くやってしまうらしい。気持ちは分かるが少しこれは危険である。以前、マッサージチェアを買って納得いくまでゴリゴリやっていたら、ある瞬間から違う痛みを感じたので見てみたら血がついていて皮膚が破けてしまったという患者がいた。皮膚が破けてしまえば場合によっては皮膚移植である。そこまでいかないまでも細い神経や血管が切れたり、皮膚の色が変わったりと相当強い刺激を与えていることは容易に想像できる。何故そこまでしてしまうのだろうか。「もっと楽になりたい。もう少し・・・。」という心理だろうが、本来ゴルフボールみたいに硬くて接地面積の狭いもので納得いくまで刺激をしてしまうのは危険である。そういう場合我々はソフトボールを勧めている。柔らかいし、接地面積は広いし、安全である。ゴルフボールもソフトボールも治療道具ではないのだから、「やらないよりいいか。」ぐらいで止めれば何の問題もない。余り、「もっともっと」とやらないことがコツである。ソフトボールなら大きいから患部にビタッとは当たらず、「こんなものかぁ。」と途中で諦める。これが大事である。ゴルフボールよりより小さく硬いものでは皮膚はもたない。何事も程々である。

image_print印刷する