自然の風

常連さんが暑い中当院までたどり着き、ベッドに横になった途端、「あ、気持ちいい。何これ。」という。これには実は少し仕掛けがあって、ベッドに横になった位置に自然な風が当たるようにしている。これだけ連日猛暑が続くと朝起きてエアコン疲れで、身体が冷え切ってだるくて仕方がないという方は多い。先日も「リセット感」を書いたが、こんな時は朝風呂で腰まで浸かり発汗するしか方法がない。シャワーなどで済ませてしまうと交感神経優位になり、熟睡が難しい。空調も色々と実験するとエアコンだけでは心地よくない。扇風機を併用すると心地が良いが、問題はその風である。風呂上がりなら扇風機を独占していいが、直接当たり続けると何となく体調が悪くなる。そんな時に参考になるのが、「自然の風の心地よさ」である。これは実はもう研究されていて、「1/fゆらぎ」が関わっている。詳細はリンクを見て頂くとして、これはもう商品になっている。当然そういう扇風機は高額なので、当院では少し工夫をして近い状態を作っている。まず風を直接患者さんに当てない。次に間接風の角度を調整して、どこから風が吹いているかわからないようにする。次に治療院内で風の流れを作っている。BGMもそうだが、ガンガン音がしては心地よくない。どこから聞こえているかわからないと心地が良い。当院では音源は畳の下である。以前、「五感治療院」を書いたが、音、香り、感触、見た目など五感を満たすと副交感神経が優位に働き、心地よく眠くなる。こんな話をすると何時も、「旅籠(ホテルや宿)を併設するとはやるだろうなぁ。」と思っている。治療しながら患者が眠たくなったら、「このままお泊まりになります?」と聞けば、「う~~~ん。泊まる。」ということは間違いない。何事も自然から学ぶことは多い。

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